第四十八話 イオとロド(ランの先輩)とアズールとランとニヴィとセールと少々シンザ
「イオさん綺麗!」
「ありがとう、ニヴィも綺麗ね」
沢山の花が咲き誇る庭で白いレースのドレスを着て幸せそうに微笑んでいるイオに気付いたニヴィがイオに駆け寄った
「ニヴィ!まだお家の方にちゃんと挨拶も済んでいないのに・・・」
ニヴィに追いついたランが呆れたような顔をしてニヴィをたしなめた
「ごめんなさい」
叱られてしゅんとしたニヴィに庭に出てきたロドが声をかけた
「いらっしゃい、ニヴィちゃん」
「ロドさん、かっこいい!」
「ニヴィ!!」
髪をセットして白いタキシードを着たロドを見たニヴィが叫ぶと、ランが鋭い声で名前を呼んでたしなめた
「お母さん、ごめんなさい」
ハッとしたニヴィが呟いて俯くと、ロドがニヴィの前にしゃがみ込んで頭を撫でた
「ありがとう、ニヴィちゃん」
ニヴィが顔を上げて嬉しそうに笑った
「姉さん、今着いたの?」
「あら、セールいたの」
箱を持って庭に出てきたセールがロドに箱を渡しながらランに問いかけると、ランがちらっとセールを見た
「ああ、昨日からここでお世話になっていたんだ、最終的な微調整があったから」
「私は今着いたんだけど、ニヴィが・・・」
ランがセールに話しかけると、小さ目の箱を持ったシンザが庭に出て来た
「ランさん、お久しぶりです」
「あら、シンザちゃん綺麗になったわね!」
「いえ、そんな・・・」
ランが目をきらきらさせてシンザに歩み寄ると、照れたシンザがほほを染めた
「昔みたいにお姉ちゃんって呼んでいいのよ?」
ランが微笑みながらシンザに声をかける
「えっと、ランお姉ちゃんも、わっ!?」
シンザがはにかみながらランを呼ぶと、顔を輝かせたランがシンザに抱き付いた
「キャー、シンザちゃん、可愛いわ!」
ロドの両親とイオの両親に挨拶を済ませて庭に出て来たアズールが、目の前の光景を見て呟いた
「ラン、俺にはあんまり抱き付いてくれないのに・・・」
突然振り返ったランが辺りを見回した
若干落ち込んでいるアズールがランに近づこうとしたが、ランの苛立った顔を見て足を止めた
「セール!」
「何、姉さん?」
ランがロドと話しているセールの腕を掴んで皆から少し距離を取った
「私、早くかわいいシンザちゃんを妹にしたいんだけど?」
ランがキッとセールを睨みながら言い放った
「・・・簡単に言うなよな」
セールがため息をついてから呟くと、ランがセールを叱りつけた
「全く、人の世話を焼いてる暇があるなら自分のことをちゃんとしなさい!!」
「うっ・・・」
ランの言葉にセールが低くうめき声を上げた
「まあ、今回はイオちゃんの幸せに免じて見逃してあげるけど、次は無いわよ?」
ランがじっとセールを見つめて言い切ると、セールが目を伏せて呟いた
「俺だって早くシンザは俺のだって皆に言いたいさ・・・」
「私に言っても仕方ないでしょ!本当に不甲斐ないんだから・・・」
煮え切らない態度のセールにランがいらいらしていると、いつの間にか近くにいたアズールがそっとランをたしなめた
「ラン、それはセール自身が一番分かっている」
アズールの視線を辿って、セールのきつく握りしめられた両手に気付いたランが慌ててセールに謝った
「っ、セール、ごめんなさい、流石に言い過ぎたわ・・・」
「大丈夫、兄さんありがとう」
セールは顔を上げてランに微笑むと、アズールに軽く頭を下げた
「ああ」
アズールはセールにうなずき返すと、セールを見て申し訳なさそうな顔をしているランに話しかけた
「ラン、イオのお母さんが君を探していたよ?」
「分かったわ、ありがとう、アズール」
「どういたしまして」
ランはアズールに微笑みかけると家の中に入って行った
セールがイオと嬉しそうに話しているニヴィを見て首を傾けた
「あれ、ジヴィは?」
「あそこにいる」
アズールが庭の噴水を指差した




