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ワケあり少女と潜水艦  作者: 橘 みそぎ
1/1

新型潜水艦"グラーシャ"

皆さん、こんにちは、こんばんは。

橘 みそぎ です。

アカウントを変えての初の投稿になります。

この小説はミリタリー要素を含んだフィクションストーリーになります。また、小説内で様々なオリジナルの用語が出てきますが、その辺りはまとめて解説を出すつもりです。あまり上手い表現などを使えていなかったり、書き方としては悪かったりするかもしれませんが、良ければ最後まで

読んで頂けると嬉しいです。

季節は春、

オーランド国北部。

私はある指令を受けてこの地に来ていた。オーランド国は北部と南部でかなり気温差が出るほどの広い国である。

指令の内容は、オーランド国北部にあると推測された敵の潜水艦ドックの発見、可能ならば、新型潜水艦への破壊工作である。と、私が辺りを探しながら進んでいると、武装した敵と思われる人が3人歩いてきた。装備はAK74にグラッチ。

明らかに私達の装備ではない。この近くに敵の施設がある...と確信してバレないように敵兵をかわしていった。

1kmほど進んだ所で港のような所に出た。武装した敵は見当たらないが、港周りの人の動きが活発だった。

私は双眼鏡を使い作業員と思われる人達が運んでいた大きな箱を見た。「"放射性物質"...まさか...」

私の指令はもう一つある。

潜水艦ドックにて、新型潜水艦から発射可能な新型核ミサイルの有無の調査だ。あの箱を見るに恐らく有るのだろう。

私は、少し小さな人なら入れるというぐらいのダクトから施設内に入り込んだ。

入って見るとそこはただの物資搬入施設のような所だった。様々な食料、日用品などなどが船から出て来るのが見える。「潜水艦は何処に...」さっきから普通の貨物船などは見当たるが、軍事で使うような艦船は見当たらない。

しばらく辺りを誰にも気づかれないように探し回っていると、作業服を着た人が辺りをきょろきょろしながら、扉にカードをかざして扉の向こうへ消えた。私は、次に扉が開くチャンスが来るまで扉の近くで身を潜めてしばらく待った。10分程待ったとき、扉が向こう側から開いた。私はすかさず物陰から飛び出し、出てきた男を得意の体術で気絶させた。すぐにその男をバレないように隠し、私は奥へと進んだ。30m程通路を進んだ先に見えてきたのはとんでもなく、まさに兵器庫と言えるような光景だった。高速戦闘艇が4隻、駆逐艦5隻...しかもその全ての艦船がすぐにでも出撃出来るような状態だ。「これだけの艦船をこの港に...」

ここに入る前、見えたのは小さな港だと思った。だが、これを見るに、この港はかなり広そうだ。そういえば、港のすぐ隣は山だった。山をくり抜く形でこの港が成り立っているのなら、どうりで衛星からは分からない訳だ。気付かれないように少し奥へ進むと、「あった...」敵の新型潜水艦を発見した。何故新型かどうかわかるのか、それは外見が従来の潜水艦の形と明らかに異なっているからだ。私はこのような形をした潜水艦を初めて見た。「これは...巡航潜水艦...?」そう分類されるのだろうか、よくわからなかった。

私の観察力ではそこまでしか分からない。そこで私は近くにいた作業員を静かに捕まえ、誰からも見えないであろう場所に連れ込んだ。

そして作業員に、「あなたはどこまでこの潜水艦について知っているのかしら?」と作業員の男を逃げられないように、がっちりホールドしながら聞いた。「分かったからっ、話すからっ...少し緩めてくれ...っ」私は腕をほんの少し、それでも最低限息ができ、話せるぐらいだが、緩めた。そして男は、ふぅ...と息を整えて、話し始めた。

