この秋もあの冬も
あなたの温かさを
求めつつ生きてきた。
そこだけで生きてきた。
あなたには今でも、
手に取れる縄がある。
それはこの秋がまた
巡ってきたように、
解けることはない。
切れることもない。
ずっと昔の時代から。
私はその縄を潜って
あなたを好きになった。
それもあの冬の日が即ち、
どこに向かうべきか
熱く囁いたから。
この秋もあの冬も
子供の頃のまま巡る。
時には汗ばむ日もある。
心穏やかではないが、
珍しくはなくなった。
珍しくない時の流れに、
私も流れてゆく。
向こう岸にたどり着くには
力が足りぬかもしれない。
魚は泳いで先に行った。
私も泳ぐしかない。
戦争のために、
集まれという人がいて、
戦争に行かないと言うと、
連れて行かれそうになる。
それはこの秋がまた、
巡ってくるように
途切れることはない。
私も詩を見ることになる。
あなたは親になる。
あなたが子供である日
水底の魚は眠りにつき
それもあの冬の日が即ち、
どこを去るべきか
静かに告げたようだから。
この秋もあの冬も
子供の頃には戻れず
時に縄さえ老いてゆく。
老いてゆく縄を抜ければ、
あなたはあなたになれる。
ゆえに私はあなたを
奴隷のように側に置きたがり、
あなたを盗んだ。
解けない縄の間から、
その手をひっぱって。
痛くないかと尋ねれば、
あなたは頷いていた。
向こう岸にたどり着くには
神様の御業が必要に違いない。
傷ついた魚はやがて死ぬ。