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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

食人鬼から吸血鬼、その推移と考察。

作者: 龍守炎魔

 食人鬼、字のまま人を食らう鬼という意味である。

 鬼というのは古来より存在する人外だが、その意味には色々とあるがここで大事となるのは人外という点である。


 食人という行為、人を食らうということだがこれは別段鬼でなくても同じ人が人を食べるということもある。

 それは飢餓により切羽詰って、もしくはそういう趣向があってなどだろう。実際現代でも人の肉を食べたなどという事件はある、所謂カニバリズムだ。

 だが、人が人を食らってもそれはただの食事。第三者から見ればその倫理感より外道などと呼ばれるだろうが人であることに変わりはない。鬼と言われるかもしれないが、本当の人外になるわけでもない。


 なろうと思えばなれるが。


 さて、話を戻すが鬼と言う人外。それは人ではないという証左の言葉である。食人鬼は人ではない。

まず、何故食人鬼が人を食らうか。別に人でなくても他に動物は沢山いるだろう。実際人が食べるために育てている動物がいるのにだ。

 それは強くなるため、力をつけるため、階位を上げるため。

 人という生物は魂があり、業がある。それを食らうことによって自身の存在の力を強めるのだ。

魂や業と言われても分からないと感じる者が大半だろう、また違う言葉で説明するとそれは霊力・魔力・気力そういうスピリチュアル的な科学的根拠のないものになる。

 納得しづらい、そうだろう。ではまた、継ぎ足させてもらう。人間には意志がある。その意志はどこから来るか、心だ。そしてまた心はどこから来るか、魂だ。我々人類以外にそれがないとは言わないが、これらを持つ生き物が多いのはまた我々人類だ。だから食人鬼は人を食らう。


 食人鬼は別段人だけを食べるわけじゃない、ここでは霊的と言うが、霊的階位がある程度あり沢山いる生物である我々人類を食らうことで力をつけようとしているんだ。何故力をつけようとしているか?それは分からない。

 強くなりたいというのもまた根源的欲求だと自分は思う。勿論、個体ごとに理由はあるだろうが食人鬼全体での理由であるなら強くなりたい、またはそうするように本能で縛られているのかもしれない。


 さて、序説が長くなったが本題だ。

 吸血鬼という人外がいる。これもまた鬼。人外だ。

 吸血鬼は食人鬼とは違い、人を食らうのではなく人の血を吸う。しかし結局は変わらないんだ。吸血鬼は血を吸って食事していることに違いはない。何故なら、吸血鬼の餌食になった人間は致死量に達するまで血を吸われる。いや、全ての血を吸われるのがほとんどだ。


 先に食人鬼の説明をしたね。何故人を食らうのか、人を食らうことによって力をつける、霊的階位を上げる。そして何故人なのか、それは霊的存在として人類が多いから。だが、非効率だと思わないか?

 人は牛に比べれば小さいだろう。だが、それは食べやすいということはないだろう。食人鬼と言われるぐらいだから、人を食らいやすいような形態だろうしまたそれだけの力もあるだろう。だけど、人一人を食べるというのは非効率だ。

 食人鬼は考えた、もっと手軽に出来ないか。


 人を食べるのは霊的存在だからだ。意志、心、魂。そういうまだ我々人類がしっかりと確認出来ていないスピリチュアルなもの。そして古来よりそれはどこに宿るのかと考えられていたのは心臓だった。心臓の役割は体全体に血液を循環させるポンプ。血液は生物の大半が肉体をくまなく循環させている。それは正しく生命の水。勿論その血液だけで生きられるわけじゃない、他の臓器も必要なものだ。だが、霊的見地から見て血というのは重要な位置を占める。

 そして食人鬼は吸血鬼となった。がつがつと人肉を食べるよりもちゅうちゅうと血液を吸い取るほうが楽で手軽で効率的だからだ。


 食人鬼は霊的存在として強者になろうとしている人外。吸血鬼は食人鬼が楽しようと変化した人外。

 どちらにしても我々人類としては恐るべき敵対者。自分のこの考察は彼奴らに対して何らかの対処法を生み出すものにはなりがたいでしょうが参考となれば幸いです。それでは。

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― 新着の感想 ―
[一言] 興味深い考察ですね。腑に落ちる部分が多々あります。 屍食鬼が洗練・進化したのが吸血鬼としても話が広がりそうですね。
[一言] 興味深かったです。 食人鬼(グール)より、吸血鬼(ヴァンパイア)の方が、知性も魔力も高いイメージがありますが、今回の説明が一番しっくりくるような気がします。 この設定を生かした作品を書かれる…
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