ここはアーシュ国海軍の秘密ドックだ。山ん中にあるから衛星には映らねぇ様になってる。それに、隣が普通の港だから怪しまれる可能性は低いんだ。「そう、あの新型潜水艦については?」あぁ、 あれは軍が開発した新型潜水艦、"GSIF-107"俺らは"グラーシャ"って呼んでるよ。「グラーシャ?」そうだ、こっちの言葉で"不死鳥"って意味だよ。「不死鳥...ね...」んで、あんたはグラーシャの何が気になるんだ?「ほぼ全てよ。兵器システム、核攻撃が可能かどうか、航行システム...ありとあらゆる事を。」ふむ...俺達作業員が知らされている情報は少ない。君の質問に答えられるかは分からないが...「それでもいいわ。知っている事を話してちょうだい。」ふむ...分かった。まずあれは核攻撃が可能ではない。あんたも見たかもしれないが、核を持ち込んでいるのは弾頭用じゃない。

あの潜水艦が核で動くからだよ。「原子力潜水艦...?」そうだ。グラーシャには核弾頭ではない新兵器が搭載される予定だそうだ。詳しくは知らんが...「そう...駆動系はどうなってるの?」グラーシャは最大で45ノット出す事が出来る。

「潜水艦で45ノット...?」

嘘は言ってないぞ。本当だ。

そしてコイツにはステルス性能と最新のミサイル防衛システムが実装されてる。 ステルス性能の方は、透明化とまではいかないが、あらゆるソナー、レーダーから自分の位置を15分間だけだが、消す事が出来るそうだ。ミサイル防衛システムの方は、その名の通り、システムを展開させてから、攻撃の威力などで一発毎の%上昇率は異なるが、0〜100%までなら防げる。つまり、システムの演算の限界までなら耐えられるって事だ。少し分かりづらかったもしれんが...「いいわ、続けて。」つまりグラーシャにダメージを与えるなら奇襲で先制攻撃を取るか、ひたすら攻撃しまくる事だ。奇襲といってもグラーシャにはかなりのソナー、レーダーは付いているから難しいだろうけどな。


...と、これぐらいか?

「......良いわ。」私は男を放した。ここまで喋ってくれると敵意は無いだろうし、私も無駄な戦闘は避けたい。出来ればこのまま私を見逃してくれればいいのだけれど...

すると男が、「あんた、ここの国の人じゃないよな。」

「さぁ、どうかしら?」

「ちらっと仲間から聞いたんだが、あんた、"アゲハ"だろ?」

「...」「俺が捕まえられたときに、一瞬だったが見えたんだよ。蝶の刻印が入ったナイフが。」驚いた。そこまで見られていたとは。「それだけで何故私の事を"アゲハ"だと?」「ナイフと身のこなしだけだよ。ほぼ勘だよ。」だがそうだとしても、どうして今なのか私は全く分からない

「オーランド国はアーシュ国の連中に圧力をかけられてんだよ。反抗的な態度を取り続けるとアーシュ国はきっとオーランドを攻めに来るだろうからな。」私はそんなことは上層部から聞かされていなかった。諜報は、相手を知る事から始まるというのに...

それでこの男、いや、オーランド国は我々、ユーシア国に助けを求めている...と?

「なぁ、あんたがあの"アゲハ"なら頼みがある。」「助けて欲しい...と?」「そうだ。」もしこの男を回収するならば、この男を連れ、来た道を戻らなければいけない。そうするとこちらの考えを察したようで、「俺なら心配ない。一応港の人間だからな。出入りぐらいは普通に出来るぞ。」それなら心配はなさそうだ。「じゃあ、何処で落ち合えばいいかしら...」「それなら、ここから西に1km程進んだ所に広場があるからそこにしよう。」「いいわ。」男と別れ、私は物陰から出て、出口に向かった。その時、向こうから扉が開いた。「...っ!」向こうから出て来たのは敵の哨戒兵だった。哨戒兵は私を見るなり、トリガーに指をかけ、銃口を私に向けた。だが私はそれよりも素早くナイフを抜き、敵との距離を一気に詰めた。(遅いっ!)

