008 ステータスの検証作業①
捕虜たちをロープで一列に繋いでいて、それが三列ある。一つの列が約10人だから生き残りは30人ってところだ(正確には31人だった)。
先頭に二人の騎士、その後ろに徒歩の捕虜たち(三列並んで)、その後ろに隊長のマックスさん、そして馬車が続き、最後尾に二人の騎士という隊列だ。
俺の位置はマックスさんの隣で、もちろん徒歩だ。
馬で半日と言ってたけど、この調子じゃ今日中に街までたどり着けないかもしれないな。その場合、野営するのかな?
マックスさんは隊長らしく職務中の私語はしない主義みたいで、俺と会話することはない。
俺のほうでもこの機会にステータスの検証を行っておこうと思う。
・名前:サトル・ツキオカ
・種族:人族
・状態:健康
・職業:無職
・スキル:
・全言語理解 100/100
・鑑定 80/100
・耐鑑定 80/100
・アイテムボックス 100/100
・状態異常耐性 100/100
・魔法抵抗 80/110
・徒手格闘術 80/120
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・火魔法 50/120
・水魔法 60/120
・風魔法 51/120
・土魔法 50/120
・光魔法 80/100
・闇魔法 30/100
・空間魔法 30/100
名前の部分が変わっている。自分で名乗ったから変わったのか?
あと、『風魔法』のスキルレベルが1上がっている。
どうでも良いが、職業が『大学生』から『無職』に変わっていた。いや確かに無職なんだが…。
まず『種族』と『状態』はどうでも良いとして、検証しなければならないのは『スキル』だ。
『全言語理解』というのは、この異世界(多分…)ですでに会話できていることから翻訳の能力だと分かる。俺としては日本語をしゃべっているつもりなんだが…。
なお、文章の読み書きができるのかどうかは、まだ分からない。今後の検証課題だな。
『鑑定』は骨董品などを鑑定できるのか?『良い仕事してますねぇ』とか言ったりできるのだろうか?
試しに街道の両脇に生えている木に対して『鑑定』をかけてみた。
・名前:ネグの木
・説明:広葉樹の一種。材木として有用。この個体の樹齢は12年で、樹高は11.367メートル。
おぉ!すごいな。てか、この世界の長さの単位ってメートル法なのか?
では人間だったらどうなるのだろう?
俺の隣を騎乗した状態で進むマックス隊長をこっそりと『鑑定』してみた。
・名前:マクシミリアン・ロードレイク(ロードレイク騎士爵家嫡男)
・種族:人族
・状態:健康
・職業:アインホールド伯爵家騎士団員
・スキル:
・耐鑑定 32/100
・魔法抵抗 43/100
・剣術 67/100
・槍術 41/100
・徒手格闘術 71/100
・乗馬術 59/100
剣と格闘がかなり高い数値なのは、さすがは隊長と言うべきか。
あと、多分だけど『耐鑑定』ってのは『鑑定』をはねのける能力だろうな。この値と『鑑定』の値を比較して、『鑑定』の数値のほうが高ければ鑑定に成功するのだと思う。あくまでも推測だが…。




