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ジャイアント飯塚

作者: ふところ

ジャイアント飯塚の謎

僕が小学校四年生の頃、ジャイアント飯塚と呼ばれるクラスメイトがいた。

同じクラスになった当初は、背も特別高くない飯塚君がなぜジャイアント飯塚と呼ばれているのかわからなかったが、ジャイアント飯塚はとても良いやつで、友好を深めていくうちにそんなことは気にならなくなっていた。


四年生も終わりに近づいてきたその年の冬、ジャイアント飯塚の家族とスキーに行くことになった。

僕の家族は仕事が立て込んでいたらしく、結局行くことになったのは僕とジャイアント飯塚とその父というメンバーだった。


ジャイアント飯塚はスポーツ万能でスキーもとても上手かった。

さらに驚いたことにジャイアント飯塚のお父さんもスキーが上手かった。

きっとこの家系はスポーツが得意な家系なのだなあ、と子供ながらに感心したのを今でも覚えている。


スキーを楽しんだあと、僕たち三人は銭湯に行くことになった。

あまり銭湯は好きではなかったが、親友の誘いなので断ることはしなかった。


銭湯はあまり混んでいなかった。人ごみが嫌いだった僕は内心喜んだ。

服を脱ぎタオルもつけずに浴場へと走ろうとしたとき、僕はとんでもないものを目にしてしまった。

そのとき視覚から得た情報は脳へと伝わり、封印されていたジャイアント飯塚の謎をあっさりと解いた。


ああ、ジャイアント飯塚のジャアントって……そういうことだったんだ……。


ジャイアント飯塚は「早く入ろうよ」と言わんばかりに腰を右、左と高速に揺らしている。

ジャイアント飯塚のジャイアントがバチン、バチンと悲鳴をあげる。

彼は自分が凶器を持っていることに気づいていなかった。

僕が、ジャイアントを振るなと注意しようとしたとき、またも衝撃的なものが視界に映った。


なんとジャイアント飯塚の父も、ジャイアントだったのである。


ジャイアント飯塚の謎が解けたことよりも、ジャイアントのジャイアントもジャイアントだったことのほうが衝撃的だったのを大人になったいまでも覚えている。遺伝とは恐ろしいものだ。


中学校まで一緒だったが高校で離れ離れになって以来、ジャイアント飯塚とは一度も会っていない。

今度同窓会の連絡が来たら出てみよう。そして聞いてみよう。


「ジャイアント、元気か?」と。


一応謝ります。すみません。

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