私のナイフが敵の首筋で止まる。敵の男は、もうトリガーから指を離していた。そして私は男を気絶させ、出口へと再び向かった。「今のはちょっと危なかったわ...」あのままトリガーを引かれていたら勿論死んでいたし、もし初弾をかわせたとしても、サイレンサーが付いてなかったから、銃声で気付かれていたと思う。どちらにせよ、後から分かったことだが、あの銃にはセーフティがかかっていた。だからトリガーが引けなかったのだろうか、 人を殺す事を(人というより女を)一瞬ためらったのか。いずれにせよ、私は助かった。私としても不必要な殺しはしたくない。しばらく歩くと入って来たあのダクトにたどり着いた。「ここから西に1km...」

少し距離がある。何処かで服を調達して市民に紛れながら行った方が良さそうだ。そう思った私は港から出て少し歩いた所にあった服屋で服を買い、誰もこなさそうな所で着替えた。

これなら大丈夫そうだ。

休暇があれば、こんなところで1日を過ごしてみたいな。なんて思いながら歩いていると男が言っていた広場であろう場所に着いた。さっき歩いてきた道よりかは少し人の行き来が少ないように見えるが...逆に都合がいいだろう。

5分くらい待つと、あの男が来た。「待たせてしまっていたようで申し訳ないな。」「そうでもないわよ。さぁ、行きましょう。」また来た道を戻る。あの山道に入る事になるが...大丈夫だろう。もし敵と会ってしまったら、なんなりと言い訳をすれば向こうも何処かへ行ってくれるだろう。「そういえば、貴方の名前、聞いてなかったわね。」「ん?名を名乗る時は自分が先に名乗るんだぜ?」「あら、これは失礼、私はシエル 。シエル アレクサン。」「そうか、俺はダレン マクドネル。よろしくな。」自己紹介も終わったところで私は、HQに連絡を取る。「シエルです。本部、応答願います。」「こちらHQ問題か?」「いえ、情報を回収したのでヘリを飛ばして下さい。あと、民間人の回収の許可を。」「民間人の回収?」「そうです。潜水艦や、その他、アーシュ国についての情報を持っているとの事です。」「そうか、いいだろう。その民間人の回収を許可する。今ブラックホークを2機発進させた。30分後にヘリが到着予定だ。それまで待機せよ。」「了解しました。」ヘリが来るまで30分...その間山の中で敵に見つからないといいのだけど...少し不安を胸に来た道を戻った。20分程歩いたり走ったりして、回収ポイントに来た。幸い、敵には見つからなかったが、少し事が順調に進みすぎている気がする。また新しい不安が出来てしまった。大丈夫、後10分程待てばいいだけだ。そう心の中で自分に言い聞かせながら、10分くらい待つと、ヘリの近づく音がして来た。そのままヘリは近くに着陸し、私と男はそれに乗り込んだ。隊員は本部に連絡をとる。「こちらアルファ2、2人を回収、これより帰投する。」「......」「応答が無いぞ...」機内の空気が変わった。みんな険しい表情をした。「そんなはずは無いだろう?」他の隊員が聞く。「でも確かに応答が無いんだよ...」そしてパイロットが言う。「ガンナー、位置に付け。周囲を警戒しろ。」「「了解。」」私達が帰るのは、オーランド国から東に5km辺りに居る空母だ。同時に、アーシュ国の少し近くでもある。(まずいわね...)20分飛んだので、後少しで空母が見えてくるはずだ。パイロットが驚愕した。「おいおい、ありゃ...」そこに現れたのは攻撃を受けて炎上している私達の空母。上空には、空母からかろうじて発艦できたのか、艦載機が上がっている。「上空の戦闘機から入電!」《あの空母はもうダメかもしれない。お前らもいつ落とされるか分からんからそこから離れろ!》ガンナーが言った。「なぁ、どうするんだ!?」(まずい、これは非常にまずい。離れろと言われても何処に向えばいいのか...)その時、《メーデー!メーデー!こちらアルファ1!墜落する!》アルファ1は轟音とともに海に沈んでしまった。それと同時にガンナーが叫んだ。「猛烈な対空砲火!」「下からRPG!」 早く突破口を見つけないと私達もアルファ1と同じ道をたどることになってしまう。戦況を見るに、こちら側は押されているのだろう。《北西だ!北西に味方のヘリ空母が居るらしいぞ!そこに飛んでいけ!》「聴いたわね!飛んで!」「了解!」

