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彼との彩食  作者: 日戸 暁
第1章 出会いの冬
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【家のカレーというもの 料理番の呟き】


奴と知り合って、まだ一ヶ月も経っていないある夜。

 雪の晩以降、奴はちょくちょく連絡を寄越すしついでに泊まっていく。そういう日は腹を決めて二人分の夕飯を作るのだが、正直まだ慣れない。




今日はまだ連絡がないが、来るのか?

早く連絡がほしい。献立が決まらない。

よし、今日は簡単にカレーにしよう。

最近食ってないし。

余っても冷凍して後日食えるし。

というか、奴はいつまでうちに来続ける気だ。


そう思っていたのだが。

「わ、手作りカレー?しかもビーフ?すげえ、ご馳走じゃん」

奴の喜びように驚いた。

訊けば、奴の家ではカレーはいつもレトルトのチキンカレーと決まっていたそうだ。

そのレトルトがビーフカレーになることも、そもそも母親の手作りの飯自体、稀だったと。


確かに家でも、俺でも、滅多にビーフカレーは仕込まないけれど。カレーほど楽な手料理もない気がする。


手作りビーフカレーを、あまりに彼が旨そうに食うので。

「俺の作る飯でいいなら、たまに食いに来いよ」

そう言ってしまった。



今思えば余計な一言だった。



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