命を軽んじる者達
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われていた1人の元殺し屋と仲間達の新天地での物語。
真からの乱れ撃ちを紙一重で躱し続ける青龍だったが、いくら超人的な身体能力を持っていても、レーザーの速度だけはどうすることもできない。何発かくらってしまう。
加えて真は、紗那とは別でコントロールしている防衛システムを駆使して、部屋に仕込まれたレーザーや浮遊機雷まで使ったりとやりたい放題で、距離を詰めることができない。
「オラオラどうしたぁっ! 逃げてばっかじゃ勝てねぇぞぉっ!」
「くっ、好き勝手に暴れて!」
「そりゃあ、俺が所有してる不動産じゃねぇからな。それはそれとして、俺の手はこれだけじゃねぇぜ。来な野郎共!」
真が合図を出すと、悲壮な顔をした10代前半と思しき少年少女がゾロゾロと入室してきた。
その背中には、配線が隙間から見えるリュックサックが1つ。中身は爆弾のようだ。
「こんな室内で特攻させる気ですか!?」
「だーいせーいかーい。そら、清志郎のために命をかけんだろ。とっとと派手に逝ってこい。ボンバー! ってな」
彼に言われて腹をくくったようだ。青年部のメンバー達は大声で叫びながら突っ込んでくる。
「どいつもこいつも、命を軽んじて……!」
自分より年下の少年達の無謀な行動と、それを強要する真に怒りを隠せない青龍は、殺意を放って青年部のメンバーの足を止めると、背負っていた爆弾を全て奪い、真に投げつけた。
青龍を殺れるのならともかく、自分だけ被害を受けては意味がない。真は起爆スイッチを押さずにリュックを躱した。
「あ……」
「こんな人のために無駄死にすることなんてないよ! 本当に紗那さんと清志郎さんのことを想い、悲しませたくないと思ってるんなら、今すぐここから出ていって! グズグズしてたら巻き込まれるよ!」
死に損なって呆気にとられたようだ。青年部のメンバー達は、敵である青龍の言葉に素直に従い、退却していった。
まぁ、この部屋を出たところで、向かった先は黒猫達がいるメインコンピューター室だから逃げ切れないが、死ぬよりはマシであろう。
彼らの安全が確保されたことに青龍はホッとしたが、その体を銃弾とレーザーが貫く。
「つっ!」
「ガキ共を殺さず逃がすたぁ、お優しいねぇ青龍くぅ~ん。それでも伝説の殺し屋か? あぁ?」
「だから言ってるでしょ。『元』だって。あなたみたいな血も涙もない人と一緒にしないでください」
「んなこと言うなよ、いっけず~。そういうこと言う奴にはたーっぷりとお仕置きしねぇとなぁ」
ふざけた口調でそう言うと、真は全てのレーザーとマシンガンの銃口を青龍に向けて、
「一斉射撃で全身蜂の巣の刑に処すってな。へへへ、あばよ青龍! 楽しかったぜ!」
と、別れを告げながら、トリガーを引いた。




