暖かい所へ……
寒い朝、あれ?…外には……
一段と冷えると思ったら、夜のうちに大雪が降った様だ。あれ?…母さんが雪だるまを作ってる……もう5体も有るよ……最後の1つを作ってるのかな?
僕は外に出て、母さんを手伝った。
「あら、ありがとう純平ちゃん……これで終わり」
「母さん、朝からどうしたの?」
「折角雪が降ったからね」
母さんと僕は、家に入って朝食を食べた。暖かくておいしいな~……あれ?…
「母さん、父さんは?」
「何処に行ったんだろうねぇ……」
今日は大分雪が積もってるから、2人で家でのんびり……僕は母さんが大好きだ。
「純平ちゃん、暖かい所に引っ越ししようか?」
「暖かい所は好きだけど……父さんはどうするの?」
「純平ちゃんは、お父さんが好き?」
「嫌い……すぐに殴るから……でも、勝手に居なくなったら……」
「大丈夫、きっと見付からないよ!……海外にでも行く?」
「……父さんに見付かるのか怖い……」
「大丈夫よ、暖かくなる前に引っ越せば!」
「うん…………」
僕には不安な事がたくさん有る。だって、本当は父さんの居る場所を知っているから……僕は母さんに、心配事をぶつけた。
「あのね、母さん……」
「何?」
「玩具は直せば、おかしな所は治るでしょ?」
「そうね」
「バラバラになった父さんは、治せば殴らなくなるの?」
「!?……純平ちゃん……」
僕は知ってるんだ。バラバラになった父さんの部品が、1つ1つ雪だるまの中に入っている事を……春になったら、接着剤でくつけて不具合も治るかなぁ?
僕は母さんが大好きだ!