序章
久々に書こうと思います。
通学途中くらいに。ちょっとずつ。
安心してください、今回もプロットが……(そこから外れないとは言ってない)
発電所が、地上から足を離して久しい。
21世紀中頃、国家の威信を懸けた科学の大躍進は、遂に太陽光発電のデメリットを地上から永久に排斥することに成功した。
発電パネルで覆われたようなプラントを、ロシュ限界以内の多重構造の「軌道」に拘束し、常に世界中に莫大な量の電力を供給する、数任せの力づくとも言えるようなアイデア。スペース・デブリの排除を終えた人類が真っ先に打ち上げた無数のプラントたちは、今日も人類の豊かな暮らしを支えている。
『C.S.O.G.、軌道発電監理センターは、今日も全世界に灯火をもたらします。』
ガラス張りのエントランスにアナウンスが響く、ニューヨークの軌道発電科学館。連日社会科見学の児童たちの歓声で満ちている。
『およそ上空500kmから、軌道発電プラントたちは、世界の国々に直接電力を送っています。24時間、365日、われわれ人類は、この最高に安全で安定した電力供給を受け続けることができるのです。』
老人は時おりこの技術を疑い、呆けた頭で考えた支離滅裂な理論を声高に主張するが、実際にこのシステムが出来上がってから、世界の電力・資源問題はかなり進展したと見ていい。地上の発電所は不要になって土地が生まれ、原子力発電の放射能汚染の議論は消滅し、なにより人類は、これ以上火力発電に化石燃料を使わなくてもよくなったのだ。
『われわれは子供たちの未来を守り、今の世界を天から動かし続けます。』
【Center for Supervising Orbiting Generator】