百七十二話俺の相棒
俺たちの試合時間が長すぎて二試合目以降が延期した
そのおかげで今日という一日がフリーになった
さあ今日の間に武器をゲットするぞ
「爆裂、なんか武器がありそうなとこ知らん?」
意外と役に立ちそうな爆裂に聞いてみる
「ここに武器があるのだ」
俺の股関を虫眼鏡で覗いている...
「それは武器じゃない」
「十分武器になると思うのだ」
なんだこいつ
頼りにならない爆裂はおいといて街中にやってきた
「いてっ」
一人で歩いてると石を投げられる、しかもほとんど命中してる、その器用値を俺にください
というか適当に街を歩いているわけではないぞ
街唯一の武器屋を目指しているのだ
あった、武器屋だ、あれ?なんか張り紙が...飛鳥田ゆうた立ち入り禁止...って入る前に出禁かよ
おいおいおい、そりゃねーぜ、ここ以外に武器屋ないんやぞ
武器屋の前で立ち尽くしていると中から見知った顔...しのぶが出てきた
「ゆうた殿、ちょうどいいところに、ここでこの刀を買ったんでござる、いいでござろう」
結構いい刀だ、アスカ丸よりちょっと短いから使いやすそうだ、というかこいつ俺の関係者やけど店入れんねや
「でもそれ高かったんちゃう?」
「金貨一枚したでござる」(十万円)
「しのぶってそんな金持ってたっけ!?」
「スロットで稼いだでござる」
あーいいなー目押しできるやつは
「初めてやったのにこんなに稼げたでござる、すごく運がよかったでござるね」
違う、こいつあれや、最初だけ稼げてその後爆死するやつや、後で苦しみやがれ、へっへっへー
「ではさらばでござる」
行っちゃった
でどうするか、下見して買うやつ決めてなにかしらで稼いで買う計画やったのに店入れへんし買うの無理やん
どうしましょ
もう石大量に拾いますか
だいぶ拾ったぞ、これで十分足りるはず、さてと明日の対戦相手でも見に行きますか
トーナメント表を見てみると次の相手は
ハッハッハ、死神かよ
また知り合いかよ
絶対対戦相手女神が操作してやがる、まあそのほうがおもろいけど
それでちょうどこれから波の試合のようだ、覗いてみよう
「こっち来んな!」「帰れ!」「顔も見たくない!」
クソ客に観客席に入るのを全力で拒まれた、こいつらの消しかたを教えてほしい、スキルさえあればボコれたんだがそれもできない、まあこんな考えやからスキル没収されたんかもしらんがすっげーいらつく
まあもうええわ、帰ろ
そのあと帰って寝た
「起きるのだ!遅刻するのだ!」
爆裂に起こされ目が覚めた、というかもうこんな時間、まあ全然間に合うけど
「遅かったな、ゆうた」「ん、実際遅くない」
会場にはすでに死神と波がいた
「勝たせてもらうぞ!」
「そういえば死神とは最近会ってなかったけどなにしてたんや?」
「今聞くかそれ!?」「ん、同意」
確かに今聞く話題ではないかもしれん
「まあ試合観戦したり、試合観戦したりしてたぞ」
「...」
なんやろう、あんま気にならんような気がしてきた
「ん、スロットで破産して武器屋で仕事してた」
「波言うな!」
あー、死神は俺の仲間かもしれない、仲間やけど
って武器屋ってもしかしてあの張り紙こいつが書いた説が濃厚な気が...
というか俺に勝つために?...なら卑怯すぎる
よし全力で勝とう
「今決心がついたわ、死神、全力で倒してやる!」
「望むところだ!」
「Aブロック二回戦第一試合ゆうたくんと死神ちゃんの試合ですkon、魔王軍同士の戦いkonがどう思うkon?」
「ゆうたくんがぼこぼこにやられ続けるのはもう見たくないですわ」
「それは同意するkon、できれば即決着してほしいkon」
まあ俺もワンパンで倒せるならするんやがまあ攻撃方法なかったししゃーないよねー
そして客がほぼいねえ...まあ前の試合あれやししゃーないか
『う○こー!!』
え!?また気のせい叫んでる、せめて客がいるときにしろや、ちゃんと聞こえてるし
さて試合開始直後特攻を予想している俺は石をすでに持っているぞ
「レディーファイト!!」
「どりゃーーー!!」
開始直後ものすごいスピードで死神が迫ってきた
予想通りだ、それに合わせて石を投げまくる
「とりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃー!」
「キンっキンっキンっキンっキンっキンっ」
なに!?全部大鎌で弾かれただと!?
