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大切な人たちとの日々  作者: MIK
予感は現実に成る
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第四十九話 セールとアズールとロド(ランの先輩)とロドの父親とイオと少々ランとジヴィ

ボーっと噴水の縁に腰かけているジヴィを見て不思議そうな顔をしたセールが、アズールに尋ねた

「何かあったんですか?」

「俺には何も言わないが、最近眉間に皺を寄せて何か考えていることが多くなった」

「そうですか、俺も気に掛けておきます」

「ああ、そうしてくれると助かる」

アズールがセールに笑いかけると、セールがわずかに目を見開いた

「どうした?」

「えっと、何でもないです・・・」

そんなセールを不思議に思ったアズールが問いかけると、笑って誤魔化したセールが視線を泳がせてからボソッとつぶやいた

「ただ・・・ちょっと、嬉しかっただけです」

呟いたセールに一瞬驚いた顔をしたアズールがにやりと笑った

「に、兄さん!?」

アズールの顔を見て後ずさりしたセールの頭をがしっと掴んだアズールがぐしゃぐしゃとセールの頭を撫でまわした

「もっ、もう、子供じゃないんですから・・・」

セールの慌てた声に小さく吹き出したアズールが、セールの頭をぽんぽんと軽く叩いてから手を離した

ぶつぶつ文句を言いながら顔を上げたセールの赤くなった耳と緩んだ口元を見たアズールが堪え切れずに笑い声を上げた

「兄さん!!」

「す、すまない、セール」

笑いながら謝ったアズールをジトッと見たセールがシンザに呼ばれて歩き出した


色とりどりの花が咲き乱れている庭でイオとロドの結婚式が始まった

日差しは強めだが、そよ風が気持ちのいい晴れの日、イオと寄り添う様に立っているロドが皆を見渡して挨拶を始めた

「今日は私たちのためにお忙しい中、式に参加して下さってありがとうございます」

ロドとイオが揃って頭を下げた

ロドとイオが顔を上げると、2人の隣で椅子から立ち上がった男の人が話し始めた

「ロドの父です、息子の結婚はすでに諦めていたのですが、幸運なことにこんなに若くて綺麗な娘さんが嫁に来てくれることになりました」

ロドの父親が嬉しそうにイオに笑いかけると、イオが微笑んだ

「イオさんには、本当に(うち)の息子でいいのかと心配で何度も聞いてしまいましたが、今日でやっと安心出来そうです」

皆から笑い声が上がって庭が一気に、にぎやかになった

「イオさんの気遣いで2人の結婚式に妻と一緒に出席出来ました、小さい家で十分なもてなしも出来ませんが、ここにいる間は自分の家のようにくつろいで過ごしていただきたいと思っています」

ちらりと庭の石碑に目をやったロドの父親が幸せそうに微笑んだ

「また、しばらくそちらに新居を借りて過ごすことになるので至らない点も多いと思いますが、何かあったその時は是非遠慮なく叱ってやって下さい、よろしくお願いします」

顔を引き締めて話し始めたロドの父親が皆に向って深く頭を下げた

「任せて下さい!」

流石に声をひそめてささやいたアズールを隣にいるランが小突いた

ランはジヴィとニヴィをセールたちに預けておいて良かったと軽くため息をついた

ランとアズールから少し離れた植物の蔦で出来ているアーチの下で日差しを避けているニヴィとジヴィとシンザに、少し疲れた顔をしたセールがそっと近づいた

ニヴィはシンザの隣に立ち、2人とも式に夢中になっていてセールに気付かない、ひとりだけセールに気付いたジヴィが隣に来たセールにささやいた

「セールさん、お疲れ様です」

「ああ」

穏やかに微笑んだセールを見たジヴィが、日差しの中で幸せそうな2人を見て呟いた

「綺麗ですね」

「ああ、あいつには世話になりっぱなしだったから役に立ててよかったよ」

イオを見つめながらセールが苦笑を浮かべると、隣にいるジヴィが俯いた

しばらく俯いていたジヴィが顔を上げてセールを見た

「セールさんは、例えばシンザさんが自分以外の人と楽しそうにしているのを見ても、もやもやしませんか?」

「何で例えがシンザなのかが気になるが、しないな」

「そうですか」

セールの言葉にジヴィの顔が曇った

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