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死獣神~生の書~  作者: 天馬光
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新たな事件

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われていた1人の元殺し屋と仲間達の新天地での物語。

 それでも何も手助けできないことに歯痒く思っていると、見ていたお昼のバラエティ番組が終わり、ニュース番組が始まった。


「こんにちは。お昼のニュースをお伝えします。まずは速報です。日本の政党である社会党と創価党と共産党の各党首が来訪し、間もなく街頭演説を行います」

 女性アナウンサーが報じたトップニュースに、全員が耳を疑う。


「は!? アホちゃう!? こないだ与野党のツートップがエライ目見たっちゅーのに、普通やるか!?」


「確かに理解し難いのぉ」


「それだけ政治家は学習しない愚か者だということですわ」

 外務大臣の娘であるフローラが言うと、妙に説得力がある。彼女の父親もそういう人種なのだろう。


「現地と中継が繋がっています。現場の中川さん」

 女性アナウンサーが呼び掛けると、中継先の映像に画面が切り替わった。


「はい。現場の中川です。こちら、エピウスの北地区では、先程、各政党の党首が到着し、間もなく街頭演説を行うものとみられています」

 恐らく、演説の内容は総理達と同じ。それを予想してるからか、前回の比じゃない数の人が集まり、ブーイングをしたり、火炎瓶や石を投げたりしている。


 これだけ住民から反対意見が出ているのに、何故、エピウス政府は抑止力となっていないのか。それは、エピウス独自の政治体制が大きく関係している。

 エピウスの政治は完全な民主主義であり、総理や大統領といった国のトップはおろか、大臣や内閣、政党すらない。全員が無所属の議員なのだ。

 そのため、議論だけなら多数決で決定するが、総理も大臣もいないから、外交能力が皆無に等しい。百戦錬磨の大国相手では抗議したところで受け流され、まともに聞き入れてもらえないのが現状だ。

 リーダーを作らない完全民主主義が裏目に出たのである。


「――では、もう少し近付いて、お話を伺いたいと思います」

 インタビューをしたところで、返ってくる答えなどわかりきっている。それでも中川と名乗ったリポーターは自らの仕事を果たすために、群衆の元へと向かった。


 次の瞬間、場違いなハウリング音がしたかと思うと、演説をしていたステージが突然爆発。政治家だけでなく、野次馬やテレビクルーも巻き込まれて亡くなった。

 カメラが壊れ、画面が砂嵐になるその瞬間まで、爆発の様子をテレビで見ていた龍達お茶の間は言葉を失う。


「い、今のって……」


「どう見ても、あれですね」

 火炎瓶の燃料が引火し、爆発したわけではない。間違いなく、先日と同じ爆弾によるもの。すなわち、同一犯の犯行である。


「冗談じゃねぇよ……こんなの、放送禁止もんじゃねぇか!」


「いったいどこの誰よ? 誰がこんなイカれたことをやってんのよ!?」

 宙と美夜がそう怒鳴ると、彼らの問いに答える存在が来店した。フリージャーナリストととして、この事件を追っていた光一郎である。


「聖民党の青年部です」


「光一郎さん! それに、重岡さんも」


「どうも。こうやって言葉を交わすのは久し振りですね」

 光一郎の側にいた朋美は和やかに挨拶するが、それどころではない。


「それより光一郎さん、さっきの言葉、どういう意味ですか?」


「言葉通りですよ。今回の事件の黒幕は聖民党なんです」

 聞き馴染みのない政党名に、青山一家やシェイラはもちろん、同じ国の透美達がキョトンとする中、光一郎は店の奥へと進み、テレビの入力切り替えとスマホとの接続を行いつつ、自身の調査結果について説明を始めた。

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