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終わっている

　彼はいつだって返信が遅い。

「それってさ、どうでもいいって思われてるんじゃないの？」

　彼氏とラブラブな友達にはそう言われたし、私も「そうなのかもしれない」と思ってはいるのだが、私の方が彼を好きなのだから仕方がない。

　扱いが雑なのは、彼が言うには「安心して甘えている証拠」だし、返信が遅いのは「仕事中は返事が出来ない」から。

　ちゃんと「好き」だし、そういうことは口にしない主義だから、めったに言われないだけで、彼もきっと私を想ってくれているのだと、自分に言い聞かせている。

「別れないのが好きの証拠だろ？」

　彼がよく言う言葉だ。

　何度となく不安になり、時にはぶつかってみたけど、それでも「別れる気はない」と口にし続ける彼。

「それが答えだから」

　その言葉を全て鵜呑みに出来れば幸せなのだろうが、私はそこまでご都合主義には出来ていない。

「惚れた方が負けなのよね……」

　大きなため息が出る。

　どっちつかずで煮えきらず、曖昧で都合のいいことばかり言う彼を、それでも好きなんて、私も大概終わっている。