犯罪、そして
「飯島の体育着が無くなったらしいんだが誰か知らないか?」
教室はざわついている。
有希は今にも泣きそうな顔で俯いていた。
「せんせー!っw誰かのロッカーに混ざって入ってるかもっすよーw」
笑いを堪えているようにそう言ったのは雅人だった。
「そうか?みんなロッカー開けてもらってもいいかー?」
先生が一つ一つロッカーを確認しに行った。
「おいどういうことだ!!!佐々木!!!」
「え!?」
突然俺は怒鳴られた。
「なんでお前のロッカーから飯島の体育着と女性用下着が出てくるんだ!!!!」
「マジで何言ってるかわかないです!」
「とぼけるな!!生徒指導室来い!」
俺は先生に引きずられて教室を出た。
「お前らは自習してろ」
教室を出ていく時にニヤニヤしている雅人が視界の端に見えた。
「それじゃあ本当にお前は何も知らないし、取ったわけでもないんだな?」
「だから何回も言ってるじゃないですか」
「分かった、今回は信じる」
「はぁ」
「飯島へは自分から説明しておけ」
好奇の目で見られながら教室に入った。
「えーと、佐々木が取ったわけではなかったそうだ。今までこういうことをするようなやつじゃないし、今回は先生も信じるからみんなも疑わないでやってくれ」
そうは言ってくれたものの、周りはヒソヒソなにか言っているし、有希は目を合わせてくれない。
「有希!誤解だったんだ!信じてくれ」
「ふーん」
「俺は絶対にこんなことしないから!!」
「分かったよ」
一応有希への誤解は解けたのか?
ピコンッ
[雅人さんが4枚の写真を共有しました]
そこには更衣室で着替えをする下着姿の有希が
「おーいヘンタイwお前がやったんだろーw」
雅人が後ろから俺に言ってきた。
「あれーーお前何してんだ!!盗撮!?」
わざとらしくニヤニヤ笑いながら大声で言った。
「おいみんな見ろよ!!!こいつ有希のこと盗撮してるぞ!!!!」
「いやっ!!違うっ!!!今エアドロで送られてきたんだ!!!!」
「バレたからって嘘つくなよ!!!」
「本当に違うって!!!!!」
「おいおいなんだなんだ?」
「先生!!!こいつ下着泥棒だけじゃなくて盗撮もしてます」
「してねぇって!!」
「ケータイ出せ」
先生は俺のスマホを取り上げた。
「いい加減にしろ!!!」
「だから俺じゃないって!!」
「でも実際にここにあるだろ!!!」
「有希!!違うんだ!!!!本当に俺じゃないんだ!!!!」
「二度と話しかけないでヘンタイ!」
俺はその場で崩れ落ちた。