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死獣神~生の書~  作者: 天馬光
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反省タイム

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われていた1人の元殺し屋と仲間達の新天地での物語。

 ただ、前述した通り、甘い時間は永遠には続かない。紗那のことで頭が一杯になった龍を現実に引き戻すように、背後から『ヒューヒュー』というベタな冷やかしの声が聞こえてきた。


「へ?」

 素っ頓狂な声を発しながら振り向くと、そこには宙達がいた。


「告られましたね? 先輩!」


「全部見てたよ。5人も嫁がいんのに他の女に目がいくとか、節操無さすぎでしょ」


「ふふっ、若気の至りね」


「ですな。じゃが、青龍の小僧よ。そんな調子では、柚の嬢ちゃんを本当に幸せにできるか疑わしくなったぞ」

 美夜や大牙が中心となって、龍をいじり倒す。それだけならまだよかったが、彼らに混じって嫁達の姿もある。いじりには参加していないが、それがかえって恐ろしい。


「あ、みんな……旅行と話し合い、終わったんだ」


「はい。旅行中に光一郎さんから連絡があったので、帰ってきてから柚さん達と合流して来ちゃいました」


「そっか……本当にごめん!」

 言い訳をしても無駄だと悟ったのだろう。龍はすぐさま土下座した。


「と、言っておるが、どうする?」


「私らはいいけど……柚が、ね」

 そう言いながら奏が視線を向けた先には、頬を膨らませて怒っている柚がいた。


「これはご機嫌斜めのようじゃな」


「当然です。人が大変な時に他の女とデートしてるなんて、あり得ません」


「だよねー。じゃあどうする? 禊ってことで1発ぶっとく?」

 美夜からの提案に悪ノリ気味に賛同した大牙と宙は、同じく賛成した帝虎からの指示を受けて、あっという間に龍を羽交い締めにした。あまりの急展開に、龍は思わず待ったをかける。


「ん? 何か不服か?」


「い、いえ、殴られるのは非があるので文句はないんですが、まだ、心の準備ぐらいが……」


「んなもん後からついてくるって」


「そうそう。さ、大人しく掌打をくらいましょう」

 大牙は軽く言ってるが、柚の掌打はそれだけで立派な凶器だ。まともにくらったら、転落死か内臓破裂か首の骨が砕け散るか。いずれにしても死は免れない。

 身の危険を感じた龍は必死に抵抗するが、大牙は拘束の手を緩めない。お仕置きのお膳立てをしてもらった柚は駆け足で接近しながら手を後ろに引く。


「ま、待って、柚! ストップストップ! ストーップッ!」

 龍は必死に制止しようとするが、相手は聞く耳を持たない。

 ついに掌打の射程圏内に入り、死を覚悟した龍は、防衛本能から目をぎゅっと瞑った。

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