伊達男のルーティーン
朝起きて、わたしはテレビをつけた。
この時間いつもやっている例の番組を見るためだ。
「さあ、始まりました。本日の、洒落男入門。司会の佐藤です。
この番組は、世の伊達男な有名人の方のルーティーンを紹介する番組です。」
さてさて、今日は誰が出てくるのか。
「本日のゲストはこちら。おしゃれ感度が高い人たちが選ぶナンバーワン、
燻ぶる男、ITARIさんです。拍手と共にお迎えください。」
お、あのITARIさんか、ということは。
「皆さんこんにちは、ITARIです。本日は香水のつけ方を紹介させて頂きます。
私は、香水を着けることを毎朝のルーティーンにしています。」
相変わらず渋い声だ。毎日香水をつけるとはさすが伊達男だなあ。
「香水は、濃度によってその匂いの強さと持続時間が違ってきます。
とりあえずは、オードドワレと書かれているものを選んでください。」
なるほど、オードトワレだな。
「だいたいこれで持続時間はおよそ4時間くらいになります。」
「男は女と比べて汗腺が多いため、同量の香水をつけた場合より強く香ります。」
「そこで、わたしは"空気中に一振り、くぐるだけ"というやり方を提案します。」
「これで、適度な匂いが体に付きます。ほのかに香る程度です。」
「ただし、付けて約1時間ほどは匂いが濃いことも多いため、
外出の一時間前、
少なくとも30分以上前には付けておくようにしましょう。」
なるほど、空気中に一噴きして、くぐるだけか。
ただし外出30分前には付けとけか。
よし、今度の休みにでも試してみるか。
「ITARIさん、本日はどうもありがとうございました。」
番組が終わったので、わたしはテレビを消した。
さて、そろそろわたしも仕事に出なくては。
今回、しっかりとオチを仕込みましたが気づいていただけたでしょうか。