地獄からの助っ人
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われていた1人の元殺し屋と仲間達の新天地での物語。
これで目的は達せられた。後は左右侵入組のように陽動しつつ、システム掌握の手助けをするのみ。
戦闘中に入った愛花からの通信によると、防衛システムの大元は誰かが操作しており、人為的な力でハッキングを躱しているそうだ。
ならば、その人物はメインコンピューター室にいるに違いない。そう考え、急行しようとするペガサス達だったが、その行く手を再び4方向から現れた敵集団が塞いだ。
「また囲まれたわね」
「せやな。しかも例によって例のごとくデミ・ミュータントばっか。キッツいわぁ」
性懲りもなく現れた敵に朱雀はウンザリする。こんな雑魚にかまけている時間など彼女達にはないのだ。
それはペガサスも同感である。故に慎重派である彼は、前もって手を打っておいたのだ。
「だね。だからこそ良かったよ。冥界からの助っ人を呼んでおいて」
不敵な笑みを浮かべたペガサスがそう言った直後、入口の方から何かが敵を蹴散らす音が聞こえてきた。
その正体がわからず、黒猫達が困惑していると、音の主が背後から傭兵を倒し、姿を現した。
「遅くなってすみません。でも、ヒーローというものは遅れて来るもの、ですよね?」
「澪! と、そっちの2人は誰や?」
玄武らの護衛が1人追加されたことで、こっちに合流した鳳凰。その彼女が連れてきたアラサーの男女の顔を見た黒猫は、驚きのあまりデビル化を解いた。
「嘘……パパ、ママ……」
「なんやて!? この2人が柚の!?」
そう。ペガサスが言っていた冥界からの助っ人とは、黒猫の両親である闇と黒揚羽だった。
実に10年振りとなる再会に、黒猫の目から涙が溢れてくる。
「柚、久し振り。幸せそうね」
「パパ、ママ……私……」
「柚、すまない。お前を悲しませるようなことになった上、復讐者にさせてしまって。俺達は親失格だな」
頭を下げる父の『失格』というワードに、黒猫は首を横に振る。
「そんなことない! そんなことないよ。パパ達は私にとって、今でも大切な親だよ。寧ろ、私の方が……」
「柚……」
「それでも、言わせて。パパ、ママ。私やっぱり、パパ達のこと、だーい好きっ!」
嬉し涙を拭った黒猫の満面の笑みと言葉に、闇と黒揚羽は救われた気持ちになる。
「言っておきますけど、そのまま成仏はナシですよ。せっかく助っ人として呼んだんですから」
「わかっている」
「でも、どうしてパパ達がここに?」
「んなんもん決まってるやろ。ペーガーサースゥ?」
またペガサスがリヴァイヴを使ったに違いない。そう勘繰った朱雀は詰め寄るが、今回ばかりは少々違う。




