二十五話酔ってたのは気のせいじゃないですか~
いやーー、まさか真っ暗なところからボス部屋直前にショートカットするやつ、あれがバグだとは思わないですよ、普通は!
ギルドにたぶん一人で来た俺は魔核を高額で買い取りしてもらった、あとなんかいたシスターさんに昨日今日の話をしたら判明した。
『そうじゃなーー、ごほうびはなにがいいかのう』
『う○こでいいんじゃないですか?』
このシスターもう女神なのを隠す努力さえしていない……
まあバレバレですからねーー、しかもこの国の第一王女でもあるっていうね、もちろんマッチョ姫は城に置いてきたよ。
「ゆうた君と一緒にうぎゃーーーですわ~~~」
って言いながらユニさんに連れてかれたわ、なんて言おうとしてたんでしょうか
『決まったぞ、このポーションじゃ、これを魔王に飲ませるといいことが起こるかもしれぬぞ』
「なんのポーションなんですか?」
『それは飲ませてからのお楽しみじゃ』『楽しみじゃ』
怪しい、でもご褒美やから俺に悪いことが起きることはないはず、もしや惚れ薬的な? というか缶入りか、間違えて飲まないように気をつけないと、って気のせいはなに女神にハモってんの。
『あと依頼のほうのご褒美はスキル追加じゃ』『没収じゃ』
「そっちももらえるんですか?」
『当たり前じゃ、それでおぬしの仲間を庇うことができるようになるスキル、オートヘイトをおぬしにやる』『私がもらう』
「それはなんとも言えないスキルですね」
『まあ使ってみるといいじゃろう、それで王様との謁見が延期したぞ、勇者が行方不明だったり東のギア帝国に変な集団がいたり北のほうで魔王の偽物が魔王国を建国したことも一応知らせておく、それじゃああやつらが帰ってきたころじゃしご褒美を配ってくるとするのじゃ、またのう』
女神は消えた、なにいってんのか全然わからなかった……
ただ王様との謁見が延期したことだけは聞き取れたしよかった、というか魔王様が帰ってきたなら行かなければ。
「ゆうた心配したぞ」
全然心配そうにしてないのは気のせいですか?
『気のせいじゃないですよ~』
ちょっとかなしい。
「ゆうた生きてる!」「ん、予想外」
お前ら俺を舐めすぎでは?
「おっ、俺様のためにジュース用意してくれたんだな、ごくごく」
「あちょっ!」
死神が惚れ薬飲んじゃったんだが、ホンマに惚れ薬なんかは知らんけど。
「死神、それ魔王様にあげるやつなんやけど」
「へ? 嘘だろ!?」
『本当ですよ、あとそれ惚れ薬ですよ』
「惚れ薬だと!?」
「まあそれくらい飲んでも大丈夫じゃろ、ってわらわに飲ませるつもりじゃったのか!?」
「気のせいが勝手に言ってるだけです」
「そうか、それならそうじゃな」
気のせい、お前ってやつはどれだけ信用がないんだ?
「それじゃあ拠点で準備してオオツに行こう」
「?」
げろげろげろ~
「ゆうたは弱いのう」「せやな」「ん、よわよわ」
女神にはめられた、なんで俺はまた馬車に乗せられてんねん、どうやら今回の女神からの依頼はややこしいそう、まずオオツダンジョンのバグ探し……
げろげろげろ~
「かっこいい!」
げろってる俺をかっこよく感じるな!
死神さんよ~!
