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死獣神~生の書~  作者: 天馬光
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事件発生

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われていた1人の元殺し屋と仲間達の新天地での物語。

 その時だった。雲雀の怒号に反応したかのように、選挙カーが何の前触れもなく爆発。周囲一帯の人や物を爆風で吹き飛ばした。

 爆発地点周辺はみるみる内に火の海と化し、野次馬や商人達の中には、巻き添えをくらって大怪我を負ったり、死亡した者までいる。


 龍達も爆風の被害を被ったが、商品が売れていたおかげで、奇跡的に全員軽傷で済んだ。

 もっとも、こんな地獄絵図のような惨状を目の当たりしては、喜んでいる場合ではないが。


「あんな状況では、2人とも助かってないでしょうね。犬も猿も」


「こいつはとんでもねぇ大スクープに遭遇したな。へへっ、そそられるぜ」


「不謹慎です!」

 ジャーナリスト達の言い様に、澪は注意する。


「すみません。まぁなんしても、これは間違いなく爆弾テロですね。犯人はおそらく反日主義者かエピウス保守派。いずれにせよ過激派の仕業でしょう」

 首相と野党の代表がターゲットだった以上、そこは間違いない。しかも、無関係な一般市民まで巻き込むなんて、明らかに度を越している。爆弾犯の極悪非道な犯行に、龍達は嫌悪感と憤りを抱かずにはいられなかった。


 きっとこの場にいる全員が同じ気持ちのはず。と、思っていたが、ふと、辺りを見渡すと、柚の姿がどこにもない。

 小柄で体重の軽い彼女のことだ。運悪く爆風で遠くに飛ばされたかもしれない。嫁の身を案じた龍は、


「とにかくみんなで探そう! まだ、近くにいるかもしれな――」

 と、音頭をとって捜索しに行こうとしたが、向かいの八百屋から飛ばされてきたブルーシートで隠れた下半身あたりに何やら違和感を感じた彼は、硬直した。


「どないしたんや? 悠斗」

 雲雀はそう尋ねるが、龍には心当たりがあった。もしやと思いブルーシートを捲ると、そこには旦那の股間を凝視しながら鼻息が荒くなるほど興奮している捜索対象がいた。


「……何してるの? 蜜柑」


「何って、見ての通りだよ? 爆風で飛ばされてきたら、目の前に悠斗の股間があったから興奮しちゃって……お願い悠斗。体の疼きを鎮めるために、悠斗のムスコのお世話をさせて」

 どこからツッコめばいいのやら。長い付き合いの宙と美夜はもちろん、フローラ達も毒気を抜かれる。

 そんな周囲の呆れの視線や溜め息など、発情モードに入った柚には届かないらしく、龍の許可が下りる前にベルトを外し、ズボンごとパンツまで脱がせた。しかも、ファンだと言ってくれた常連やジャーナリスト達が見てる前で。

 恥ずかしさから龍は必死に抵抗するが、暴走した柚は止まらない。旦那のイチモツを握ると、まずは大きくさせようと口を開けて顔を近付ける。


 このままでは18禁シーンに突入してしまう。そうはさせまいと、雲雀は彼女の襟首を掴んで引き離す。


「ふにゃ?」


「言いたいことは山ほどあるけどなぁ、とりあえずこれだけは言わせてくれ……こんな大惨事が起きとる現場で、おのれは何しとんねん! 万年発情変態コピー猫ーっ!」

 雲雀は柚を玄関方向に向かせながらそう怒鳴ると、ありったけの力を込めて彼女の尻を蹴飛ばした。人気女優に対する扱いではないがこれは仕方ない。因果応報というやつである。


 おかげで空気が少しだけ和んだが、笑ってられるような状況ではない。国際問題に発展するような大事件が起きたのは事実なのだから――――――

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