新四十六話ワンパンカンタンワイバーン
真実を知れたかどうか聞かれると知れなかったことになる、だが俺は満足している
俺と魔王様は本当の幼なじみだとさ、パラレルワールドのでもないそう、それでその記憶が消えている理由はどうしても話せないとか、まあなんかあるんでしょうねー色々と……
でも魔王様の想い人が俺だったということがわかって俺は大満足だ
それに加え俺のスキルが増えた理由も教えてもらえた
原因はこいつだ、ガチャン
「捕まった!」
ゆうた15歳
職業〈魔王軍幹部〉
HP 100%
力 100%
防御 100%
知力 100%
器用 10%
俊敏 100%
MP 100%
状態 通常
スキル【弱体化】【爆散】【ヘイト管理】【みかんの力】【魔王】【エア操作】【爆裂】【飛翔】【忍者】
属性 全
この鎖でつなぐと俺に相手のスキルがコピーされるというチートアイテムのおかげでした
だから魔王様の魔王スキル、ライダーのエア操作スキル、爆裂の爆裂スキルをゲットしていたのだ、それでしのぶと滝汗からもスキルをいただいたぞ
というか魔王スキルだけでとべるのに飛翔スキル……被っとるよ
『ゆうたさん、私にも繋いでください』
「いいん?」
『いいですよ』
気のせいは元の姿に戻っている、というか気のせいのスキルってなんやろう?
「というかちっちゃすぎて繋げへんが」
お腹に繋いでもすり抜けそうな大きさだ
『あー実は私大きくなれるんですよ』
「じゃあ大きくなってや」
『わかりました』
「ぼんっ」
「でっっっっっっか、ってちゃうわーーー!!」
小さい気のせいの胸だけが巨大化した、ほぼ胸なのでただの化けもんだ
『いいノリツッコミですね、気のせいポイントあげちゃいます』
「やったー、ってそれなんやねん」
『そんなことよりつなぎましょうよ、ガチャン』
「セルフですんのかい」
「カチャ」
「はずすのはやっ」
『ステータス見ないんですか?』
「見るからはやいわ」
スキルの欄に【浮遊】が追加されていた、またとぶやつだ
『またとぶやつとは、長距離移動は飛翔スキル、垂直移動は浮遊スキル、高速移動は忍者スキルが、全体的に安定している魔王スキル、という風に使い分けができるようになっておるんじゃ、あとエア操作でもとぶことができるぞ』
女神さん分かりにくい解説ありがとうございます
飛翔スキルは飛行機、浮遊スキルはエレベーター
魔王スキルが新幹線ってイメージで大丈夫やんな
あとはまあええか
『それでおぬしらに頼みがある、アワジダンジョンへ行ってきてほしい』
「またバグ探しですか?」
『そうじゃ、あとゆうたにはこれを渡しておく』
「ありがとうございます」
例が汚い本だ、次こそは失わないように気をつけないと
「まあどっちみち行く予定じゃったがな」
それで魔王様の不調も治ったのでガンガン魔法が使えるようになったとか
「せっしゃも行くでござるよ」
『それじゃあ送っていこう、あっ、忘れてたのじゃ、滝汗、おぬしは別メニューじゃ』
「ええー!?」
俺たちはアワジダンジョンにやってきた、滝汗以外はね
それでここのダンジョンは一直線形で青空が見える
とにかく真っ直ぐ進めばゴールっていうことだ
「それじゃあマッハで攻略しよう」
俺たちはみんなとべるので速い
「待ってほしいでござるーーー!!」
そんなことなかった、一人遅い
「はあ……はあ……ずっととび続けられるなんてズルいでござるよー」
「よく頑張ったのじゃ、だから最初のワイバーンを譲ってあげるのじゃ、いいじゃろ?」
俺と気のせいは頷いた
「じゃあやるでござる【火遁「ストップじゃ!」」
魔王様がしのぶを止めた
「なんで止めるのでござるか!?」
「森じゃぞ、木が燃えるぞ」
このダンジョンには緑が生い茂っている、火遁の術を使ったらすっげー燃えるはず
「でもこれ以外できないでござるよ」
「おいおい忍者やねんからクナイとか手裏剣とかないんか?」
「残念ながらないでござる」
嘘でしょー、それ忍者じゃなくて笑う
「でもまきびしは撒けるでござるよ」
いらねえ……ワイバーンとんでるし、というか向かってきた
「【弱体化】とりゃー、あっ!?ドン……」
アスカ丸と魔王の杖を間違えた……というかワイバーンを倒せたんだが、杖(物理)でよ……
『ワイバーンをワンパン……ワンパンワイバーンですね』
「いやいや、簡単にワンパンしたんじゃからワンパン簡単ワイバーンじゃ、こっちのほうが語呂がいいじゃろ」
『ワンパンカンタンワイバーン、いいですね、採用です』
二人はなんの話してんだか、俺は魔核をアイテム倉庫にポーイっとな、そういやこれいるんやったな
「それよりせっしゃはなにをしたら……」
「とりあえずこれあげるわ、使わんし」
杖があるのでいらない魔法弓をあげた
「ありがとうでござる、さっそく試しうちするでござる」
しのぶは弓を構えた、なんか構えがプロだ……
そしてワイバーンに燃え盛る矢を放った
「どかーーーん!」
ワイバーンは空中で燃え尽きた
「これは……ワイバーン消滅……」
『うーん、思いつきませんねー』
考えなくていい……というかワイバーンが弱すぎるのが問題ありだ、バグというよりゲームバランスが悪いほうが気になる
「うわーワイバーンが虫みたいじゃ……」
魔王様がそんなこと言うから虫に見えてきた
空にはカラフルなワイバーンがうじゃうじゃとんでいる、気持ち悪い
しのぶがうち落としたりして少しずつ数を減らしているがとにかく気持ち悪い、一掃したい
「ゆうた、大技うつから引き寄せてくれ」
「わかりました【オートヘイトON】」
魔王様の魔法には安心感がある、だが数が多すぎてバグるとかはガチでなしにしてほしい
「行くぞ!【深淵大穴】」




