表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吉田です  作者: チャーチルリャマ
1/1

こんにちは

 ここはとある学校のとある教室。五組ある中の末端に位置する、普段から静かな教室だ。この五つある教室の廊下は先が行き止まりになっており五組に用事がない限りほとんど人が通ることがない‥‥はずだったが今現在、近年稀に見る人だかりが全ての窓ガラスを隠していた。

 そこでこの人だかりが現れた要因についてだが、ギャラリーの目線が集まる教室中央そこにはある男子生徒が、まるで受け身をとったかのような気持ち楽そうな体勢で倒れていた。時間帯的に今は授業中、倒れた物音で集まった人たち集まる視線、それをどこ吹く風かのように授業担当の教師がスタスタと前へと歩み寄る場面であった。

 そして男性教師の大きな体を見上げると彼はこう尋ねてきた。

「どうした、大丈夫か?」

 僕はそれを当然の反応だとは思わなかった。前にも同じようなことが起こったからなのか皆、平常心でそれが起こった授業のときと同じ教師であるものだから幸運だった。

 差し出された右手、僕はそれを掴もうと同じく右手を伸ばそうとしたが思うように動かなかった。

「先生、体が動きません‥‥」

(前よりも酷くなってる)

 この発言をした後、次にまたこの症状が起きたらどうなってしまうのだろうかと思うと恐怖を感じた。

「そうか‥‥まず、保健室に運んでやろう」

 教師は「自習にする」と指示を出す。すると生徒たちは各々に会話を始め教室が一気に騒がしくなった。廊下の人々も各教室へと散っていき少し緊張が解かれたような気がした。

 再び教師が「静かにしとけよ」と釘を打つが静かになることはなかった。そして活力の抜けた自分の右腕を掴んで引き上げるとこう聞いた。

「君、名前なんだっけ?」

「お、俺、吉田です」って。 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