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大切な人たちとの日々  作者: MIK
蕾がほころびると
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第二十八話 シンザ(元ノラ)と医務室の先生と女の人と少々イオ

話がまとまったところでイオが心配そうにシンザを見た

「それじゃあ私は一旦帰って必要そうなものを持ってくるわね」

「ありがとう、お姉ちゃん」

検査が終わって結果を待っているとバッグを抱えたイオが戻って来た

丁度名前を呼ばれてイオとシンザが揃って結果を聞いた

「異常無しでよかった」

「うん」

会計を済ませて、イオがシンザをそっと抱き締めた

「先生、シンザをよろしくお願いします」

「はい」

「お姉ちゃんも気を付けて仕事に戻ってね、ありがとうね」

「ありがとう、学校に会いに行くから無理しちゃ駄目よ?」

「うん、わかった」

イオと別れて、先生と学校に戻ると先生がそのまま寮の前に自動車を横付けした

先生はシンザのバックを持つと寮の事務所に声をかけた

中から優しそうな女の人が出てくると先生に鍵を渡して、先生の後ろに立っているシンザを見て心配そうな顔をした

「何かあったらいつでも内線をかけてくれていいのよ?」

「はい、ありがとうございます」

先生が女の人にバックを渡した

「結構腫れてきているので痛み止めを飲んでもしばらくは痛いままと思うのでまめに様子を見てやって下さい、私も時間があったら顔を出しますので」

「分かったわ」

先生が鍵をシンザに渡す

「今夜はきっと痛みと熱でつらくなるだろうから無理はしちゃだめだよ?」

「はい」

「それじゃああとは、彼女に案内してもらって」

「はい、ありがとうございました」

女の人について行くと、大きなドアの前で止まってシンザを振り返った

女の人に促されてドアの鍵穴に鍵を差し込むとすんなり鍵が開いた

先にドアの中に入ると中は応接室のようなしつらえになっていた、部屋の中を見渡していると背後で鍵の閉まる音がして振り向いた

「さあ、そこのドアを開けてくれる?」

部屋の隅にもう一つドアがあった

同じ鍵であけたドアをくぐるとそこにはミニキッチンを備えた広々とした部屋が広がっていた

いくつかドアがあるので、もしかしたらトイレやお風呂もついているのかもしれないと驚いていると女の人がテーブルの上に荷物を下ろした

「ここは校長が仕事で遅くなったときに泊まるところなのよ」

「え?」

「今から言うことは内緒にしてね?」

「は、はい」

緊張した顔でうなずいたシンザを見た女の人がくすくす笑った

「ごめんなさいね、あの子があなたを気にかける理由が少しわかったような気がするわ」

話が分からなくて首を傾けたシンザを見た女の人が話始めた

「あなたをここに連れて来た先生は私の息子なのよ」

「それで、私は校長の妻なの」

「え!?す、すみません」

「落ち着いて、大丈夫よ、知っている人の方が少ないのだから普通にしていていいのよ」

「は、はい」

「主人がここを滅多に使わないものだから管理をするために息子がしばらく使っていたのだけれど、あの子が結婚してからは誰も使っていないのよ」

「だから、遠慮なく使ってくれていいのよ?」

「分かりました、ありがとうございます」

シンザが頭を下げた

「さあ、立ち話も何だからそこのソファーにでも座って?傷も痛むでしょう?」

シンザがソファーに座るのを見てホッとしたような顔をした女の人が机の上に薬を広げた

「これが病院で出たお薬よ、それぞれ組んで並べておくから忘れずに飲むのよ?」

「はい」

「それから、これが痛み止めと塗り薬と湿布、これで全部」

「痛み止めは服用に制限があるから説明書を読んで、塗り薬や湿布は私が変えに来るから」

「そ、そんな自分で・・・」

女の人の背後に黒いものが見えたような気がして、シンザが口ごもった

「女の子なんだから、傷痕が残ったりしたら大変よ!しっかり治さなくちゃいけないんだから遠慮しない!」

「はい、お願いします」

「後は、そこのドアが寝室で、その隣が洗面所とお風呂、その隣がトイレになっているわ」

「わかっていると思うけど、今日はお風呂に入っちゃ駄目よ?腫れと痛みがひどくなってしまうから」

「はい」

「それと、応接室のドアは部屋にいても鍵は必ずかけておくこと、私が来るときはベルを鳴らすから鍵を開けてね」

「はい」

「しばらく待ってノックをしても返事がなかったら、私の持っている鍵で入らせてもらうわ」

「はい」

「少し横になる?私はしばらくここにいるわ」

「はい」

女の人は寝室のドアを開けるとシンザがベッドに横になるのを手助けしてからドアをそっとしめて部屋から出て行った


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