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大切な人たちとの日々  作者: MIK
すれ違いと真っ向勝負
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第十六話 アズールとシンザ(元ノラ)とセールとイオと少々リュイとラン

最近の学校はランを含む成績優秀で卒業した生徒たちの話で持ちきりだ

研修先で見かけては話題に上がっていた

目の前にはベルデと喧嘩している時以外は幸せオーラ全開のリュイがにこにこ微笑んでいた

「リュイ、何かいいことでもあったのか?」

アズールが声をかけると、リュイが嬉しそうに言った

「ベルデが俺の送った髪飾りを学校に付けてきてくれたんだ」

「すまん、お前に聞いた俺が馬鹿だったよ」

相変わらずベルデを中心に世界が回っているようなリュイの返答にアズールが項垂れた

不意にクラスメイトの声が耳に入って来た

「この前ランさんを見かけたんだけどかっこいい人と一緒で話しかけたら、研修先の先輩だって言ってたけどお似合いだったなあ」

机に突っ伏したアズールを首を傾けたリュイが不思議そうな顔をして見ていた

アズールもランとその先輩が一緒にいるところを何度も見ている

始めて見たときにアズールに気付いたランが先輩に何か言ってからこちらに駆けて来て、イオに妹が産まれたことを知らせてくれた

言葉を交わした後先輩が歩いて行った方へ戻っていくランを見送りながらアズールは何とも言えない複雑な思いを抱えていた

その後、2人を見かけると避ける様になった

アズールの目から見ても2人はお似合いで、並んで歩いている様子は自然だった

そんなことを繰り返している内にアズールは自分がランのことを好きだということを自覚した

自覚してからは、さらに顔をあわせづらくなり、ノラに会いに行くのもランに会わないように気を付け、ランを見かけると見つからないように避け続けた

その状態のまま3年が経ち成績優秀者としてリュイとベルデとともに注目されながら学校を卒業して研修先にも随分慣れたアズールがランの家を訪ねるとシンザが飛びついて来た

「お兄ちゃん!」

「久し振りだな、いい子にしてたか?」

「うん!」

飛びついて来たシンザをしっかり抱きとめながらアズールが頭を撫でるとシンザが嬉しそうに笑った

イオとセールも玄関まで出迎えてくれた

シンザがアズールの手を引いてノラのいる庭に向って歩き出した

その後ろに緊張した顔をしているイオとセールが続いた

アズールを引っ張っていたシンザが立ち止ってアズールを見上げた

困ったような顔をしたシンザにアズールが吹き出した

アズールの笑い声を聞いたシンザがむぅっと頬を膨らませた

シンザの頬を指でつつきながら、アズールがシンザに話しかけた

「もう、疲れたのか?」

わざと素っ気なく言うとシンザがさらに頬を膨らませた

アズールがくすくす笑いながら、シンザを抱き上げると高くなった視界にシンザが笑い声を上げた

そのままノラに挨拶を済ませたアズールが時間を確認してからイオとセールに声をかけた

「今日はもうしばらく時間があるんだが何をする?」

「えっと・・・」

イオが口ごもり、セールの視線がわかりやすく泳いだ

「2人ともどうしたんだ?何か用事があるのなら遠慮せずに言ってくれ」

アズールが2人を見下ろして返事を待っていると、背後で僅かに音がした

アズールが後ろを振り返るとランが立っていた

「え?」

慌てて時計を確認したアズールを見たランが悲しそうな顔をした

時計を確認してそのままイオとセールに向き直ったアズールが2人に言った

「ランさんが具合が悪くて休んでいるんだったら、煩くしたら悪いから今日は帰るよ」

シンザをおろしながら自分を見ることもなく早口で言い切ったアズールにランが青褪めた


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