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ボーダー@ディベート!  作者: 塩コーフ
第一話 絶対領域
1/15

プロローグ

読者の皆様へ

この小説は、ライトノベルです。

オタク向けのマニアックなネタをテーマにしているため、万が一のためにR-15指定を掛けてあります。

また、投稿後に内容を変更することがあります。

以上をご理解の上、お読みください

 絶対領域、という言葉をご存じだろうか。


 一般人が聞いたら「なにそれ?」や「軍事用語?」などと言った回答がまず返ってくるだろう。しかし、言葉の意味を理解すれば、「あーあれのことか」と理解できる、かもしれない。曖昧な言い方をしたのは、一般人と理解しあうことができるかどうかわからなかったからだ。


 絶対領域、それはスカートとニーソックスを同時に着用したときに、間から見える太ももの露出部分のことを指すオタク用語だ。ちなみに、某アニメのなんたらフィールドも絶対領域と呼ぶらしい。

 それはいいとして、この絶対領域というのは実に奥が深い。人によって好みの領域の広さが異なることはもちろんのこと、スカートやニーソックスの色、更にはキャラクターの性格によって絶対領域の必要の有無さえも変わってしまう。

 ちなみに、私は群青色のチェック柄のスカートと黒のニーソックスの組み合わせで領域は6cmが至高であると考えている。最近ではショートパンツにニーソックスを組み合わせたものも絶対領域だと言っている輩がいるらしいが、私は断固として認めない。第一、最近は3次元が2次元を侵食しすぎているんだ。少しでも流行りそうならつけ込みやがって、だいたい……くどくどくどくど。


 「……ナベヤン、聞こえてるんだけど」

 「え? あぁ、すまない」

 どうやら、知らぬ間に口に出してしまっていたようだ。気をつけなくては。

 「てか、さっき至高だって言ってた格好、うちの制服まんまじゃん。」

 「まさか、それでうちの学校に来たんじゃないでしょうね?」

 「はははは、いやいや、まさか、そんなわけないじゃないか八重塚くん」

 「あ、笑ってごまかした。図星っぽい。てか、そのキャラ付けやめなって、前言ったじゃん。似合わないんだから。……いや、くん付けで女子生徒を呼ぶという設定はなかなか……ふふふふ」


 ……さて、八重塚がトランスモードに突入したようなので、ここら辺で説明をしよう。

 私の名前は、渡部康(わたなべやすし)。教員免許を取り、今年からこの学校、八景台(やけいだい)高校の1年2組の担任となった25歳の男性だ。

 私は普段は、教員としての威厳を出すためにあまり親しくなりすぎないように気をつけている。

 10歳も離れていない年下なんて、下手すれば弟や妹であってもおかしくない程度の差だ。なめられたらどうなるかわからないからな、何しろ初めてで正直不安だし。


 そして、さっきから馴れ馴れしく話しかけてきているのは、八重塚真宥(やえづかまひろ)、2年2組の女子生徒だ。私のことをナベヤンなどと馴れ馴れしく呼んでいる。先ほど、親しくなりすぎないように気をつけていると言ったが、こいつとは、ひょんなことがあって現在の関係に至っている。

 外見は、黒髪で髪が長く、いつも邪魔にならないように前髪をヘアピンで、後ろ髪をヘアゴムでまとめている。俗に言うポニーテールというやつだ。

 そして、小さい。全体的に、小さい。胸、身長ともに残念で、詳しいデータはプライバシーに関わる、というか私の教員人生に関わるので知ることはできないが、小学6年生くらいと大差がないんじゃなかろうか。また、こいつは妄想癖が激しく、妄想が膨らむとトランスモード(命名 俺)に突入して意識がどこかへ行ってしまうという困った癖がある。私も似たようなものだが。


 そんな外見だけは似ても似つかない私たち二人にはある共通点がある。まず一つ、二人ともオタクだということだ。オタクといっても様々な種類のオタクがいるため、話が合わない相手も当然いるわけだが、八重塚と私は偶然似たような趣味を持っていたため意気投合してしまったわけだ。そして、その結果生まれてしまった共通点が今から話す、というより、今まさに活動中である、この同好会に所属しているという点だ。


 異文化共感同好会。人々は、身も蓋もなく、変人同好会と呼ぶ。


 

 

 

 


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