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死獣神~生の書~  作者: 天馬光
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僕と同じ

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われていた1人の元殺し屋と仲間達の新天地での物語。

 特に、常連と店主以上の関係になるほど彼女と親しかった龍のショックは計り知れない。


「嘘……でしょ?」


「あんなに優しくて、礼儀正しい紗那さんが?」


「信じたくない気持ちはわかりますが、事実ですよ」

 どこまでも冷徹な光一郎の言葉に、龍が何かを呟く。


「ん?」


「――そだ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だっ! そんなの嘘だっ!」


「嘘じゃないよ。言ったはずだよ。『()()()()()()()()』って。忘れたの? 龍君」

 声は光一郎のままだが、他人行儀の敬語ではなく、親しい間柄に話すような口調。そして何より、天道を重んじる独自の価値観。こんな持論を展開する男は、龍達が知る限り1人しかいない。


「ちょお待て。あんた――」


「もしかして……」

 雲雀と柚がそう口にした直後、光一郎は自身の体から発した光に包まれ、姿を変えた。

 やがて、光が収まると、そこにいたのはよく知る人物、いや、かつての仲間だった。


「やぁ、みんな。久し振り」


「ぺ、ペガサス君!」

 そう。光一郎の正体は、ペガサスだったのである。

 朋美とフローラとルドルフは、ここに来るにあたり、事前に本人から口止めされていたため知っていたが、龍や大牙からすれば唐突な再会。驚くのも無理はない。


「あんた、他にもなんか知っとるやろ? せやなかったら、偽名と変装を使ってまで来る理由がないもんな?」


「まぁね。といっても、僕がそれを知ったのは一昨日の夜のことだけどね。それよりも龍君、彼女は利根川清志郎に心酔しきっている。幼い頃に親に捨てられ、拾われた恩義があるからだ」

 紗那の過去を初めて聞いて、龍は合点がいった。

 何故、紗那が家族の温もりを羨み、渇望していたのか。それは、自分と同じように家族に捨てられた経験があったからだ。似た境遇だったことに、龍は心から同情する。

 一方で、柚は彼女の心の状態を危惧していた。1人の人物に心酔し、罪を犯す。それはかつて、黒龍に憧れて復讐鬼と化した自分と同じだ。その危うさを彼女は身を以て知っている。

 いずれにしても、紗那をこのままにしてはおくわけにはいかない。たとえ、彼女が清志郎が作る未来に希望を抱いていたとしても、それを潰して恨まれることになったとしても、ここで止めないと取り返しのつかないことになるからだ。

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