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大切な人たちとの日々  作者: MIK
溢れる思い
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第七十四話 セールとジヴィと少々クラースとシンザ

セールは、うふふふふと笑いながらカウンターの奥に消えたシンザを見送った後、クラースとジヴィを申し訳なさそうに見た

「すまんな」

「いえ、私はこれで失礼しますね」

「ああ、気を付けてな」

「はい」

「ジヴィ、またな」

「ああ」

セールとジヴィが商談用のスペースに向かうのを見てからクラースはカウンターの奥にいるシンザに声をかけた

「シンザさん、失礼します」

「気に入ってもらえるといいわね」

「はい」

何故か目をきらきらさせて、満面の笑みを浮かべて出て来たシンザと挨拶をかわしたクラースは店を後にした


ジヴィがソファーに座ると向かい側のソファーに座ったセールがテーブルの上に平たい木箱を置いた

上から覗き込むと中は格子状に区切られており、その一つ一つに小さなクッションが敷き詰められ大事そうに指輪が入れられていた

ガラスの蓋を開けてジヴィに箱を差し出したセールが、すぐに真剣な顔で一つ一つを見始めたジヴィを見て微笑んだ

「気に入ったものがあったら言ってくれ、なければ希望を言ってくれれば出来る範囲で対応する」

ジヴィは顔を上げてセールをみると真剣な顔のまま口を開いた

「この色で、これについている石を付けて、これくらいの幅のものは出来ますか?」

「石は上に乗せるのか?それとも埋め込むか?」

「埋め込んでください」

セールはテーブルの脇に置いてある紙を一枚取ると、さらさらとデザインを書き込んでからジヴィに渡した

ジヴィが指輪のサイズを紙の隅に書き足してからセールに返した

(ニヴィに頼んで全部の指のサイズを測ってもらったからな、助かったよ)

「この石の両側にこの色のこれより小さ目の石を埋め込むことは出来ますか?」

「ああ、大丈夫だ」

セールが当たり前のように答えるとジヴィが目を僅かに見開いた

「どうした?」

「前から気になっていたんですが、セールさんはどうして“ここ”で店を開いているんですか?」

「ジヴィ、何に気付いたかはどうでもいいが、俺は“ここ”で店をやってんだ」

セールがジヴィの目を見ながらはっきり言い切った

「すみませんでした」

すぐに申し訳なさそうに誤ったジヴィに、セールが笑いかけた

「クラースには何も言うなよ?」

「はい」

「それにしても、久し振りにやりがいのある仕事が出来るな」

楽しそうなセールにジヴィが話しかける

「セールさん」

「何だ?」

「同じデザインで石の色を入れ替えたものをサイズ違いでお願いできますか?」

「出来るぞ」

一瞬怪訝な顔をしたセールが、自分の手を差し出してサイズはこれでお願いしますと言ったのを聞いて破顔した

「なるほど、揃いの指輪か、クラースにお前の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいな」

ジヴィの指を測り終えたセールがジヴィに問いかけた

「そう言えば、いつまでに仕上げればいいんだ?」

「ああ、俺の誕生日会で彼女に渡そうと思っているので、それまでにお願いします」

ジヴィがにやりと笑った

「クラースのものと同じ日です、今更だけど俺とニヴィの誕生日は同じ日だから」

「そう言うことか」

「それから、包装はリボンのみで、出来れば箱自体を布張りにして蓋と一体型に出来ませんか?」

「出来るが何故だ?」

ジヴィが声を潜めてセールに話しかけた

嬉々として話し始めたジヴィにセールが苦笑いを浮かべながらも話し合い始めた

「クラースには俺から話しておきますのでよろしくお願いします」

そう言ってジヴィは話を切り上げた

「よろしくお願いします」

「ああ、わかった」

ジヴィとセールは顔を見合わせてにやりと笑った


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