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大切な人たちとの日々  作者: MIK
世話を焼く
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第四話 ベルデとリュイ(&男の人)

間近で聞こえた声に、どうやら自分を抱き締めているのはリュイで間違いないと気付いたベルデが微笑みを浮かべた

ベルデは目の前にあるリュイの胸元にすり寄った

「えっ!?」

耳から直接聞こえるリュイの鼓動が早くなった

その音を聞いて嬉しくなったベルデは微笑みながら自分を抱き締めているリュイの背中に手を回してぎゅっと力を込めた

「ちょ!?」

「リュイ、いい匂いがする」

「いや、ちょ、待って・・・」

自分にしっかり抱き付いて微笑みながらくんくんと自分の匂いをかいでいるベルデを見下ろしたリュイが真っ赤になって情けない声を上げた

「ベ、ベルデ?」

リュイが呼びかけると身体を少し離したベルデが満面の笑みを浮かべて顔を上げた

「リュイ、大好き!!」

「っ!」

リュイが背後のソファーに崩れ落ちた

「きゃっ!」

バランスを崩したベルデをリュイが受け止める

ベルデに見えないところでにやりと笑ったリュイが、受け止めていた手をそのままベルデの腰に回して抱き締めた

「えっ、リュイ?」

「ベルデ、いい匂いだね」

自分の腰にしっかり腕を巻き付けて固定したあと、お腹に顔を埋めてくんくんと匂いをかいだリュイにベルデが真っ赤になる

くすくす笑いながら顔を離したリュイが満面の笑みを浮かべてベルデを見上げた

「ベルデ、大好きだよ」

「リュイ///」

2人が見つめ合っていると咳払いが聞こえた

我に返ってリュイの腕の中で暴れ出したベルデに、リュイが不機嫌になる

リュイはため息をつくと、傍に控えている男の人に返事をした

「なんだ?」

「お茶をお持ちしました」

「そうか、置いたら出で行け」

リュイがベルデの腰に回した腕をとかずに言い切った

「ベルデ様から見舞いの品を頂きました」

「おい」

「アズール様は先にお帰りになりました」

「・・・」

リュイの言葉を華麗に受け流した男の人が、リュイに無言で睨み付けられながらベルデに微笑んだ

「ベルデ様、お茶はいかがですか?」

「い、頂くわ」

「かしこまりました」

リュイがベルデにべしべし腕を叩かれて仕方なく()()腕を離した

少し離れてソファーに座ろうとしたベルデの腕を引いて近くに座らせる

「リュイ様、ベルデ様からの品をご覧にならないのですか?」

「見る」

「リュイ様のお好きなものばかりですよ」

「そうか」

「リュイ様、お茶はお召し上がりになりますか?」

「・・・ああ」

「かしこまりました」

テキパキと準備をする男の人をジトッとした目で見ながらリュイが答えた

男の人がベルデが持って来たものを机の上に並べていくと、リュイの機嫌が直っていった

「ベルデ・・・」

「何よ?」

「これ全部ベルデが選んだの?」

「ええ、アズールは隣で笑っていただけよ!」

その時のことを思い出したベルデが眉間に皺を寄せていると、突然リュイに抱き締められた

「リュイ!?」

「そっか、全部ベルデが選んだのか・・・」

リュイがベルデを抱き締めたまま嬉しそうに呟いた

リュイが横目で机の上を見ると昔から好きなものと最近好きなものがさり気なく分けて置いてあった

リュイが男の人を見ると、静かに一礼して部屋を出て行った

そっと背中に回されたベルデの手に気付いたリュイがにやりと笑った

「ベルデはちゃんと俺のこと見ててくれたんだね」

「あ、当たり前よ!」

「どうしよう、嬉しくてどうにかなりそうだ」

幸せそうにリュイが呟くと、ベルデがリュイの背中に回した手にぎゅっと力を込めた


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