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死獣神~生の書~  作者: 天馬光
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天使は人間の味方じゃない

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われていた1人の元殺し屋と仲間達の新天地での物語。

 それを音で確認したペガサスは、真の方に視線を戻す。その目には静かな怒りが宿っていた。


「……天使や悪魔、それに神様の存在は信じない、と?」


「あぁ……いるんならもうちょっと楽に生きれるだろ。なのに、何の恩恵もない。それでどう信じろってんだ……?」


「………………」


「へっ、図星か。前々から胡散臭ぇとは思ってたんだよなぁ……人間様に恵みを与えるはずの天使が人殺しなんて、やることが矛盾してんだろ……あーぁ。この調子だと天国と地獄もやっぱり無――――」

 そこまで言ったところで、堪忍袋の緒が切れたようだ。ペガサスは剣を取り出すと、真の心臓を一突きし、彼の減らず口を永遠に止めた。


「1つ、誤解してるよ。神様や天使(ぼくら)は、人間を含め、特定の種族の味方をしてるわけじゃない。世界全体のために動いてるんだ。神様が苦境に立たされた人間を救わないのは、それを乗り越える強さを求めているからであって、見捨ててるわけじゃない。それを恩恵を得られないからって、神様やあの世の存在自体を否定し、傍若無人に振る舞うのは人間の僻みであり驕りだ」

 冷徹にそう述べたペガサスは、剣を引き抜くと、


「そんなに知りたいなら、自分の目で確かめて来るといいよ。地獄をね。って、もう聞こえちゃいないか」

 と、言いながら剣をしまい、天井の向こうにある天を見つめた。


(……神様。このままでは、人間によって世界と生命が食い潰されてしまいます。それでもまだ、静観を続けるというのですか?)

 神様のことだ。きっと人が考えを改め、より良い存在となることを願っているに違いない。そこはペガサスも理解できる。人が過ちを正してくれるなら、それに越したことはない。

 けれど、真ほど極端ではないが、彼のような人間至上主義の無神論者が人類の大半を占めており、彼らによって世界と生命が傷付き、犠牲になっているのもまた事実。エコや後の世でいうSDGsごときでは焼け石に水なところまできているのだ。

 最早、世界を救うためには劇薬を用いなければならない。その薬こそが自分だと、ペガサスはとうに自覚している――――

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