ジャーナリストの横暴
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われていた1人の元殺し屋と仲間達の新天地での物語。
これ以上、頭が痛くなるようなことはやめてくれ。誰もがそう言いたくなるところだが、残念ながらそうもいかない。
どこから嗅ぎ付けたのか、ジャーナリスト界のハイエナこと文太が、呼んでもないのに現れたからだ。
「相変わらず厳しいねぇ、旦那。昔、取材した時とちっとも変わらねぇ」
「ふっ、お前の方こそ、貪欲さは変わっていないようだな。犯罪者もどきが」
「そう言わんでくださいよ。俺らの仲じゃないですか。それはそうと嬢ちゃん達、そんなもん持ってどうした? これから戦争にでも行くのか?」
言い逃れのできない現場を目撃された黒猫達は、言葉を詰まらせた。
そんな仲間達に代わって、ペガサスが反論する。
「白々しいですよ。文太さん。あなたが近くにいたことも、地獄耳だということも知っています」
「なんだ。バレてやがってたのか。流石は世界一有名な天使様だ。スゲェよ。だったら小細工抜きだ。取材させてくれよ」
「お断りします。あなたは『道に反しています』から。天道はおろか、人道からも」
ペガサスの口から発せられた聞き馴染みのあるセリフ。それを聞いた文太は、ようやく光一郎=ペガサスだと気付いた。
「ほう、こりゃたまげた。お前、あのボウズだったのか。ったく、人が悪ぃや。しゃーねぇ、他の連中はどうだい?」
そう聞かれても、答えなど決まっている。あることないことを平気で書くこの男を信用できる者など、この場にはいない。
「私達一家には関わらないように言いましたよね? なら、答えはわかっているはずです」
「はぁ……オジサンも嫌われたもんだねぇ。しゃーねぇ。あんたらへの取材は断念するよ」
やっと諦めてくれたか。青龍や白虎達はホッと胸を撫で下ろしたが、それは早計だった。
ニヤリと笑うと、黒猫の二の腕を掴んだ。
「ただし、黒木蜜柑への取材だけは認めてもらうぞ。こんな大スクープ、逃す手はねぇからなぁ!」
「ちょっ、オッサン! 未来との約束を破る気!?」
「人聞きが悪ぃな。俺は青山家の女・柚ではなく、人気女優・黒木蜜柑に取材するんだ。それなら文句はねぇだろ?」
どう考えても、乱暴すぎるこじつけ。とても承服できることではないが、文太は散々拒否されて焦らされた分、強引にでも取材するつもりのようだ。
こういう時、警察である2人が真っ先に止めるべきなんだろうが、黒猫が精神的苦痛を受けることを望んでいるようで、動こうとしない。
最低な大人達に怒りが募った青龍は、自分の手で妻を守ろうと、抗議しかけた。




