七十四話脱出できました
「それじゃあ出よう」
「ばきっ、出よう」
「……」
えりちゃんが最強の鉄格子を片手で折っちゃった
これ時間かけたら自力でも……それまでにバレるか。
俺とえりちゃんは刑務所内を手を繋ぎ走った。
なぜか見張りがゼロだ! それでなぜか揺れる刑務所、それと揺れないえりちゃんの絶壁
出口はすぐそこ、今度こそ、今度こそ脱出だーーー!!
「……」
出られたはいいものの、なんだこれ……
「言いたいことはわかる、でも私もわからん」
見覚えのあるアーマーギアがたくさん、見覚えのあるゴブリンの軍勢、見覚えのないスライムの軍勢、見覚えのある土偶、見覚えのある海獣三体、そして見覚えのあるドラゴンが空中を旋回している異様な状況
あいつらなにしてんねん!
しかもあの五人だけじゃないよな、楽園もいるよな、こんだけのゴブリン出せんのあいつだけやと女神が言ってたしな、まあ女神も作れるけどさ。
「もうヘイアン帰る?」
「いやーー、俺の武器がなーー」
なくなってんよなーー、武器ゼロなんすよねーー、来る前よりひどいからなーー
とにかく魔王の杖を取り戻したい、あれは強いしな、でも魔神の弓は正直いらん、唯一無二だが代用はできるし
それと武器以下のあの二つも別にいいけどう○こ杖は痛いよな、見た目はクソやけどアタッチメント付け替えできるからとても有能、大事なことやからもう一回言うけど見た目はクソです。
「私はどこでもついてくで」
「ありがとうえりちゃん」
俺は武器を必ず取り戻してみせる!!
「その前にあれどうにかしよか」
「それもそうやな、えりちゃんよろしく」
「はいよっ【深淵大穴】!」
えりちゃんの攻撃でスライムとゴブリンが壊滅、意外と脆かった土偶も撃破、海獣は無傷だ。
ドラゴンがこちらに向かってくる。
「【魔「ストープっ!」どうしたん、ドラゴンやで!」
「あれテイマー乗ってる」
「ホンマや【魔「ストープっ!」どうしたん?」
「どうしたんじゃない、まずは対話よ」
話してる最中にテイマーの黒いドラゴンが着陸した。えりちゃんは顔バレしているので隠れた。
「お前脱出してたんか、お前を助けに来たのに」
「へ!?」
この人らは俺のおかげで釈放させたと勘違いしているようだ、お前らが殴ってきたんやから自力だぞ。
「とりあえず撤退させてくるわ」
テイマーはドラゴンに乗ってどこかにとんでいった。
「えっと、なにしたん?」
「あーー、えりちゃんはわからんか」
えりちゃんにこれまであったことを全て……ほとんど……いやほぼほぼ話した。
「よかった、ゆうたが寸胴食べたわけじゃなくて」
「そこ!?」
「でもスライムは食べたんやろ?」
まーたスライムネタか、最近う○こネタばっかやったしな、まあいいでしょう。
「スライムとう○こと毒キノコは食べたけど」
やっぱこいつ頭おかしいな……自分やけど
「そこにスライムおるで、食べる?」
「食べません」
あんなまずいもん食べられるか!
「修行した今の私やったらおいしく料理できる自信あるけどどうする?」
えりちゃんよ、さすがにあのまずさは緩和できぬぞ
「それよりえりちゃんはなにしてたん?」
とりあえず話を変える、スライムのことを忘れろーーー!!
「私はまず三分捕まって釈放された」
「三分!? 俺千年やったで」
「まあそういうこともあるやん」
「あるかーー」
まあえりちゃんかわいいしな……
「ってなんかされてへんよな?」
「されてへん、首輪もされへんかったしすぐ釈放されたし」
「ならよかった」
「鹿? 大仏?」
「奈良じゃねーよ、じゃなくてその後よ」
「その後ある部屋に案内されてん」
「え……」
もしかしてえりちゃん、なにかされたことに気づいてない?
