第六十八話 ニヴィとローザ
日の光がさんさんと降り注ぐ部屋の中、色とりどりの服を前に、ニヴィが悩んでいた
一旦、全ての服を見終わったところで、一緒に服を見ていたローザがニヴィに話しかけた
「ニヴィ」
「何、ローザ」
ニヴィがローザを見ると嬉しそうに微笑んでいた
「ありがとう」
「え?」
突然、感謝を伝えられるがニヴィには思い当たるふしがなかったので、首を傾けた
そんなニヴィを見たローザが可笑しそうに小さく笑った
「最近、兄さんがとても嬉しそうなの」
「そ、そうなの」
素っ気ない口調で返事をしたニヴィだが、うっすら口元が緩んでいた
「ええ、ニヴィもそうだといいのだけど」
「ぇ!?」
恥ずかしさから険しくなったニヴィの顔を見てローザがハッとした後俯いた
「そうよね、兄さんは兄さん、無理強いはいけないわよね」
俯いたローザが小さく呟いた
険しい顔をしたままのニヴィが慌てた声を出した
「ローザ、ちょっと待って!!」
(どんなに恥ずかしくても、ちゃんと伝えなくちゃ駄目よね)
ニヴィはあの日のクラースの涙を思い出していた
「どうしたの、ニヴィ?」
ニヴィの慌てた声にローザが顔を上げた
「私も・・・」
恥ずかしさのあまり一度口ごもってしまう
「私も?」
ローザの優しい声に励まされるように、ニヴィはしっかり目を見てから言った
「クラースの隣にいることが出来て嬉しい!」
「まあ、本当に?」
「本当に、本人には恥ずかしくて言えないけど私も嬉しい」
「よかったわ」
若干顔は険しかったが首まで真っ赤になったニヴィに、ローザが嬉しそうに笑いかけた
真っ赤になったままのニヴィがローザを見てから言った
「だから、今度の誕生日会で着る服一緒に考えて欲しいの」
「ええ、喜んで!」
ローザが弾んだ声を上げた
「クラース、お洒落や流行に興味なさそうだから、どんな服がいいか分からなくて」
「兄さんは、ニヴィがいるだけで十分です」
(ニヴィ以外目に入ってないんじゃないかしら)
「そんな・・・そうだったら嬉しいな」
自信がなさそうにしながら嬉しそうにはにかんだニヴィを見ながら、ローザは全面的に協力することを心に決めた
「細かい好みはそれとなく兄さんに聞いてみます」
「ありがとう、ローザ」
「ニヴィを姉さんって呼べる日が来るのが楽しみ」
「ロ、ローザ!?」
「あら、つい・・・ごめんなさい」
(ニヴィが本当に姉さんになるなんて、嬉しいんですもの)
「恥ずかしいだけで嫌じゃないから、大丈夫よ」
「ふふふ」
にこにこしているローザをニヴィが呼んだ
「ローザ」
「?」
ニヴィはローザに笑いかけた後言った
「私もローザが本当の妹になる日が待ち遠しい」
「ぁ///」
ローザの顔が赤くなったのを見てニヴィが笑う
「これで、お互い様ね」
ローザとニヴィは顔を見合わせてくすくす笑い合った




