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048 捕虜の尋問

 襲撃部隊の指揮を()っていた隊長格の人物をもう一度【鑑定】してみた。


・名前:パレートナム

・種族:人族

・状態:健康

・職業:ビエトナスタ王国国防軍第二部第五課長

・スキル:

 ・鑑定        44/100

 ・耐鑑定       64/100

 ・魔法抵抗      58/100

 ・剣術        79/100

 ・徒手格闘術     63/100

 ・交渉術       56/100


 【交渉術】というのを初めて見たよ。

 やはり課長ともなると必要なスキルなのだろうか?いや、商人にとっても有用そうだ。コミュニケーションスキルかネゴシエーションスキルって感じかな?

 エイミーお嬢様が、両腕を後ろ手に縛られているパレートナム氏の前に立って尋問を始めた。

「あなた方の目的は私の誘拐ですか?」

 無言だ…。黙秘権の行使かな?

「おい、お嬢様のご質問に答えろ!」

 マックス隊長がパレートナム氏の頭を拳骨で小突いたが、それでも一言(つぶや)いただけだった。

『何言ってるのか分からねぇ』

 ん?この国の言葉であるエーベルスタ語ではなく、ビエトナスタ語だな。俺の【全言語理解】はそのあたりまで判断できてしまうのだ(マジで優秀なスキルだよ)。

 …って、この国(エーベルスタ王国)に潜入してるくせに、何でこの国の言葉を学んでないんだよ。


 仕方なく俺がビエトナスタ語で話しかけた。

『お前たちの目的を話して欲しいんだがな』

 目を見開いているパレートナム氏。めっちゃ驚いてるけど、別にバイリンガルなんて珍しくないだろうに…。もっとも俺の場合はマルチリンガル、いやオールリンガルなんだが。

『俺たちの国の言葉が分かるのか。そいつはありがてぇ。ああ、目的だったな。そこのお嬢さんを(さら)うためだよ。まったく上が馬鹿だと下が苦労するぜ』

 いきなり謎の言葉で会話を始めた俺たちを見て、周りの人たちが心なしか引いている。いや、ビエトナスタ語で会話しているだけだから。


「つ、ツキオカ様、この者らと意思疎通ができるのですか?いったい何と?」

「エイミーお嬢様、あなたを誘拐してくることを上司に命令されたようですよ。えっと、ここにはビエトナスタ語が分かる人はいらっしゃらないんですかね?であれば、俺が通訳させていただきますが…」

 で、騎士さんや冒険者の中にビエトナスタ語で会話できる人材は、残念ながらいなかった。

 エイミーお嬢様やアンナさん、マックス隊長の言葉を翻訳してパレートナム氏へ伝え、逆に氏の言葉をエーベルスタ語、つまりこの国の言葉に翻訳する俺。

 同時通訳のようなリアルタイム性のある翻訳は難しすぎるので、ある程度短い言葉を少しずつ翻訳していく感じだ。それでも大変だったけどね。


 最終的に判明したことをまとめると以下の通り。

・ビエトナスタ王国における国防軍の第二部は諜報を(にな)う部署であり、その中でも第五課はゴルドレスタ帝国を担当している。

・したがってゴルドレスタ語はペラペラだが、エーベルスタ語は全く理解できない。

・本来はエーベルスタ王国を担当している第三課がこの任務を受ける予定だったのだが、デルト準男爵に対する懐柔工作に忙殺されている(現在進行形)ため、急遽第五課に命令が下った。

・任務はエイミー・アインホールド伯爵令嬢を誘拐し、ビエトナスタ王国へと連れ去ること。

・命令を下したのは第二部長だが、本当はさらにその上のほうからの命令らしい(詳細はパレートナム氏も知らないとのこと)。

・一か月前の襲撃(デルト役場職員であるゴラン氏と盗賊たち)については、デルト準男爵が(から)んでいる可能性が高いらしい。ただし、担当が第三課なので詳細は不明。


 えらく素直にしゃべってくれたけど真実なのか?

 【交渉術】スキルを持っているだけに、詐欺っぽく感じてしまうよ。

 しかし、このあと俺たちは思い知ることになる。なぜこんなにペラペラと語ってくれたのか…。

 まさかあんなモノが現れるなんて…。


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