『あっ! 思い出しました! ゆうたさんが酔ってるのは気のせいじゃないですか~』
「あれ? 吐き気とふらふら感とかがなくなった……」
『すみません、酔いを止められるの忘れてました』
「おい!」
酔いが覚めてすぐにオオツに到着した、なんやったんやさっきまでのしんどさは! あとサカイまでの道中の馬の件な! いや、あれはいいか。
オオツに着いた、海にビーチがある、潮風を感じるなーー、ってオオツで海ってなんかおかしいような……
『気のせいじゃないですか~』
そうですよね、気のせいですよね。
魔王軍オオツ支部で荷物を置き、みんなは海に入るため水着に着替えにいった。ビーチまで徒歩ゼロ分とはこういうことなんですね、ってビーチに人が多くてここじゃ全く落ち着かんよ。
「おぬしの水着じゃ」
俺のもなんか知らぬ間に用意されていたようだ。まあいいでしょう、俺は誰もいないうちに一瞬で着替えた、色はもちろん黒です。
すげえ、黒い水着の美少女たちがやってきた。
なんか一人知らんやつが混じってるが気のせいだろう。
『気のせいですよ~』
お前はなんの格好しとんねん、それ潜るときのやつやろ、酸素ボンベついてるし、ミニサイズの。
『どうしました~? もしかして私に潜ってほしいんですか~?』
「いや、もっと露出が高い葉っぱとかつけてくると思ったんやけど想像と全く違ってびっくりしてるだけやぞ」
『へ~露出が多いのが好きなんですね、検討しておきます』
「ちゃうわ!」
「ゆうた、おぬしも行くぞ」
「はい」
魔王様黒い水着がとてもよく似合ってるしなんといっても
ケツラインが……すごくいい!!
それでお前は誰やねん、知らん子おるんやけど……
「ゆうたの水着姿かっこいい!」
お前死神か!? こいつ普通に美少女やん……
なんでいっつも仮面とあの格好してんの?
あまりに無駄すぎる。
「お前こそ無駄に可愛い顔しやがって」
「可愛い、ゆうたに可愛い……」
まあ俺はもちろん魔王様一筋ですけどね。
「砂ででっかいお城作る!」「ん、〈大波〉」
「地平線まで泳ぐぜーー」「浜の家で焼きそば買ってくる」
『潜る深さではありませんね』
全員バラバラでカオスすぎる……
滝汗はなんで整地から始めんの、どんだけでかいの作る気やねん、波はスキルでサーフィンすな、いやしてもいいけど、死神は間違っとる水平線な、あとちゃんと帰ってこいよ、魔王様はまあ普通……浜の家? 海の家じゃなくて?
あと気のせいは海に沈んどけ!!
『あのーー、私だけひどくないですか?』
「気のせいじゃないですか~」
というか心を読むのやめてもらえませんか。
『それよりゆうたさん、浜の家のほうにものすごい人だかりができてますよ、もしかしたら魔王さんが囲まれてるのかもしれません、助けに行きましょう』
いやーー、魔王様普通に列に並んでるん見えてるんだが……
まあなにかは気になるし行ってみよう。
さわさわ、子供たちが大砲を触っている……
「いい大砲だろう、これは……あーー、そこは危ないから触っちゃダメだぜ」
所持者も子供っていう、というかこの子なんで大砲なんか持ってんの?
「砲台ちゃん砲台ちゃん! 握手してーー!」
「いいぜ」
「うきゃーー、これが王国唯一のSランク冒険者様の手!」
あーー、聞き覚えがある、アスカのギルドでランクについて解説されてるときにお姉さんに砲台ちゃんのことも聞いたわ、って子供やん!
まあ我らが魔王様もやけど……
それでちゃん部分まで本名という変な名前のやつだ。
「君も触りたいなら触っていいぜ」
俺の中身は子供じゃないので触りません。
『じゃあ触りますね』
「あっ! 中に入っちゃダメだぜ!!」
『へーー、中の構造はこうなっているのですかーー、ぽちっ』
「押しちゃった! 発射するぜ!!」
「ドカンっ!!」
えっ!? スローモーションに気のせいが俺に向かってとんできた……で激突!!
「うぎゃーーー!! とんでるのは気のせいですかーーー!!」
『気のせいじゃないですよーーー!!』
俺と気のせいは大砲でとばされた、気のせいのせいで……
気のせいのせいのせいのせいは気のせいですか?
ごめんなに言ってんのかわからん。




