四十九話全て思い出した
「生き返れ!」
ゆうたがドラゴンに追いかけられている頃、滝汗と気のせいはタンバにいる仲間の波と死神を復活させていた、ついでに狐たちもね。
あとあの二人もいる。
「ここはタンバやんな? 俺らタンゴで知らん集団に遭遇して戦闘なったところまで覚えとるんやけど君らなんか知らん?」
『えっと~石化していたところを魔王さんに運ばれて──』
この変な人はゆうたの父親、勇者だ。
ついさっき石化が解けたようだ、隣にゆうたの母親の聖女もいるぞ。
「そうか、ということは俺らの出番ってこっちゃな!」
『はい、そうです!』
みんなにドラゴン退治の協力を頼むと狐親子以外は引き受けた。転移するため気のせいは緑色に輝く石をおしりの中から取り出した、みんな準備はできているぞ。
『【てんいせきーーー!!】』
七人とアーマーギアはタンバから転移した。
俺はゆうた、今はドラゴンに追いかけられながら女神と通話してます、いやーー、通話機能欲しかったからなーー、と思ってたらビデオ通話が実装された……
『ゆうた! 援軍が来たぞ!』
「やっとですか、陸に向かえばいいんですか?」
『そうじゃ、おぬしの父親の勇者が大活躍するはずじゃぞ』
「いらねーー、でも助けてくれるのはありがたいな、行きます」
見えた!! アーマーギアと金色のが
『そのまま勇者の上を通過するんじゃ、技が発動するかは勇者次第じゃが』
なんだそりゃ、それでとーちゃんの変な声が聞こえる。
「【黄金の光】ひゃ~!!」
これは虫を退治するときの声だ、俺のとーちゃんは大の虫嫌い、もしかしてドラゴンのことが虫に見えてます?
まあ俺にもそう見えるけど
その直後黄金の光で一瞬視界が奪われた、あれがとーちゃんの技か
視界が戻り後ろへ振り向くとドラゴンがキレイさっぱりいなくなっていた。
さすがとーちゃん……
『勇者の今の技は黄金の光、虫だと思ったものが消える勇者専用の技じゃ』
チートだ、虫に対して、これがあっちの世界で使えたなら、ただの環境破壊か、というかこの世界で虫を見た覚えがないし鳥も見た覚えがない、どうなってんの?
ってドラゴン倒してもらえたし戻りますか。
とーちゃんと、かーちゃんが動いてる……
しかも若いな、いやまだ十分若かったけど
二人ともちゃんと転生したんやな、女神ありがとう。
「おうゆうた、あっ!! 今思い出した、えりちゃんや」
「あっ!!」
俺はとーちゃんの一言で忘れていたこと全てを思い出した……
えりちゃんという存在を、あの日失った存在を……
えりちゃん(本名)は近所に住んでいた同級生の女の子、俺の幼なじみだ。家族間では関わりがなかったため、初めて会ったのは小学生のときだ。
今でもあのときのことを鮮明に覚えている。
「えりちゃんさん」
先生は女子生徒にはさん付けしなければならなかった、しかも名字が被ってたから下の名前で呼ぶしかなかった。
もちろんクソガキ共が騒いだ、それによりえりちゃんは下を向いてしまった。
えりちゃんのすぐ隣の席だった俺はクソガキが嫌いだったのでフォローに入った。今思えばクソキモい
「ちゃん付け合法やし最高やのにな」
確かこんな感じなことを言った覚えがある、そしたらえりちゃんが笑った。
「意味わからんw」
確かに意味わからん、でもこれからよく絡んでくるようになった、俺はこのときの笑顔で好きになったんだと思う。
「ゆうた! 教科書落書きさして!」
あとちょっと絡み方が変だったような気がするけどそれもまたえりちゃんの味だ、これがいい
でも年齢を重ねるごとに少し距離が生まれた、中学に入るとゲームのことを語り合うだけになった。うん、近いな
高校生になっても関係はあまり変わらなかった、周りには彼氏持ち彼女持ちが増えたけれど俺たちはそういう関係にならなかった、でもなんか家に来てたな……
それからえりちゃんは少し遠くの大学に行きツキイチしか会えなくなった、俺もその大学を受けたんだが勉強せずゲームだけしていたやつでは無理だった。
