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大切な人たちとの日々  作者: MIK
すれ違いと真っ向勝負
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第二十一話 アズールとシンザ(元ノラ)とセール

アズールがランの家の門の前を行ったり来たりしていると、ふらりとシンザが家から出て来てアズールに気付いて駆け寄って来た

「お兄ちゃん、どうしたの?珍しいね?」

目をきらきらさせて自分を見上げるシンザにアズールが口ごもった

「近くまで来たから寄って見たんだ、ランさんはいる?」

アズールが早口で答えてシンザを見ると、何かを探すように周りを見渡していた

「シンザ、どうしたの?」

シンザが首を傾けながらアズールを見上げた

「さっきね、猫ちゃんが目の前を走っていったの、ちゃんと追いかけて来たのにいなくなっちゃった」

悲しそうな顔をしたシンザがアズールに抱き付いた

「大丈夫、また会えるよ」

「本当?」

「ああ」

アズールがそのままシンザを抱き上げて頭を撫でるとシンザが笑った

「あ、ランお姉ちゃんいるよ!!」

「そうか」

「仲直り?」

「喧嘩はしていないから違うかな」

「ふーん」

シンザがアズールに不思議そうに聞いてきたのは誰の影響か、一瞬考えたアズールが、セールだろうなと見当を付けた

アズールが答えると興味をなくしたようにそわそわと辺りを見渡した

抱きかかえられているのでいつもと見え方が違うのが楽しいようだ

「兄ちゃん!?」

驚いたような声に振り返ると階段の上にセールが突っ立っていた

「セール!」

セールを見た途端、シンザが腕から飛び降りてセールに駆け寄った

「兄ちゃん、何で俺のこと睨んでるの?」

セールがびくびくしながらアズールに尋ねた

「仲直り!!」

セールとアズールを交互に見たシンザが大きな声で叫ぶと、セールが慌ててシンザの口を押えた

シンザは楽しそうにきゃっきゃと笑い声を上げた

「やっぱり、セールか・・・」

「いや、何のことかさっぱり!」

白を切ろうとしているセールの前にアズールが握りこぶしを出し、さっと開いた

手の中のものを見たセールが咄嗟に手に取ろうとすると、アズールが手を引っ込めた

「セール、()()()()()()は?」

「・・・すみませんでした」

素直に謝ったセールの頭をアズールがぐしゃぐしゃと撫でまわしてから、先ほどのものをセールに手渡した

「頑張れよ」

「はい!ありがとうございます」

セールが嬉しそうに手に持ったものを見ていると、小さな手が伸びて来てそれを掴んだ

「シンザ!?」

むうと頬を膨らましたシンザがセールを見上げていた

「シンザ、返してくれないかな?」

セールがしゃがみ込んでシンザの目を見て頼むと、シンザがおずおずとセールの差し出した手に自分が掴んでいたものを返した

むうと頬を膨らましたシンザがセールを見上げていた

「シンザ、返してくれないかな?」

セールがしゃがみ込んでシンザの目を見て頼むと、シンザがおずおずとセールの差し出した手に自分が掴んでいたものを返した

「ありがとう」

セールがシンザの頭を優しく撫でた

横で見ていたアズールが泣きそうな顔をしたシンザを低い声で呼んだ

「シンザ?」

「うっ」

薄っすら目に涙を浮かべたシンザがセールを見つめた

「大事な、もの、取って、ごめんなさい」

言い終わると、シンザがセールに抱き付いた

そのまま尻餅をついたセールを見たアズールがにやりと笑うと、セールが悔しそうな顔をした

「シンザ、良く出来たね」

アズールがシンザの頭を撫でると、シンザが顔を上げて嬉しそうに笑った

少し不貞腐れたセールがシンザに抱き付かれたままアズールを見上げた

「兄ちゃん、姉ちゃんは部屋にいるよ」

「ああ、ありがとう」

アズールが2人に背を向けると、背後でシンザが声を上げた

「仲直り!」

「シンザ・・・」

元気のいいシンザの声と慌てたようなセールの声を聞きながらアズールが口元を緩めた


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