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大切な人たちとの日々  作者: MIK
予期せぬ幸せ
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第五十三話 シンザ(元ノラ)とセールとアズールとランとジヴィとニヴィとノラ(元野良猫)と少々ロド

ランがアズールを見上げているシンザの耳にそっとささやいた

「髪飾り、良かったわね、とっても似合っているわよ」

パッとシンザがランを見るとランがシンザに微笑みかけた

「ありがとうございます、でも一体いつの間に・・・」

「あら、悩むところはそこなのね・・・いつも傍にいるんだからいつでもつけれるでしょうね」

ランが小さく呟くと聞き取れなかったシンザが聞き返した

「え?」

「何でもないわ、ブーケ良かったわね」

「地面に落ちるかと思った」

ランの後ろから顔を出したニヴィが声を上げると、ランが優しくニヴィの頭を撫でた

「ええ、そうね」

「とっても綺麗で嬉しいです」

はにかみながらブーケを抱き締めたシンザにランとニヴィが歓声を上げながら抱き付いた

「ラン、俺にはあんまり抱き付いてくれないのに・・・」

アズールがボソッと呟いたのを聞いてしまったセールが呆れたようにため息をついた

「セール!」

「シンザ、どうした」

シンザが頬を染めながらセールを見上げたが、セールと目が合うと目を逸らして俯いてしまった

シンザが俯くと髪飾りが日差しを反射してキラッと輝いた

セールが満足そうに髪飾りをつけたシンザを眺めていると、シンザが顔を上げた

「えっと、アズールさんとランさんが髪飾りを褒めてくれたんだけど・・・セールがくれたの?」

段々と小さくなっていくシンザの声をしっかり聞き取ったセールが頷いた

「何だもうばれたのか・・・ああ」

「本当!ありがとう」

シンザが満面の笑みを浮かべてセールを見上げた

「まだ、自分で見てないけど2人とも似合ってるって言ってくれたし、嬉しい!」

堪え切れずにセールがシンザを自分に引き寄せると抱き締める様に回した手でシンザの頭をぽんぽんと軽く叩いた

「喜んでくれてありがとな」

「ううん、本当にありがとう」

シンザがそっとセールのスーツの胸元を握りしめた

アズールとラン、ジヴィとニヴィがセールの赤くなった耳と、何かに耐える様に握りしめられた片方の手を見て呟いた

「「「今日一緒に式出来たのに・・・」」」

「あれは、どっちもどっちだな」

締めの挨拶を始めたロドの声で我に返ったセールとシンザが慌てて離れた

式が終わり、着替えてから居間でのんびりしようとロドの父親が言ったのでそれぞれ部屋に戻った

着替えたセールが居間のドアを開けると、先に来ていたランとアズールが振り向いた

セールが首を傾けると、ランが唇の前で人差し指を立てた

アズールが何かを指差したのでセールが覗き込むと、出窓に腰掛ける様にしてシンザが眠っていた

セールがシンザに見とれていると、イオとロドが着替えを済ませて戻って来た

「あら、疲れていたのね」

「そのまま寝かせておいてあげよう」

イオが呟くとロドが軽く頷きながら呟いた

ランが動かないセールの腕を掴もうとした時、身じろぎしたシンザがパチッと目を開けた

セールと目が合ったシンザが頭の上を押さえてうずくまった

「シンザ?」

驚いたセールがシンザの前に慌ててしゃがむと、シンザが後ずさった

「シンザ、何しているの?」

イオが声を上げると、シンザが顔を上げた

「「え?」」

シンザがイオとランの後ろに隠れた

「・・・ノラ?」

恐る恐るアズールが名前を呼ぶと、シンザが満面の笑みを浮かべてアズールに飛びついた

訳が分からなくて呆然と立ち尽くすセールにイオがささやいた

「信じられないけど、シンザの目、瞳孔(どうこう)が縦長になっているわ」

「なっ!?」

イオが振り返ると目を見開いて固まっているセールをシンザが見つめていた


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