表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

196/373

196 第4章エピローグ

 冷や汗を流しながらの俺の釈明によって、なんとか誤解も解けたようだ。

 そんな(俺にとっては)無駄な労力もあったけど、一連の事件は全て解決となった。

 で、最終的に下された沙汰(さた)は以下の通り。


・ジャレド・ウィロード近衛騎士団長は横領罪と殺人罪、あと俺たちへの殺人未遂罪で逮捕、投獄された。当然、騎士爵位は剥奪され、近衛騎士団も解雇。

・ウィロード侯爵家の当主(ジャレドの兄)は厳重注意の上、伯爵位へと降爵された。

・襲撃に参加した近衛騎士団員については一年間、減給10分の1(つまり一割の減給)。

・犯罪行為を(そそのか)したジャレドの側近の男は逮捕、投獄。ちなみにこいつはオーレリーちゃんを人質にとった奴だった。

・ツキオカ男爵家へのお(とが)めは無し。逆に、門や建物の修繕費は国庫から支出されることになった。

・事件解決に尽力した警吏本部の関係者(特命捜査官二人、刑事部長、グレンナルド長官)には王室から感謝状が贈られた。


 ・・・


 今日は警吏本部へ来ている。すでに諸々の雑事は片付いていて、俺たちの生活も落ち着きを取り戻しているよ。

 いつもの応接室にいるのは、警吏本部側がグレンナルド伯爵、刑事部長、警部さんと若い刑事で、俺たちの側はユーリさんとナナ、そして俺の三人だ。

「グレイフィールド事件が完全に解決したことにつきまして、ご尽力いただいた皆様へお礼申し上げます」

 俺の言葉と共にユーリさんとナナも頭を下げた。


「いやいや、こちらこそ隠されていた犯罪を暴くことができて、警吏本部の面目を(ほどこ)すことができた。それに王室からの感謝状をいただくなど、身に余る光栄だよ」

 グレンナルド伯爵の言葉にブンブンと(うなず)いている刑事部長や警部さんたち。

 続けて刑事部長が言った。

「ただの平民に王室から感謝状が贈られるなど、前例がありません。末代までの家宝とさせていただきます」

 警部さんも若い刑事も首を激しく上下に振るのみだ。首の骨は大丈夫だろうか?ちょっと心配になる。


 ここでユーリさんが発言した。

「事件の捜査がおざなりだったときは警吏本部を恨んだものだが、今では心から感謝している。これで父と兄も浮かばれるよ」

 警部さんが微妙な顔をしているけど、それは仕方ないね。

 俺が介入するまでは事件捜査はほぼ終結していたのだから…(警部さんだけは一人でこっそり調べ続けていたけど)。


「ところで、今日来たのはお礼もあるのですが、なにやら不穏な噂話を耳にしたもので、その真偽を確認しに参りました」

「ふむ、なんだね?」

「警吏本部の内部、特に『刑事部』で『私立探偵サトル&ナナ』なる言葉が(ささや)かれているそうなんですが、本当でしょうか?」

 そうなのだ。俺たち兄妹(きょうだい)の名前がなぜか噂になっているのだ。それも『探偵』として…。

 警部さんが答えてくれた。

「ツキオカ殿、少し訂正させていただきたい。『私立探偵サトル&ナナ』ではなく『名探偵サトル&ナナ』ですぞ。迷宮入りになりそうな難事件が発生したら、ぜひご助力をお願いしたいと思っております。なにしろ『名探偵』ですからなぁ」


 ただの民間人を頼るような発言をしたら、長官や刑事部長に怒られるよ。…って思っていたら、その二人からこう言われた。

「ツキオカ男爵には警吏本部『刑事部』の外部顧問になってもらおう。うむ、それが良い」

「ええ、全く問題ございません。どうぞよろしくお願いします」

 はぁ?二人とも満面の笑みだよ。腹芸?いや、本心っぽい。


「いえ、私は冒険者ですので、時間を拘束されるのは困るのですが…」

「顧問とは言っても、うちが本当に困ったときだけ助けてもらえば良いのだ。そうだな、その場合は冒険者ギルドへの指名依頼としよう。うむ、それなら冒険者としての功績にもなるだろう」

「は、はぁ。その形であれば大丈夫ですが…」

「ねぇ、お兄ちゃん。『名探偵サトル&ナナ』って格好良いよね。ちょっと中二病っぽいけど」

「ちゅ、ちゅうに?なんだって?」

「あ、この子の言ってることはお気になさらず。故郷であるニッポン国の言葉ですから」

 ただ、考えてみると『名探偵』と呼ばれるような推理力を発揮した覚えはないんだけどな。割とシンプルな事件だったと思うし…。

 まぁ、それでも褒められて嬉しくないわけではない。実は内心、ナナと同じ感想を抱いている俺だった。


 ・・・


 ここで一区切りついたということで、自分と仲間たちの現在のステータスを確認しておこう。

 なお、【】内の数値は魔装具(マジックアクセサリ)による底上げ分で、()内の数値は以前記載したときからの増加分だ。


・名前:サトル・ツキオカ

・種族:人族

・状態:健康

・職業:ツキオカ男爵家当主

・スキル:

