078 魔装具店再訪③
「まずは【魔法抵抗+】の魔装具でございますが、現在この店にあるものの中で最も高価なのは3億ベルの【魔法抵抗+32】の指輪でございます」
あ、まだ売れ残ってるんだ…。いや、そりゃそうか。高過ぎるっつーの。
「お手頃な価格のものとしては【魔法抵抗+18】の指輪が、一つ500万ベルで三つほどご用意できます。あと、2000万ベルの【耐鑑定+28】は少々お高いでしょうから、代わりに一つ200万ベルの【耐鑑定+15】のネックレスを三つ加えましょう」
ふむふむ、その六つで2100万ベルか。
「良いですね。【剣術+】も二人分ありますか?」
「ええ、60万ベルの【剣術+12】と100万ベルの【剣術+16】をご用意できます」
ナナに【+12】、サリーに【+16】を着けさせれば良いかな。ナナは基本的に前衛じゃなくて魔術師だからね。
これで2260万ベル…。
あとは個別の魔装具だな。
「サーサリアム様には【索敵+25】と【罠感知+21】をご用意できます。それぞれ100万ベルと150万ベルとなります」
おお、良いね。これで2510万ベル…。てか、案外リーズナブル…。
「ナナ様には【水魔法+8】などいかがでしょう?増加するスキルレベルは小さな値になりますが、それは【○○魔法+】の特性でございます」
二桁増加のものはほとんど作れないそうで、あったとしても億単位の金額になるらしい。
「その【水魔法+8】でおいくらですか?」
「はい、1000万ベルでございます」
うはっ、【+8】でその価格かぁ~。どうしようか?
「お兄ちゃん、【水魔法+】は無くても大丈夫だよ。8増えても初級魔法しか使えないのは変わらないし…」
ん~、でも魔法発動に成功する確率が8%も上がるのは捨てがたい…。予算はあるんだし、買っちゃおうかな…。
「それって二つ在庫がありますか?」
「ええ、ございます」
「それじゃ、アンナさんの分も含めて二つ買います」
これで総額は4510万ベルになる。十分に予算内だ。
アンナさんが驚愕の表情で俺を見たけど、素知らぬふりをしたよ。
「最後にアンナ様ですが、【火魔法+9】が現状一つだけございます。ただ、これは価格が2000万ベルになりますので、さすがにお勧めは致しかねます。もっとも、現時点でこの店に【火魔法+】は他に在庫が無いのですが…」
おぉ、高い…。高過ぎるよ。どうしよう?
でも買えるっちゃ買えるんだよな、予算的には。
悩む俺にアンナさんが言った。
「サトルさん、まさか買うなんて言わないですよね。そんな高価な物、着けたくありませんよ」
これを聞いて俺の心は決まった。
「タロンさん、それ買います。これで総額は6510万ベルってことになりますかね?」
「はい、お買い上げありがとうございます。大商いになりましたので、多少値引きさせていただきまして、総額は6000万ベルということでお願い申し上げます」
おお、510万ベルも値引きしてくれたよ。
【コーチング】の費用と合わせても6300万ベルだから、十分に予算内だね。
アンナさんが俺を睨みつけてるんだけど、気にしない気にしない…。どうせ元々の金の出所はビエトナスタ王国が支払った賠償金なんだから…。
・・・
さて、これらの魔装具を装着した三人のステータスは以下の通りとなった。
・名前:アンナ・シュバルツ(シュバルツ男爵家三女)
・種族:人族
・状態:健康
・職業:冒険者(Dランク)
・スキル:
・鑑定 55/100
・耐鑑定 56/100【+15】
・アイテムボックス 34/100
・魔法抵抗 51/100【+18】
・徒手格闘術 62/100
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・火魔法 44/100【+9】
・水魔法 47/100【+8】
・名前:サーサリアム
・種族:獣人族
・状態:健康
・職業:冒険者(Eランク)
・スキル:
・鑑定 34/100
・耐鑑定 48/100【+15】
・アイテムボックス 35/100
・索敵 69/100【+25】
・罠感知 62/100【+21】
・魔法抵抗 49/100【+18】
・剣術 55/100【+16】
・徒手格闘術 35/100
・名前:ナナ・ツキオカ
・種族:人族
・状態:健康
・職業:冒険者(Fランク)
・スキル:
・鑑定 32/100
・耐鑑定 49/100【+15】
・アイテムボックス 69/100
・状態異常耐性 64/100
・魔法抵抗 53/100【+18】
・剣術 45/100【+12】
・徒手格闘術 30/100
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・水魔法 42/100【+8】
【】内の数値が魔装具による底上げ分だ。
なんか、ちょっとすごいパーティーメンバーになってしまったよ。
バッツさんやハルクさんにはまだまだ遠く及ばないとしても、そこらのCランクやDランクの冒険者よりはずっと能力が優れていると思う。
まぁ、金の力なんだけどさ(笑)




