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大切な人たちとの日々  作者: MIK
それぞれの道
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第三十五話 イオとシンザ(元ノラ)と兄弟子とセール

椅子から立ち上がってふらついたシンザにイオが駆け寄った

「シンザ、大丈夫、少し顔色が悪いわよ?」

「今日からは少しゆとりができるから大丈夫よ」

「無理しちゃ駄目よ?」

眉間に皺を寄せたイオにシンザが笑いかけた

「分かっているわ、でも成人の式までに少し痩せられたのはラッキーだわ」

「そうね、ぐっと大人っぽくなったわ」

「でしょう!!」

イオの言葉にはしゃいだシンザをイオがたしなめた

「でも!」

「分かってるわ、今日はもう寝ます」

「それなら、よし!」

顔を見合わせたイオとシンザが声を上げて笑い合った

シンザの成人の式は本人の希望によって親しい人のみで行われた

会場でランの先輩を見たアズールが顔をしかめたが、イオが何とかとりなして事なきを得た

必死にとりなそうとしているイオを見ながらシンザがにやりと笑った

「シンザ!」

それに気付いたイオが声を荒げると、周りで見ていた人たちが笑い声を上げた



最低限の休憩しかとらずに自分が部屋のドアを開けたことにも気づかず、黙々と何かを作り続けているセールを兄弟子が心配そうに見ていた

「そろそろ休憩したらどうだ?」

「すでに大分遅れているので、休んでいる暇なんてありません」

「セール!!」

兄弟子の鋭い声にセールがやっと手を止めて振り向いた

セールの真っ赤に充血した目を見た兄弟子が眉間に皺を寄せた

「お前の気持ちは分からなくもない」

「だったら!」

「俺たちは金をもらって商品を作っているんだ、今はまだお前の作業に遅れは出ていない」

「だが、このままいけば確実に仕事に支障を来すとこは分かっているよな」

「・・・はぃ」

「なら、手紙を書いて謝っておけ、分かってくれるさ」

膝の上で握りしめたセールの手を見た兄弟子が、セールの頭をぽんぽんと優しく叩いた

「お前の幼馴染は記念日にこだわるのか?」

「いえ、手紙からとても頑張っているのが伝わって来たので、俺がシンザの成人の式までに間に合わせたかっただけです」

「そうか、ここまで仕事が立て込まなければ俺も何も言わないんだが・・・」

「いえ、ありがとうございます」

「今の仕事にめどがついたら、思いっ切り手をかけて仕上げるんだな」

「はい!」

やっと、微笑んだセールに兄弟子がホッとしたような顔をした

「取りあえず、寝ろ!!」

セールの頭をぐしゃぐしゃと撫でまわしてから軽く叩いた兄弟子を見上げてセールが笑った

セールの部屋から出てドアをしめた兄弟子が呟いた

「ほう、幼馴染の名前はシンザと言うのか、しかし、成人の式ということは5歳差か・・・へぇ」


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