 ・全言語理解    100/100

 ・鑑定        91/100(+1)

 ・耐鑑定      100/100【+22】(リアル値は85)

 ・アイテムボックス 100/100

 ・状態異常耐性   100/100

 ・魔法抵抗      86/110(+1)

 ・棍術        55/110(+2)

 ・徒手格闘術     81/120

 ----------

 ・細工        65/110(+3)

 ----------

 ・火魔法       51/120

 ・水魔法       67/120(+1)

 ・風魔法       58/120(+1)

 ・土魔法       55/120(+2)

 ・光魔法       86/100(+1)

 ・闇魔法       32/100(+1)

 ・空間魔法      36/100(+2)


 ・・・


・名前:アンナ・シュバルツ(シュバルツ男爵家三女)

・種族:人族

・状態:健康

・職業:ツキオカ男爵家侍女長

・スキル:

 ・鑑定        56/100

 ・耐鑑定       57/100【+15】

 ・アイテムボックス  38/100(+1)

 ・魔法抵抗      53/100【+18】

 ・徒手格闘術     64/100(+1)

 ----------

 ・火魔法       47/100【+9】(+1)

 ・水魔法       49/100【+8】(+1)


 ・・・


・名前:サーサリアム

・種族:獣人族

・状態:健康

・職業:ツキオカ男爵家警備責任者

・スキル:

 ・鑑定        35/100

 ・耐鑑定       49/100【+15】

 ・アイテムボックス  37/100(+1)

 ・索敵        73/100【+25】(+1)

 ・罠感知       62/100【+21】

 ・魔法抵抗      50/100【+18】

 ・剣術        60/100【+16】(+2)

 ・徒手格闘術     35/100


 ・・・


・名前:ナナ・ツキオカ

・種族:人族

・状態:健康

・職業:ツキオカ男爵家料理長

・スキル:

 ・鑑定        35/100

 ・耐鑑定       50/100【+15】

 ・アイテムボックス  73/100(+1)

 ・状態異常耐性    65/100

 ・魔法抵抗      55/100【+18】

 ・剣術        46/100【+12】

 ・徒手格闘術     30/100

 ----------

 ・水魔法       46/100【+8】(+1)


 ・・・


・名前:オーレリー

・種族:人族

・状態:健康

・職業:ツキオカ男爵家御者、厩務員、庭師

・スキル:

 ・鑑定        53/100【+17】(+1)

 ・耐鑑定       54/100【+19】

 ・アイテムボックス  35/100(+1)

 ・魔法抵抗      49/100【+15】

 ・操車術       33/100(+1)

 ・徒手格闘術     50/100【+20】

 ----------

 ・光魔法       43/120(+2)


 ・・・


・名前:マリーナ

・種族:人族

・状態:健康

・職業:ツキオカ男爵家会計責任者

・スキル:

 ・鑑定        62/100

 ・耐鑑定       51/100

 ・徒手格闘術     12/100

 ・会計        88/100(+1)

 ・交渉術       76/100


 ・・・


・名前:サーシャ

・種族:人族

・状態:健康

・職業:ツキオカ男爵家侍女見習い

・スキル:

 ・鑑定        22/100(+1)

 ・耐鑑定       14/100

 ・徒手格闘術      7/100(+1)


 ・・・


・名前:ユーリ・グレイフィールド(グレイフィールド騎士爵家長女)

・種族:人族

・状態:健康

・職業:ツキオカ男爵家騎士団長

・スキル:

 ・鑑定        90/100

 ・耐鑑定       87/100

 ・魔法抵抗      72/100

 ・剣術       120/120

 ・徒手格闘術     76/100

 ・乗馬術       59/100


 前回の確認から一か月半程度なので、そんなにスキルレベルは上がっていない(ユーリさんだけは、つい最近【鑑定】したばかりなのでプラスは無し)。

 ちなみに、俺の【細工】のスキルレベルが思ったよりも上がっているね。それが何気に嬉しかったりする。


 この回が第4章【公爵令嬢を助ける】の最終話となります。

 てか、章の始めのほうで早々に『助けて』ますけどね。

 後半は章タイトルと関連しているものの全く別の話なんですが、いきあたりばったりで書いてるので仕方ない(笑)


 まだまだこのあとも徒然(つれづれ)なるままに書き散らしていきますので、よろしければお付き合いください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