ガンナーが敵に向けてミニガンをぶっぱなす。足止めぐらいにはなっているみたいだ。この隙に突破出来れば...!私達がどうなるかは、ほぼパイロットにかかっている。「あと少し...!」その時、味方のF-35が4機、私達のそばを通過した。しばらくすると、ヘリ空母が見えた。ヘリの機体に数発、機銃弾を食らったがなんとか生き延びた。「やったぞ...!」「よっしゃぁあ!」「助かった...のか...」など、色々な声が聞こえる。「ふぅ...」私は一息ついた。パイロットはヘリ空母へ着艦。揺れが無かった、と思える程の抜群の腕前で着陸してくれた。私はダレンと一緒に艦長に会いに行った。道行く隊員達に敬礼をされる。ダレンは、「有名人なんだな。」と、言っただけで後は艦長室につくまで何も言わなかった。「シエル アレクサン、入ります。」扉を開け、入った先に座っていた人物はこのヘリ空母、《アーチャー》の艦長、アレン ノーサーティ。艦長は私達を見てこう言った。「よくぞ生き延びて帰還した。しばらくはこのアーチャーで休むと良い。」と。休んでいる暇は無いのだ。早くあの事実を伝えなければいけない。「艦長のお気遣いに感謝致します。ですが、今はそれどころでは無いのです。」「ふむ、それどころでは無いとは?」「アーシュ国の新型潜水艦と秘密ドックの事です。ダレン、説明して。」ダレンは潜水艦についての事と、ドックの位置、オーランド国がユーシア国に助けを求めている事を話した。「ふむ....君、ダレンと言ったな。」「はい。」「その新型潜水艦を鹵獲、拿捕する事は可能かね?」 ....!その手があったか。だが、警備などをくぐり抜けて再びあのドックに行かなければならない。かなりのリスクを冒す事になる。ダレンは、「可能です。」とは言ったが.... どのような作戦かは、ダレンから聞くことにしよう。今は休んでいる暇は無いが、休息も確かに必要だ。今は休めるだけ休んでおこう。

じっくり寝たつもりだったが、あまり眠れなかったみたいで、時計はAM5:00ぐらいを指している。「1:00に寝たのにこれは参ったわね...」少し朝の風に当たるのも悪くないと思って、アーチャーの甲板に出た。いい感じに朝日が出ていて、太陽の光が目に染みる。

海風にたまに当たるのは悪くない。そこへダレンがやって来た。「お、奇遇だな。」「本当にそうかしら?」それを言ったあとにダレンは一言、お前らしいな。と言い、二人とも黙ったまま海と朝日を眺めていた。しばらくして、ダレンがこう言った。「7:30からブリーフィングだ、遅れるなよ。」と言って艦内に戻った。(ふふ、誰に言ってるのかしらね、30分前にでも行ってやるわよ。)7:00だ。そろそろブリーフィングルームに行かないと。そう思いながら甲板を後にした。私がブリーフィングルームに着いたのは7:10だが、もう皆は集まっていた。そのせいで、予定より少し早めにブリーフィングが始まった。

"作戦内容を説明する。"

まず、最低限の人数でオーランド国の秘密ドックに潜入する。そうだな、4人ぐらいが良いだろう。そのうち2人はシエル アクレサン大尉とダレン君だ。後の2人は...我が艦の精鋭2人を連れていかせよう。潜入した後、GSIF-107を奪取し、潜水艦でドックから離脱する。 単純かもしれないが危険だ。心して作戦にあたれ。なお、何かあった時のためにオーランド国から東に4kmのところに空母を待機させておく。この作戦は本日1025に開始する。質問はあるかね?........では以上でブリーフィングを終了する。では各自解散。


10:25....今は9:17....少し休憩してから支度しようか。そう思い、私はまた甲板に出た。甲板では、作業員がもう既にヘリとVTOLの発艦作業を進めている。果たしてこの作戦は上手く行くのだろうか。私が毎回、何かの作戦を開始する前に思うことだ。それも"あの作戦"の後からずっとだ...しかも今回の作戦は"あの作戦"に少し状況が似ている...いや、今はこの事を考えないでおこう。だが、何とも言えないモヤモヤとした嫌な予感がする...そんなことを思っていると余計に心配になってくるので私はもうそれ以上考えなかった。(たまにはこうやってゆっくりしたいものね....)