死神が強くなってる、まあ前より体が大きくなってるような気がするしレベルも技術も上がってるんだろう、まあなによりも大鎌二つはズルすぎる
俺はただの石っころだけやぞ!!
「首狩りどりゃー!」
あー俺の首元に大鎌が入っていくのが見える、痛いな...
「シュッ」
俺の首は狩られた、でも一瞬でつながるんですよねー
死神は油断してやがる、ここで一発魔法をぶちかます
「【ウォーターボール】」
俺は小さめのウォーターボールを連射した、もちろんダメージを与えることはできないが濡らすことに意味がある
「首狩りどりゃー!」
まあもう一回やってくるよな、さっきと同じように首を狩られた後にウォーターボールを連射した
死神の服はな、よく水を吸収するんや、それで重くなるんや、知ってるぞ
「【火属性付与】【闇属性付与】」
さあ死神の本気バージョンや、ここから本気を出してくるぞ、って火ついてるほうで服を乾かしてやがる
ズルい
しかも闇の大鎌で牽制してるから近づけないしまあ近づいたところで攻撃方法ないんやけどな
こういうときは石を投げるしかない
「とりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃー!」
「キンっキンっキンっキンっキンっ」
全部弾かれてもうた...どうやって勝てと?
実は無駄に多くウォーターボール使ってたからあと一回しか魔法使えへんねよな...溺れさせるためにもう魔法は使えない、石も残り少ないし
しかも近づいたとて大鎌が刺さるとかないから前回のようにはいかないし死神は物理型やからMP切れさせても意味ないしもうなんや、ヤケクソや!!
「とりゃーーー!」
「首狩りどりゃー!」
俺は闇の大鎌で首を狩られた、なんか気持ち悪い
闇魔法ってこんなやつなんや...
まあ即再生した
「首狩りどりゃー!」
今度は火の大鎌で首を狩られた、すごい痛いし首以外にも燃えうつってるが、あっ消えた
「そろそろ諦めろどりゃりゃりゃりゃー!」
死神の連撃で体はバラ...再生速度速いからそうはならないがなにもさせてもらえない
これが死神の本気、あのメカさんにも劣らない攻撃の数々だ、全ての攻撃で体が切断されている
まあ一瞬で再生するけど
「はぁはぁはぁはぁはぁー」
スタミナが尽きたようだ、これで俺のターンに変わった
俺のスタミナは実質無限だからここからだ
「おらー!!」
「くっゆうた!」
「なんや!」
「ノックバック!」
あっ、忘れてた
「うおーどんっどんっどん」
ぶっとばされた、この間に死神のスタミナは回復する
くそっ、ノックバック忘れてたって、一番アカンやつ
どうしよ、これじゃあ死神を倒す方法がない...
こいつの弱点ってこれ以上...
あった!
一つだけあるわ、これに賭けるしかない!!
俺は石を持てるだけ持ち死神に向かって行く
「まだ諦めないのか!?」
「諦めるわけないやろがー!!」
俺は石を全て死神に向け放り投げ俺自身は死神にとびついた
「キンキンキンキンキンキンキンキンキン」
予想通りや、とんできた石を”全部”弾き返した
その間に俺は死神の懐に侵入した
「くそっ!」
そして俺は死神にタックルした、その衝撃で両方の大鎌を手離した、あとは仕上げだ
「【ウォーターボール】」
これを死神の口にほり込んだ!!
「...」
弾かれた、お面してるの忘れてた...
「離せ!離せ!」
「うおー!!」
暴れだした死神を馬乗りで必死で押さえる、くそっ!やらかしたなんでお面のこと忘れてたんや
見たらわかるやろ
「ぐおー!!」
力強い、このままじゃ持たない、けどなにも思い付かない
「あっ!!」
押さえつけるときに死神のちっちゃい胸をおもいっきり触ってしまった...
「か、かたいものが...がたんっ」
ゆうたはついちっちゃい胸に興奮してしまい股関の相棒が...ってもうやめてくれーーー!!
「勝者ゆうたくん...」
ゆうたは変な勝ちかたをしてしまった
「やっぱり武器だったのだ!」
と一人喜ぶ爆裂もいるのだった
相棒...