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死獣神~生の書~  作者: 天馬光
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音よりも光よりも速く

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われていた1人の元殺し屋と仲間達の新天地での物語。

 しかし、レーザーもマシンガンも発射されることはなかった。すんでのところで、青龍が指とマシンガンごと真を斬り、致命傷を与えたからである。


「残念ですが、死ぬのはあなたの方です。真さん」


「ごふっ! マ、マジかよ? おめぇの攻撃は……レーザーよりも、光よりも速ぇってのかよ!」


「まさか。僕だってそこまで超人じゃありませんよ。ただ、レーザーがいくら光速でも、引き金を引く指まではそうとは限らない。そこを狙って斬ったに過ぎません」


「な、なるほど、ね~……」

 合点がいった真は、バラバラになったマシンガンを手放し、うつ伏せで倒れた。

 もう抵抗する力もない。後は息を引き取るだけである。


「全てはあなたが蒔いた種。因果応報というやつです。さようなら真さん。死んで、地獄に落ちてください」


「死んで、地獄に……ね。くっくっく、それも愉快だな」

 笑みを浮かべる真の口から出た感想に、青龍は首を傾げる。


「俺、こう見えてもリアリストでな。自分が目にした物しか信じねぇタチなんだ……だから、今のはそそられたぜ。あの世が本当に実在すんのか? 死んだらマジで化けて出てくんのか……? くっくっく、今から楽しみだぜ…………」

 負け惜しみで言ってるわけではない。彼の悪食じみた好奇心がその答えに惹かれ、求めているのだ。


 そんな自分の死すらも楽しむ男に対し、青龍は冷めた目を向けた。


(あの世、か。人殺しの行き着く先なんて決まってるから、今更興味はない。だけど、僕はまだ行かないよ。大切な人達が、家族がいるから)

 罪には罰を。それは不変の真理だ。

 亡命したことで、日本の法からは逃れられたかもしれないが、罪を犯した事実は消えない。いつかは天罰等で命を落とし、地獄に落ちることになる。

 そうなるとわかっていても、いや、わかっているからこそ、青龍達は今を懸命に生きているのだ。全てを捨てて罰を受け入れることは、自分を愛してくれている存在を悲しませることになるから。それはどの罪にも勝る大罪だ。


 といったことを、青龍がしみじみと考えていると、部屋の扉が開いた。


「青龍君。こんなところで何やってるの?」

 ペガサスだ。彼は呆れたようにそう言うと、青龍の元に歩み寄り、傷の手当てをした。


「ペガサス君……」


「これはこれは……天使のコスプレをしたイタい野郎のご登場かい?」


「……どういう意味ですか?」


「言葉通りさ……天使っつったって、お前しか見たことがねぇ。それで存在を信じろってか? 無理があんだろ」

 真の言い草から、どんな人物なのかわかったようだ。ペガサスは不愉快そうに顔をしかめる。


「青龍君。ここは僕に任せて、早く行って」


「わかった」

 この後の展開がどうなるか想像がついた青龍は、言われた通りダクトに入り、清志郎がいる部屋へと向かった。

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