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彼との彩食  作者: 日戸 暁
第1章 出会いの冬
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2泊めホスピタル


あれから数日後の、残業中。

どうにも怠い。咳もしょっちゅう出る。

空腹だが、食欲が沸いてこない。それより、少しでも早く帰りたい。だのに。

電車がまた不通。悪天候で折り返し運転。

会社の最寄りから7駅、他社線の乗り入れ駅までしか動かないのか。

俺の家は乗り入れ駅からまだだいぶ向こうだ。


迷った挙げ句、彼に電話を掛けた。都合が悪くなければ、一晩泊めてもらえないか聞くつもりで。

「こんばんわ。あのさ、今日、」

言いかけて俺がごほごほ咳き込むと。

「大体判ったから、泊まりに来い。さっさとな」とだけ彼は言い、一方的に通話が切られた。


ぶっきらぼうながら、向こうから泊まるよう言ってくれたのだ。それに甘える。

ふらふらしながら彼の家にたどり着く。

「すまん」

「熱測ってさっさと寝とけ」

挨拶もそこそこに、彼は居間の方へ、俺は先日の寝室に引っ込んだ。


 また、寝巻きなど一式きちんと畳まれて置いてあった。

除菌シートと体温計、水のペットボトルもベッドサイドにちょんと置かれてある。なんと用意周到な。

体温を測ると37.7℃の嫌な熱。


「意外に熱高いな。食えるか?」

と出されたのは、小鉢に半熟卵、椀に薄い出汁、深鉢に梅干しの白粥。

パーフェクトな病人食。

量は少な目で、俺の体調でも完食できた。

何より、どれも味が美味しくて、疲れも風邪も吹き飛んだ。



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