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助けてくれる人は隣にいる

僕が生まれて1年後。

僕と父と母の3人は、少しだけ広い1LDKのアパートで暮らしていた。

聞けば、僕が生まれる前までは1Kの狭い部屋に2人で住んでいたらしい。

両親にとっては、小さな“ステップアップ”だったのだと思う。


引っ越してすぐ、母がお隣さんへ挨拶に行った。

そこには、子どもが何人もいる賑やかな大家族が住んでいて、子育てにも慣れている様子だった。


「なんでも私に言ってね。いつでも助けるから」


そう言って微笑むお隣さんに、母は緊張がほぐれたように頷いた。

その母の顔が、僕にはとても嬉しそうに見えて、子どもながらに胸が温かくなったのを覚えている。



僕の父は営業マン、母は事務員。

共働きで、帰りはいつも遅かった。

家族で一緒にいられる時間は、夜23時以降か、せいぜい日曜日だけ。


その間、僕の面倒を見てくれたのは

お隣さんと、母方・父方の祖父母たちだった。


みんな僕を本当に可愛がってくれた。

ご飯を食べさせてくれ、遊んでくれて、時には叱ってくれた。


誰もいない部屋に帰ることの多い僕の、

その心細さを埋めてくれたのは、彼らの温かい手だった。


「ずっとこうだ」と思っていた。

ずっと続くものだと、信じていた。


まさか、あの優しさの裏に

少しずつ深まっていく“溝”があるだなんて、

あの頃の僕は知る由もなかった――。

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