今頃お偉いさん達は同じテーブルで揉めていることだろう。事実、ユーシア国の空母が既にアーシュ国の艦艇にやられている。それをあれは我が国の艦艇では無い。と言い張るか、そこで宣戦布告をするか。どちらにせよ、戦いの場は中立国のオーランドで起こってしまうだろう。オーランドはユーシアに付きたいとダレンから聞いたが....あくまでも、オーランドのお偉いさんが中立を言い張るのなら...どの道あの潜水艦は脅威だ。

のんびりしていると時間が過ぎるのが早い。もう時間は9:52だ。(そろそろ支度しないと...)私は甲板を後にした。

(HK417とM9と後は....)あまり重装備にならない様に気を付けて、準備が出来たので、甲板に向かった。そこには、艦長が言っていた2人とダレンが居た。2人は私を見るなり敬礼して、「自分は、カイル サンダース少尉であります!今回の作戦に御一緒出来て光栄です!シエル大尉!」「ええ、こちらこそ宜しく。」「自分は空母アーチャーの艦内戦闘員、ダニエル ネイジャー少尉であります!御一緒出来て光栄です。」「ええ。さて、行きましょうか。」私達はヘリに乗り込む。ダレンは、「人気者だな。」と言ったが私はどう返していいか分からず鼻で笑った。《到着まであと3分だ。降下の準備を。》「ダレン、貴方やり方知ってる?」ダレンは困った顔をして、知らないよ。と答えた。「...カイル、手伝ってあげて。」カイル少尉は頷いて、ダレンに降下用のハーネスを付けて、降下の仕方を説明した。彼は頷き、「あ、あぁ。頑張るよ。」と言った。かなり緊張しているのが顔を見て分かるぐらい、ダレンの顔は固まっていた。するとダニエル少尉が、「大丈夫ですよ、リラックスしてください。」と言ったが、それでもダレンの顔は固まっていた。《そろそろです。ハーネスの準備は大丈夫ですか?》「全員問題無いよ」

