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大切な人たちとの日々  作者: MIK
猫らしくない猫を飼い、子守をする
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第六話 アズールと野良猫(ノラ)

突然猫を連れ帰ったアズールに両親は驚いたが、猫の愛らしさにすぐに虜になった

体を洗うのに首に巻いたハンカチを外そうとした時だけ抵抗したが、実際に濡れた布を使って説明したら大人しくなった

「まだ、首輪が用意できてないから我慢してくれ」

野良猫はアズールに洗われながらンニャと短く鳴いた

しっかり体を乾かして自室に連れ帰った後、毛繕いを始めた野良猫を見たアズールが不思議そうに呟いた

「お前猫らしくないな」

毛繕いを中断するとアズールをジッっと見つめてウニャァーンと鳴いた

「ああ、ご飯か、今持ってくる」

部屋を出ようとして、ペシッペシッと何かを叩くような音が聞こえたアズールが不思議そうに野良猫を見た

「野良、どうした?」

尻尾で机を叩いていた野良猫が、机の上に置いてあった先ほど外したハンカチを銜えるとアズールの足元まで歩いて来た

座ってこちらをじっと見上げる野良猫にアズールが小さく吹き出した

「お前は本当に猫らしくないな」

首にハンカチを巻かれながら野良猫がウニャァーンと鳴いた

「ああ、ご飯持ってくるから待っててくれ」

アズールが持ってきたご飯を食べている野良猫を見ながらアズールが呟いた

「野良、名前どうする?」

耳だけ動かしてご飯を食べ続ける野良猫を見て、アズールがため息をついた

「聞いても仕方ないか」

そのまま名前を考え始めたアズールは、ペロリと頬を舐められてハッとした

いつ間にか食事を終えて机の上にいた野良猫が舐めたようだが、そっぽを向いてこちらを見ようとしない

「どうした、野良?」

相変わらずそっぽを向いているが尻尾は腕の上に置かれている

「名前が思いつかないんだ、どうしようか」

「ネコとかどうだ?」

耳をピクリと動かした野良猫がアズールの腕を尻尾で叩いた

「野良は猫だからネコでいいじゃないか」

野良猫がアズールを見るとシャーと威嚇した

「野良はわがままだな」

アズールがハッとした

「野良だからノラでいいか」

アズールの言葉に野良猫がンニャと短く鳴いて机から降りるとソファーの端に飛び乗ってあくびをしてから丸くなった


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