七十一話帝国到着即逮捕
「すぅーすぅー」
えりちゃんが俺の腕を枕にして寝ている、かわいい、そんなえりちゃんを見ていると幸せな気分になって眠たく
ってあぶねっ、居眠り運転は駄目でぇーす。
現在夜中(?時)帝国のある南に向けて魔王スキルで飛行中、朝になるとえりちゃんと役割を交代する予定、それまではえりちゃんに快適な旅を提供せねばならない。
「すぅーすぅー」
えりちゃんの寝顔は俺が守る。
朝日が見えてきた、ちょうど降りられそうな場所があったので着地した。
「んーー、着いた?」
えりちゃんが起きた、よく寝られたようだ、すごいですね。
「まだやで」
「じゃあ交代やな、はい」
両手を広げてきた、俺をどう運ぶつもりなんや?
俺のほうが十センチくらい身長高いんやぞ
「どうやるん?」
「こう?」
後ろ向けに運ばれるのはなんか嫌なので、えりちゃんに脇を抱えられ足でホールドされる形になった。
「ゆうた! 寝ていいで!」
空中でものすごくふらついてるし声も限界そうだが大丈夫か? これじゃあ寝るに寝られない。
「えりちゃん……さすがに寝れん」
俺は寝るのが得意だ、普段は数秒で寝てしまうがこの状況ではさすがの俺でも……すやすや
「重っ!!」
寝た。
「ゆうたーー!! 見えたでーー!!」
えりちゃんの声で俺は目覚めた。
どうやらそこそこ寝られたようだ、えりちゃんはふらふらしているが俺を落とさなかったようだ。
ありがとうえりちゃん
落とされるのも覚悟していたがそうならなくてよかった。まあ落とされたとしてもえりちゃんだから許すぞ。
そして謎の魔眼持ちのえりちゃんにはなにが見えてるのか? 俺には山と森しか見えない、いやあれか? 森やのに地平線が見えるような?
「あれ?」
「たぶんあれ帝国の壁」
というか起こすのが早い、完全に見えてからでもよかったんだがな
「とうちゃーく、あっ!!」
「うぎゃーーー!!」
帝国の上空についたと思ったら落とされた、まあえりちゃんだから許すんですけどねーーー!!
「ヒューーードンッ!!」「「ぎゃーーー!」」
俺は街中の地面に大穴を空けた、でも人にはぶつからなかったのでまあ大丈夫でしょう。
「ゆうたごめん! 大丈夫?」
「大丈夫やで」
えりちゃんがすぐにやってきた。
「ガチャン」
「「!?」」
いつの間にか帝国の兵士に囲まれていたし手錠をはめられた、なぜに!? あまりにも速すぎない?
「お前たちは落下罪および不法侵入罪とか地面破壊罪とかなんやらかんやらで緊急逮捕だ」
「「え!?」」
なんやらかんやらで俺とえりちゃんは捕まってしまった。
俺は牢屋の中で一人ぼっち
布団が四つあるのでここは四人部屋か……
でも一人やし実質独房よな。
俺の懲役は千年だそうです、あまりに適当すぎる裁判でした。いや永遠に出られねーじゃねーか、まあさすがに出られるギミックは用意されているであろう、女神のことやしな。
それと魔法封じの首輪をされているので魔法が使えない、というかそれまで使えたんや、ふんなら波に……勝てんな……
久しぶりに首輪をされている、ハー勇世界でされた首輪はいつの間にか紛失していたな、一ヶ月経ったら即はずれるやつやったからかな? でもまだそんな経ってない気が……
気のせいか、って呼んでないから来んなよ!
今されてるやつはそういうのじゃないっぽいな
普通にカギつきやし
あと全身オレンジの囚人服だ、これどっかの国のやつやな、東南アジアのどこやっけ?
まあここ異世界やし関係ないけど
それでこの金う○この置物はなんなんだ……
「おい囚人、飯だぞーー」
昼飯の時間か、どんなしょっぼいまっずいものが渡されるのやら?
「多っ!!」
特盛チャーハンに味噌スープ(寸胴ごと)にピッザ三枚、組み合わせがおかしいのより量が気になる。
「囚人の数が少ない分多く働いてもらわねばならんからその分の食事だ」
昼飯を持ってきた人は戻っていった、食べきれない分はアイテム倉庫に放り込む、食べる分は食べるぞ。
まずは炒飯を一口
「うまっ……」
パラッパラやしプロの味だ、こんなん囚人に出していい食事ではない。
次は味噌汁を一飲み
「うまっ……」
塩気がちょうどいい、そしてなにより豆腐がしみしみでうまい、最後にピザを一口、は食べない。
だって合わないし
というかこの料理作った人器用値カンストしてない? それくらいうまいぞ
女神の最高の食材でいつか料理してもらいたい……
「……」
ちょっと待て、さっきあの人働いてもらわねばならんって言ってたような……
嫌な予感がする……って駄目や、俺の嫌な予感がよく当たるってえりちゃんがよく言ってたな、でも嫌な予感がする。
チラリ……金う○こが輝いている。
「おい囚人、仕事の時間だ、行くぞ」
どこかわからない場所に連れてこられた。
あのなんやろ、アーマーギアの残骸が転がっていることだけわかる、というか部屋が機械で埋められていて原型を留めていない謎な部屋だ、とにかく足場が悪い
「ではこの図を見てアーマーギアを組み立ててもらう、囚人の先輩に教えてもらうといい、おーい新人だぞーー!」
おーー、ってなんやこの適当な図は!? こんなクソ図じゃ永遠に組み立てられないぞ!
そしてここには帝国中の囚人が集まっているらしいが、なんか見覚えのある顔しかいないけど。
「アーマーギアの組み立てかたはこうだ、見て覚えろ」
組み立てかたはわかったんだが、なに帝国でも捕まってんの元邪神教団のメンバーの人たち……
一方えりちゃんは?
どうやら食堂にいるようですね
ふぅ~ん、焼きそばパンのいい香りがしますね~
「おいひ~、シェフを呼んでください!」
「わかりました、シェフー!!シェフー!!」
えりちゃんは食事があまりにおいしく思わずシェフを呼び出した。
「おう、シェフおっ、魔王ではないか!?」
「えっとガネットさんでしたっけ?」
「バネットだ」
このおっさんはアスカで解体をゆうたに教えられなかった人ではなく、タンバで死神に即さよならされたほうのおっさんだ、呪われた薬草を持って帰るのを忘れて助かった人でもある。
「あの、私に料理を教えてください!!」
「いいだろう」
えりちゃんはバネットさんの弟子になった。
美味しい料理でゆうたのことを忘れたわけではなくゆうたなら自力でなんとかできるだろうと思って信じているからだ、その間に料理の腕を上げてもっとゆうたに好かれようとしているのだ。
え? えりちゃんは捕まってないかって? 懲役三分でしたよ。
男に厳しく女に優しい帝国裁判所の判決ですよ。
不服は申し付けられません。
「ゆうた! 胃袋洗って待っててや!」




