四話エースストライカーの魔王さん
「いやー長かったのう」
俺に待っていたのは長い説明でした。ギルドの中に数時間拘束されたのですっごい疲れた。
「わらわのときはもっと短かったような気がするがそれは気のせいなのかのう?」
「?」
肩をトントンされた、ギルドの人かな?
『気のせいじゃないですか~』
「うぎゃーーー!! って正体現したな!」
俺の目の前にいるのは緑髪の妖精っぽいやつだ。
何回か見かけたけど見間違えじゃなかったようだ。
『あーあ、とうとう見つかってしまいましたかーー』
「お前はなんなんや!?」
『お前はなんなんや!? と言われたら、答えてあげるが世の情け、世界の平和を守るため──』
「あの、長いんでもっと簡潔に」
『ボケてるんですけど!! 邪魔しないでくださいよ!!』
キレた、なんなんやこいつ?
「まあまあ落ち着くのじゃ、お腹空いたしお昼はどうじゃ? おぬしにもおごってやるぞ」
『いいんですか?』
「いいぞ、そのほうが話しやすいじゃろ」
『ごっつあんです』
なんだろう、こいつすっごい変なやつな気がする。
冒険者ギルドの向かいのアスカ食堂にやってきた。まさかまさかの食券制だ……
「ゆうた、なにがいい?」
俺は悩んでいる、野菜炒め定食か焼肉定食で
それで値段の単位がよくわからん。
青銅貨とか銅貨とか知らないです。
『私はこれですね』
「スタミナホルモン丼大盛……」
こいつなに頼んでんの? 体より大きくない? それ……
「おぬし本当にこれ食べられるのか?」
『はい! 胃袋無限なんで』
「まあ残ったらみんなでシェアしよう、それでゆうたはなににするんじゃ? 決められないならわらわが決めてやるぞ」
「野菜炒め定食で」
「「『いただきまーす』」」
魔王さんも俺と同じのにしたようだ。
さて、どれから食べようか、まあまずは白ご飯からですね。
『おいしかったです』
「「!?」」
一瞬前には大盛のスタミナホルモン丼があったのに今は容器だけだ……
「食べたん?」
『はい、丸のみで』
「ホンマに?」
『はあ~』
「くっさーー!」
こいつの口からスタミナホルモン丼と同じにおいがするんだがホンマに丸のみしたようだ。
なにこいつ
『どうやら私の正体を知りたいようですね?』
「そりゃそうじゃ、おぬしは一体なんなんじゃ?」
『それは』
「それは?」
『それは』
「それは?」
『う○こです!』
「おぬし、食事中じゃ」
『すみませんでしたーー、さようならーー!』
とんでいった、ホンマになんなんやあいつ?
う○こという謎のメッセージだけ残していったけど……
「次に会ったら懲らしめてやらねばならぬな、せっかく大銅貨一枚分奢ってやったというのに」
「それってどんくらいの価値なんですか?」
「確かおぬしの世界では千円じゃ」
「それは許せないですね、というかなんでそんなこと知ってるんですか?」
「わらわの知り合いに転生者がいるんじゃ、その人たちに教えてもらった」
「へーー」
まあ俺でも転生したんやし他にもいると思ってたので全く驚きはない、というかシスターさんが言ってたような……
覚えてないけど
「それで昼からはなにするんですか?」
「うーん、おぬしは弱すぎるからレベル上げじゃな」
「レベル上げ? そんなゲームみたいな……」
「それがあるんじゃ、ステータスのところに書いてあったじゃろ?」
確かに書いてあった気がする。
「レベルはどうやって上げるんですか?」
「魔物を倒すのじゃ、そうすればいつの間にか上がっているのじゃ」
「いつの間にか、それで魔物って」
「もちろんスライムじゃ、あれ以外をおぬしが倒せるわけないじゃろ」
北の平原にやってきた、そこそこの数のスライムが草を食べている。
「さあ倒してみるのじゃ」
「とは言われましても……」
スライムの倒しかたなんてわからない、前に倒したときはなんか変なナイフで……参考にならない。
「じゃあとりあえず蹴ってみればどうじゃ?」
「そうしてみます」
蹴ろうと思えば思うほどスライムがサッカーボールに見えてくる。
決めた、あいつにしよう。
俺は助走をつけてシュートするイメージで
「スッ!!」
あれ? 空振った……というか避けられた。
「このやろーー! とりゃーーー!」
俺は助走をつけて最高火力のドロップキックで
「スッ!!」
「ドンッ! 痛ってーーー!!」
「ゆうたーー、それはアクティブなほうのスライムじゃ、おぬしには倒せんから草を食べてるやつを倒すのじゃ」
「先に言ってくださいよーー」
「すまぬーー、忘れておった」
忘れてたんかい!
まあ今度は草を食べている最中のアクティブじゃないスライムを狙う。
もちろんスリーポイントシュートを狙って! シュート!
「ぽよんっ、ぽよんっ」
真上に跳ねてるだけなんだが、というかやっぱりスライムは物理的におかしい動きするな……
「ゆうた! コンボじゃ、とんでるスライムを蹴るのじゃ」
「はい! 魔王さん」
魔王さんの指南により
「スカッ」「ぽよんっ、ぽよんっ」
「スカッ」「ぽよっ、ぽよっ」
「スカッ」「ぽんっ……」
全部空振った。俺はタイミングゲー苦手なんだよ。
「おぬし……スライムが落ちてくる場所に足を置いておくのはどうだ?」
「置きエイムってことですか?」
「たぶんそれじゃ」
「足潰れないですか?」
「やってみるのじゃ」
「足「やってみるのじゃ!」」
魔王さんに押されやってみることにした、足潰れませんように
さっきのスライムはアクティブなスライムになってしまったので、別の草を食べてるスライムにする。
キミに決めた!
さっきのように助走してシュートを放つと真上に飛んだ。
そして落ちてくるであろう場所に足を置いた。
さあどうなる?
「ぽよんっ、ぽよんっ」
おーー! 足が潰れないしなんか足を上下にさせるとリフティングできてるように見えるーー
ちょっと遊んでみよう、まずは飛んでる間に足を入れ換える。
「ぽよんっ、ぽよんっ」
できた!
今度は飛んでる間に一回転
「ぽよんっ、ぽよんっ」
できた!
「なにを遊んでるのじゃ? 倒すんじゃよ」
「これ面白いですよ、魔王さんパス」
「おう、とりゃーー!」
魔王さんが足を上げたのでパンツが丸見えだ……
黒か
しっかりと拝ませていただこ……ぶおぅーーーん!!
「ゆうたーーー!!」
俺は魔王さんの蹴ったスライムが顔面に当たり空中に……
って俺はどこまでとんでくのーーー!!
次回スライム食す