実は併願も全落ちした、次の年は受ける気力さえ起きなかったため結果ニートになった、まあ親にお金があったので生活はできた、全部親が宝くじで当てたものだが
そんな生活もある日を境に変わってしまった。
俺のとーちゃんとかーちゃんが死んだ。
近所の滝に車ごと落下したのだ、あの日のことは鮮明に覚えている、いつも通りゲームしていると家の電話が数回鳴った、まあいつも通り無視した。しばらくするとえりちゃんが来た、そこで知らされたのだ。
嘘だと思った、だけど遺体を確認して……
それから数日はよく覚えていない、だけど毎日えりちゃんがいたようなする。
二人が死んでから一週間、えりちゃんき気晴らしだと花火大会に連れて行かれた。
二人とも人が多いところがあまり好きではないので花火がよく見える隠しスポットに行った、そこで
「私な、ずっと前からゆうたのこと好きやった」
「知ってる……」
「ゆうたとずっと一緒にいたい、離れたくない」
「えりちゃん……ありがとう……」
「ゆうた、結婚しよ、ちゅっ」
この日俺の中に希望が生まれた、俺の人生史上最高の一日だった、夜はすぐ寝ちゃったけど。
でも幸福な時間はそれだけだった。
「大学行ってくるわ、勘違いすんなよ~ゆうたを養うためにお金の稼ぎかた学びに行くんやからな~」
「わかってる、いってら」
「そのまえに、ちゅっ、夕方には帰ってくるしな~」
これが最期に聞いた言葉だった。
このあとすぐにえりちゃんから電話がきた……
えりちゃんが滝から落ちて死んだ報告だった。
最初は信じなかった、えりちゃんが死ぬわけない、俺とずっと一緒にいるって言ってくれたえりちゃんが死ぬわけがない!
だがすぐにえりちゃんの両親とえりちゃんの元に向かった。
えりちゃんは冷たくなっていた……
俺は強がりその場では泣かなかったが
家に帰り泣いた、家の中を暴れまわった。
ゲームも家電も思い出もみんなみんな壊した。
腹が減ったら食べ物を食べてしまう自分が憎かった。
えりちゃんはなにも食べられないのに!
何日か経って食料が尽きたので裏山に行った。毒キノコが生えていた、死にたかったのでそのまま食べた。苦しかった、心も体も全部が苦しかった。けれどもキノコじゃ死ねなかった。
どうせ死ぬならえりちゃんのところに行こう、と思いあの滝へ向かって歩いた、そして飛び降りた。
それで俺は死んだのだ。
『違うぞ、おぬしは死んでない』
『はい! 私がゆうたさんを守りました』
それも思い出した、俺は気のせいに守られ死なず絶望したまま女神空間に到着したこと、女神とえりちゃんを間違えて女神に抱きついたことも……
それでなんやかんやあって……そんなことより
「えりちゃんずっと会いたかったーー!!」
「あっ!!」
俺はえりちゃん(魔王様)に抱きついた。
「ぬわーーー!!」
「え……」
なぜかえりちゃんに逃げられてしまった……
「えりちゃん……」
えりちゃんは空に消えていった。
『あれは嫌われたわけじゃないと思うぞ、たぶん照れて恥ずかしくなっただけじゃ』
「ははっ、そうならいいんですけどね……」
『ドンマイです』
ものすごくショックだ、せっかくこうして会えたわけやのに逃げるなんて……
『えっと、気晴らしに異世界に行かぬか? ちょうど頼みがあるし……』
「よろしくお願いします……」
『案外あっさりじゃな、まあ逃避行にちょうどいい世界じゃと思うし行ってくるのじゃ』
「いってきます……」
俺は再び異世界に送られた、面白いゲームの世界でなんとか気を取り直したいものだ……
『それで私たちの記憶はなぜ戻ったのですか?』
『あーー、それはまずゆうたと勇者とえりちゃんが同時に会うと勇者がえりちゃんの名前を思い出す、するとゆうたがえりちゃんを思い出す、そしてゆうたのえりちゃんと呼ぶ声でえりちゃんが思い出すようにあらかじめ仕組んで置いたんじゃ、えりちゃんの案でな』
『じゃあ私はなにに反応して思い出したのですか?』
『えりちゃんじゃ』
『おもしろくないですね~、せめてう○こにしてもらいたかったですよ~』
『それじゃあすぐ言うから意味ないじゃろ』
『あっ……』
メインヒロインはえりちゃんです!