ふぅ...っと、私は深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。(そろそろね。)1分程飛んで、パイロットはそこでホバリングした。《降下ポイントに到着!ゴーゴーゴー!》私達は一斉に降下した。パイロットにサインを送り、ヘリは飛んで行った。「さて...始めましょうか。」山から下りて、四人で港に到着する。そしてダレンのカードで秘密ドックに潜入。ここまでは順調だ。だが、高速戦闘艇と駆逐艦が3隻ずつ居なくなっている。「やはらここから出撃したのか...」ダレンは言う。そして潜水艦は....あった。グラーシャは出撃していなかったようだ。これは幸運かもしれない。だが少し上手く行き過ぎている気がするのは気のせいだろうか... 少し不安を抱きながらも、私達は作業員と警備員を上手くかわしながら潜水艦のそばまでたどり着いた。「近くで見るとデカイもんだな...」とダニエルは呟いた。ダレンは、何やらパネルをいじっている。「これで良し...っと。」すると、潜水艦までの足場が現れた。その足場を渡り、潜水艦の内部へと私達は入った。「これがグラーシャの内部か...すげぇな...」カイルは言う。私もこんな潜水艦の内部は初めてだ。この潜水艦には、射撃管制室は無く、機関室以外は全てブリッジにあるようだ。一通り艦の中を見回って、「さて、始めよう。」と言い、ダレンは機関室に行った。私は席に座り、指示をする。私が今はこの潜水艦の艦長だ。幸い、この潜水艦は色々なアシストシステムがあるらしく、最低4人で操作出来るらしいが、それでも4人という少人数では制限がかかる。ダレンは機関室担当で、ダニエルはソナー、レーダーの索敵担当、カイルは射撃管制などの担当になった。ダレンに無線で連絡をとり、潜水艦のシステムをオンラインにする。すると、メインモニターに本艦の情報が映り、サブモニターに本艦の前方の様子が映り、その他のソナーシステムなどが起動した。「おぉ...こりゃすげぇな...」ダニエルが興奮気味に呟いた。幸い、マニュアルが置いてあったので、一通りの操作は多分大丈夫だろう。「そろそろ行くよ、準備はいい?」『アイアイ艦長!』「ダレン、機関始動!」《機関始動、アイサー》機関を始動させると共に警報がドック内に鳴り響くのがサブモニターから分かる。「カイル、兵装は?」〔色んな魚雷とミサイルがあります!どれもフルに積んであります!〕「何でも良いから前の壁を吹っ飛ばして!」〔了解!〕するとカイルがパネルをいじり、魚雷を2発発射させて、前の壁を吹っ飛ばした。この潜水艦が通るには十分過ぎるくらい壁が吹っ飛び、私達はその間を抜けて行った。「ダレン、機関最大!アーチャーが居る辺りまで飛ばして!」《了解!》「ダニエル、周辺状況は?」『レーダーに反応、後ろから先程見た駆逐艦が追って来ています!』全く、指示を出すのは楽な仕事では無いようだ。「ダレン、潜行開始!深度40mまで潜って!」「カイルは後ろの駆逐艦を沈めて!」〔了解。〕『後ろの駆逐艦が撃ってきました!魚雷です!』「回避機動!カイルはあいつにトマホークを!」〔了解です!〕慌ただしいやり取りが続き、本当に暇が無い。マニュアルを見ながらも操作している皆だが、そんな物をよく短時間でおおよその事を把握できるものだな、と私は関心している。だが今は余計な事を考えてる時では無いようだ。あの魚雷は何とかかわせたが、こちらが放ったトマホークは当たらなかったようだ。状況として、2対1でこちらは不利な状況である。せめて空母までたどり着ければ...後は艦載機が何とかやってくれる筈だが...'新型潜水艦に乗っている'という点ではかなり有利かもしれないが、乗っているのは素人だから、火力と性能でギリギリ釣り合っているぐらいだろう。(でも....私達の方が上よ...!)「浮上して。」《え?り、了解しました。》「カイル、4基のミサイルハッチを開いて。」〔了解しました! ... ハッチ解放完了!〕「対艦ミサイル、発射! ダレン、潜行開始!」 ....『対艦ミサイル着弾を確認、2隻とも沈みました!』(ふぅ....)皆ため息をついた。素人が乗った潜水艦だったが、マニュアルとアシストシステムのお陰で何とかやり過ごせた。『空母アーチャーを確認、やりましたね!』やっとここまで来れたのかと思うとホッとする。 だが先に艦長に会わないと。でも会いに行く必要は無く、艦長直々にグラーシャに来た。「ほう...これがGSIF-107というのか...」艦長はしばらく艦内を見て回り、私にこう言った。

「30分前にアーシュ国が我が国に宣戦布告をしたそうだ。」

と。私達は息を呑み、黙って艦長の話を聞いた。

指揮は私がとっていたがこの艦は君に任せてもいいかね?シエル大尉。「勿論です」うむ、結構。それとさっき、私が指揮をとっていたと言ったが、君らは自由に動いてもらっても良い事になった。'戦局を見極めて行動せよ。'それが唯一の命令になる。では頼んだぞ。『了解!』

艦長は帰り、そしてアーチャーは東の方へ進んでいった。「さて...これからどうしましょうかね...」ダレンは、「この辺から南に行った所に小さな港があるから寄ってみてはどうだ?」という案が出たのでそこに行く事にした。その港は小さいらしく、この潜水艦を隠すのにちょうどいいのと、ダレンの友人が居るそうで、力になってもらえないか聞いてみたいから。という理由らしい。言い方を悪い風に変えてしまうと、民間人を戦争に巻き込むのだ。だが、司令部の連中や、信用ならないと感じた者をこの艦に入れるよりかはマシだ。それも"あの作戦"のせいで私が司令部の連中に置いている信用などない。一体私達は何を信頼すればいいというのか。私達はこれから何をするべきなのか。などと思いつつ、私達は小さな港を目指した。





ワケあり少女と潜水艦

を最後まで読んで頂き、誠に有難うございます。書いていて何度も思う、

(うーん、イマイチ...)感...そんな感じで書いておりますが、次回作も頑張って書きますので、どうか次回作をお楽しみに!

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