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018 魔法の知識

「ツキオカ様のような優秀な魔術師様にお教えすることなどございません。逆に私のほうが教えを()いたいほどでございます」

 アンナさんの言葉に俺は困ってしまった。優秀かどうかは分からんけど、知識が無いことだけは確かなのだ。

「えっと、俺の祖国での魔法体系とこの国の魔法体系は異なるかもしれませんので…。要するに、この国の常識を教えていただきたいのですよ」

「なるほど、納得致しました。そういうことであればお教え致しましょう」

 こうして俺は魔法に関する貴重な知識を習うことができた。アンナさんには本当に感謝だな。

 んで、教えてもらった内容をまとめると以下の通りだ。


・魔法スキルは属性別に『火魔法』『水魔法』『風魔法』『土魔法』『光魔法』『闇魔法』『空間魔法』の七つがある。

・魔法適性があれば『ステータス』に表示される(誰でも自分自身のステータスはいつでも閲覧可)。

・この国での魔法適性者の割合は全人口のおよそ一割。

・魔法適性があってもほとんどの場合、属性は一つだけ。

・複数属性に適性を持つ者もわずかではあるが存在する。

・魔法スキルレベルを上げるには魔法を繰り返し発動しなければならない。

・初級魔法はレベル30から、中級魔法はレベル60から、上級魔法はレベル90から使用可能。

・魔法を使うには、最初に必ず達人(マスター)クラスの魔術師から【コーチング】を受ける必要がある(かなりの高額報酬らしい)。

達人(マスター)とはスキルレベル100の人物を指す敬称。ちなみに110は長老(エルダー)、120は伝説(レジェンダリー)と呼ばれる。

・スキルレベルの高さは魔法の成功率に直結している。

・魔法の発動に成功した場合、初級魔法で10、中級魔法で20、上級魔法で30の魔力を消費する(失敗時はその半分を消費)。

・保有する魔力量の値は、魔法関連(〇〇魔法及び魔法抵抗)のスキルレベル(現時点の値)の合計値である。


 え?…ってことはアンナさんは『火魔法』が35で『水魔法』が39、あと『魔法抵抗』が33だったから、魔力量は107になるってこと?

 これは初級魔法(スキルレベル的に初級しか使えないわけだが…)を連続で10回発動できるってことか…。

 あれ?俺の場合、どうなるんだ?

 現在の魔法関連スキルレベルの合計は…。うむ、多すぎて暗算が面倒くさい。あとで電卓で計算しよう。

 とりあえずはアンナさんの話を聞くことに集中する。


・魔力の回復量は1分あたり1~3らしい。ただし、これは個人差があるとのこと。

・ステータスで魔力量(現時点の残量)を確認することはできない。

・魔力が枯渇しても魔法が発動できなくなるだけで、昏倒したりすることはない。


 時間の単位が『分』って、この世界の時間単位が俺の元いた世界の時間単位と同じなのか、それとも『全言語理解』が勝手に翻訳しているのか?どっちだろうね。

 俺が賊たちを『風魔法』で攻撃しまくったときって、魔力が枯渇した感じは全く無かったわけだが、総魔力量の多さに加えて時間当たりの回復量も多いのかもしれないな。知らんけど…。


「アンナさん、とても有益なお話をしていただき、誠に感謝致します。本当に助かりました」

「いえ、我らの恩人たるツキオカ様のお役に立てて、私のほうこそ嬉しゅうございます。あの、ところで不躾(ぶしつけ)な質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?」

「ええ、どうぞどうぞ」

 アンナさんは少し頬を赤らめながら、言いにくそうに聞いてきた。

「ツキオカ様はお若く見えますが、もしやかなりのご高齢なのでしょうか?」

「あー、何歳くらいに見えます?」

「外見だけですと10代半ばくらいですが、魔法の技量を考えますと100歳は優に超えているのではないかと…」

 いやいや、100歳超えってそんな馬鹿な…。あれ?この世界では普通なの?

 てか、外見が10代半ばって…。

 俺の身長は170cmちょいなんだけど、マックス隊長をはじめとする騎士さんたちは180~190cmくらいあったからね。顔の造形と合わせて、実年齢よりも若く見えるのだろうか?

 ちなみに、エイミーお嬢様は130cmくらい、アンナさんは160cmくらいの身長だ。どうでも良いけど…。


「俺は21歳ですよ。嘘偽りなく…」

 アンナさんの表情がぱぁっと明るくなった。なぜか嬉しそうにしている。

「あ、あの私も21歳なんです。同い年ですね」

 落ち着いた雰囲気でまさに大人の女性って感じだったから、俺よりも年上なのかと思っていたよ。

 特に理由は無いのだが、なんとなく俺も嬉しい。てか、これってかなり親密になれたのではないか?

 元の世界だと、女性とは同じゼミの中で議論するくらいで、プライベートで仲良く会話することなんて無かったからなぁ。

 そう、俺はいわゆる『陰キャ』なのだ。


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