誕生日会
更新遅くなりましたm(。>__<。)m
俺たちは年中さんになった。
今日は5月18日、有希と俺の誕生日会だ。
俺の誕生日は5月21日なのだが、近いからと毎年同じ日に誕生日会をやる。
今年は有希の家でパーティーをする。
有希の家はとにかくでかい。
壁には一般家庭にないような絵画が飾ってあるし、部屋の隅には1m以上の大きさのスピーカーがそびえ立っている。
極めつけは向かい合わせに置いてあるグランドピアノだ。
ウン千万もするピアノが2台もとは、有希の家の経済力を物語っている。
おまけのように置かれているアップライトピアも相当高いだろう。
有希の父は世界でも有名なピアニストで、母親も引退前は世界を飛び回るピアニストだったらしい。
「有希、祐介くん、お誕生日おめでとう!2人とも、誕生日プレゼント開けてみて!」
有希の母から渡された紙袋にはお揃いのCDプレイヤーが入っていた。
有希がピンクで俺が青。
「ママからはこれだよー!」
俺の母親が渡してきたのは薄い包み紙に入ったものだった。
有希の方は『ショパンから始めるピアノメドレー』
俺の方は『人気オペラ アリア集』
正直めちゃくちゃ嬉しい。
でも幼稚園児の誕プレにしては渋くないか?
ちゃんと聞けるようにCDプレイヤーだったのか。
これは永遠聞いちゃうな♪
「「ありがとう!!」」
俺たち早く聞きたくてうずうずしていた。
「冷めちゃうからとりあえずご飯食べようか」
俺の父親の声でみんなで夕食を取り始めた。
有希の希望で天ぷらパーティーだった。
俺の母が誕生日ケーキを切っていると、有希が急に真剣な顔をし始めた。
「ゆきもパパみたいにピアノ弾きたい!!!!」
何となくそんな気はしていた。
「僕も!!」
迷わず俺も叫んだ。
一瞬の間の後、大人たちはみんな微笑んだ。
まるでわかっていたかのように。
「音楽の世界は大変だぞ?」
有希の父は優しい口調で囁いた。
「でもやる!!!」
有希も俺も真剣だった。
「わかった、来週からレッスンしよう!」
案外あっさりと決まったことに驚いたが、そんなことより、有希とピアノができる嬉しさの方が大きかった。
============
佐々木加奈子と言います。
私には夫の和真さんと息子の祐介がいます。
私と夫は同じ会社で出会って、そのままゴールイン、そして産休明けでまた会社に復帰しました。
大切な一人息子の祐介は本当に落ち着いた子でした。
小さい頃からあまり泣いたり騒いだりということがなく、手のかからない子でした。
この子は周りの子とは違うのかなと思うこともよくあります。
テレビでオペラやクラシックを見始めた時は驚きました。
それだけにとどまらず、イタリア語の勉強(?)を始めたときには(こんな3歳児いないよ!!)と思いながらビデオの予約をしました。
でみ祐介がオペラを見ている時の表情はとても楽しそうで、止めることなんかできません。
音楽にきっかけを持ったのは、隣の家の飯島さんのピアノの音がきっかけなんでしょうか?
隣に住む友達の飯島みかの旦那さんはプロのピアニストと言っていました。
みかの娘の有希ちゃんと祐介は生まれた時からの仲良しで、いわゆる幼なじみと言うものです。
2人の誕生日は近く、4歳の誕生日会を一緒にやろうという話になりました。
正直祐介の誕生日プレゼントに何あげればいいか分かりません。
イタリア語の教科書?
でも4歳の子には読めないでしょ…
みかに相談してみました。
「2人ともCDとかどう?私は2人にプレイヤーをプレゼントするから!」
それはいいですね!!
早速探してみます。
結局有希ちゃんにはピアノのCD、祐介にはオペラのCDにしました。
和真さんは微妙顔をしていました…
2人とも喜んでくれるといいですけど…