番外 舞台裏
######### 第三者視点 #########
「異常なし?
意識不明者が出ているんだぞ!
ちゃんと調査しろ!」
「何者かのクラッキングを受けたと考えるべきですが、
何度調査してもシステムに異常がないんです!」
ある会社の一室で怒声が響き渡る。
ここは『蒼穹のつながり』の運営会社だ。
『蒼穹のつながり』の正式リリース直後に何者からのクラッキングを受け、
プレイヤーが一向にログアウトせず、中には意識不明になってしまう人も出るという事態に陥った。
システムは異常なし、機器の故障もなし、どのようなクラッキングを受けたかは不明で、対処の目処が全くたっていなかった。
「システムと機器を再調査しろ!
ログをすべて洗い出せ!
あと各プレイヤーの接続用の機器も調べに行け!
全プレイヤーが同じ状態である以上、個々人の機器に異常があるとは考えにくいが、
念のため調べろ!」
「わかりました!」
社員が一斉に部屋から出ていく。
「いったい何が起きているんだ?」
指示を出していた人物がそうつぶやきながら、部屋を後にした。
######### side ??? #########
ふん。
俺を殺すためにずいぶんと手間のかかる手段を選んだものだ。
そんなことせずとも、自力で俺を見つけ出して殺すことも可能だろうに。
まぁ、俺も似たようなしたから人のこと言えんがな。
しかし、あまり強力なモンスターが住んでいない地域にワイバーンを差し向けるとは、思い切った真似をする。
そいつを糧にするあたり、異邦人たちのほうが一枚上手だった様だが。
さて、奴の動向も気になるが、異邦人たちは今後どう動く?
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