「美味しい料理を振る舞われてん」
その中に睡眠薬を……
「あまりにおいしかったからシェフを呼び出してん」
「お?」
なんか風向きが変わった。
「そしたらバネットさんが来たんや、それでゆうたに美味しい料理作るために弟子入りしてん」
急展開というかあの料理作ったんバネットさんか、誰やっけ? 聞き覚えがミリあるような?
「えりちゃん、バネットさんって?」
「ガネットさんの偽物、ゆうたがタンバダンジョンから出てきたときに一緒に出てきた人」
「あーー、あのおっさんかーー」
ごめん、あの時滝汗のことで頭がいっぱいやったからあんま覚えてないんよなーー、まあ獣人のおっさんってことだけは覚えてる。
「それよりスライム!」
「……」
話が終わっても俺じゃないから覚えてたかーー
俺はスライムのこと忘れてたーー
「あーあ、話してたらスライム消えちゃったやん」
セーーーーーーフ!!
俺はスライムを食べなくて済んだ。
そのときドラゴンが再びとんできた、今度は六人いるな。
「【魔「ストープっ!」間違えたわ」
怖い怖い、もう敵じゃないよ元敵やけど
「お前は魔王! それでこの構図、お前ゆうたか!?」
あーー、ばれちゃったかーー
「えりちゃんやっちゃえ」
「【魔「ちょっと待て待て、敵対の意思はない」」
「それで俺ら帝国に謝りに行くんだがお前らもいくか?」
なんなんだその質問は?
「誰に謝るん?」
「皇帝」
そんなんいんのか、あれ? なんか前に誰かから聞いた気が
「それやったらなんか持っていかんと」
「確かにそうですね、土偶はどうでしょうか?」
お前……ホンマに土偶大好きやな、顔も土偶やけど
「そんな邪魔なもん持ってったら迷惑がられるわ」
えりちゃんそれ地雷
「いやいや土偶って最高っすねーー、この気持ち悪いフォルム」
それを俺がカバーするぞ
「気持ち悪いフォルムですか、はいそうですか!!」
「【血界】」
「アカンぞ! 土偶くんに本当のこと言ったら」
「えりちゃんがすいません」
「お前だーー!」
ミイラ男から血が、そして倒れちゃった、まあしゃーない、土偶顔は結界の中で暴れてるがほっとこう。
「うーん、なにがいいかなーー?」
えりちゃん、反省しようねーー
昔からこうやったよなー、えりちゃんが地雷踏んだら俺がカバーして俺がやられる、いつものだ。
まあ今回は結界のおかげで俺は無事だ、やられてたらまずかった、だって首輪のせいで自動再生も使えなくなってるからね。
「かっこいい俺はどうだ?」
石化さん、それはないわーー
「却下、ゆうたのほうがかっこいい」
えりちゃん、俺のどこがかっこいいのか聞かせてもらおうか。
「そんなやつより俺のほうがかっこいいぞ、ほら」
気持ち悪い、確かに顔はイケメンなんだが動きが……
「キモい」
俺も同意見です。
「じゃあゴブリンの軍勢かスライムの軍勢どちらが」
「スライム!!」
えりちゃん……
「いやゴブリンかも?」
おっとえりちゃんの中でなにかが戦ってる……
「魔物なんて渡されて誰が喜ぶねん」
お前は喜ぶだろ、テイマーやし
「あっ、そうか私がもらうんじゃなかった」
えりちゃん、なにも考えずスライムとゴブリンだけに反応しないでね、あとゴブリンもらってなにすんの?
「なあ、俺に提案がある」
ずっと一人で考えていたとんがり頭が手を上げた。
「アーマーギアで作ったう○こアーマーギアはどうだろうか?」
「「却下!!」」
ということでえりちゃんの料理を振る舞うことになった。
えりちゃんは普段は頭がいいですが適当モードになると適当になります、そういう設定です。




