表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/19

ドラウプニルの腕輪

 

「なあ、いいじゃないか」

 ふたりで建てた家の中で、ハルカは抱きついてくるチュールを拒んでいる最中であった。

「イヤだって言ってるでしょ。今日だけはイヤなの〜」

「そんな、つれないこというなよぉ」

「今日だけはイヤ・・・・・・」

 

 チュール、誰かとキャラが一緒じゃないか!;

 

「おじゃまするよ」

 そこへ突然の訪問者。

 客の正体は、

「オーディン!」

 であった。

「久しいな、チュール。ハルカとは初めて会うが、初めてじゃないんだなこれが」

 といきなり謎かけを始めるオーディン。

「オーディン・・・・・・ラグナロクの選定者・・・・・・」

 ハルカはおぞましいというか、根暗で貧乏くさいオーディンの姿に、吹き出しそうなのをこらえる。

「俺を貧乏くさいと抜かすか、小娘・・・・・・」

 立派な鎧と宝石を下げたグングニルをもっているのに、とオーディンはわなわな。

    

「それはまあいい。チュール、子供が産まれたんだってな」

「ありがとうございます」

 赤ん坊をのぞき込んだオーディン、赤ん坊の手を握っていた。

 よく見ると子供らはふたりいて、そっくりな顔立ちをしている。

「双子か」

「そうです」

「して、名前は?」

 チュールとハルカは顔を見合わせて、苦笑い。

「なんだ。決めてないのか。しょうのない」

「すいません、立て込んでいたもので」

 オーディンは携帯用の酒を飲みながら、さっそく上機嫌で言った。

「リッツのことか。あの若造なら当分こねえよ。俺がイヤってほど叩きのめしたから」

「・・・・・・それはまた、どうも、ありがとう・・・・・・」

 チュールはなぜか引きつった笑みを浮かべる。

「名前だが、俺がつけてしまってかまわないのかな」

「ああ、どうぞどうぞ」

「男の子には、ロッド・ファーヴニル、女の子には、メグ・スラシルというのはどうかな」

 いい名前、とハルカもつぶやいた。

 なので名前も決まり、オーディンは祝いの杯をあけ、三人は暖かなランプの明かりで食卓を囲む。

   

「双子らにお祝いだ。このドラウプニルの腕輪をあげよう」

 オーディンが取り出したのは、黄金の腕輪。

 腕輪の周囲に美しい宝石がちりばめられていたが、ところどころ宝石の数が抜け落ちていた。

「九日に一度、宝石が落ちる。アールヴたちの創った不良品だよ;」

「不良品なんて贈らないでよっ。けちな人ね!」

 ハルカの気の強さに、オーディンもさすがに絶句していた。

「け、け、けちだと;」

「そーよ、どうせヴァルハラの城も金メッキでできてるんじゃないの?」

 ぐさぁ!

 痛いところをつかれて、ガックリ膝を折るオーディン。

「ハルカ、言い過ぎだよ・・・・・・」

「金メッキとなぜわかった・・・・・・;」

「まあまあ。ドラウプニルの腕輪はね。願い事を叶えると役目を終えて、宝石を落とすんだよ」

 オーディンの言葉に気づかないのか、つっこまないままチュールは続けた。

「使っている素材は最高のものと言ってはいるが、妖精は人を騙すからね;」

「なるほど」

 ハルカは酒が回って眠いので、先に寝ると寝室に引っ込んだ。

「じゃじゃ馬!;」

 オーディンは女好きだったが、ハルカにだけは手をつけまいと決意する。

「あれでいいところもあるから」

 チュールは頭をかいた。

「照れて笑えるような性格じゃねえぞ、ありゃ」

 チュールの幸せそうな笑みが気に入らず、オーディンは酒をがぶ飲みした。  

オーディンのキャラがまったく違うぞ^^;

どうしてしまったんだ!? 汗

いつもの下品でスケベなおっちゃんや ないんかぃ!?

真面目モード入ってるし_| ̄|○

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