表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死獣神~生の書~  作者: 天馬光
27/76

女優としてのポリシー

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われていた1人の元殺し屋と仲間達の新天地での物語。

 そんな彼女に、社長は敢えてこんな質問をした。


「柚、1つ聞かせてくれ。君はこれからどうしたいんだ?」


「え?」


「このスキャンダルを受けて、どうするつもりなんだ? 諦めて引退するのか? それとも……」

 真っ直ぐな目を向ける社長の問いに柚は、


「……それを決めるのは、私じゃありません。この国の人達です」

 と、答えた。

 捉え方によっては投げやりともとれる回答だが、そうではない。これは、柚がデビュー当時から決めていた女優としてのポリシーである。


 知っての通り、柚はこれまで、数え切れない数の人の命を奪ってきた。幼少期や殺し屋時代のように直接手を下すパターンもあれば、復讐に駆られた司令として、策で同級生である真美を死なせたり、自らの指揮のせいで部下を失うといった間接的なパターンもある。彼女の人生は返り血で染まっており、彼女の幸せは多くの犠牲の上に成り立っているのだ。

 そんな自分がこうして生き、女優として大成するなど、まさに夢のような奇跡と言えよう。

 しかし、夢は夢。いつかは覚めてしまうもの。それが今なら、運命に従うまでのこと。そう思いながら、彼女は今日まで女優をやってきたのだ。


 その考えに、社長は一定の理解を示す。


「――君の言いたいことはわかった」


「そうですか」


「だが、ハッキリ言おう。それは夢でも奇跡でもない。君が女優としてやっていけてるのは、君の努力と運命が為したことだ」

 言ってることがわからずキョトンとする柚に、社長は微笑むと、意外なことを口にした。


「知っていたさ。君がそういう暗い過去を抱えた人間だということは、な」

 社長の言葉に、柚とシェイラは一驚した。


 実は、社長は柚の面接も担当していたのだが、その時、柚は『スポーツの経験は無く、演劇も中学の文化祭ぐらいでしかやったことがない』と答えていた。

 にもかかわらず、彼女はそこからスポンジのように演技に必要なスキルを次々と習得していき、あっという間に国中の誰もが知る名女優となった。

 こんなことは、よっぽどのコネがない限りあり得ない。何か秘密があるのでは? と思った社長は、去年の今頃、履歴書の写真からW・Sで検索をかけ、柚の過去を徹底的に調べあげていたそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